番外編『真夏のアイス』
るんるんるん。
クーラーで夏も涼しいけど、外はかなりの所、暑い。
「ミレーユさんちはクーラーで涼しいですね、実に快適」
「あ、ボロランらん、お久しぶりです」
「まあ、まだぼちぼちやってるよ。上が抜けてから、仕事も忙しくてね」
「あ、はい」
流行病事件で、上のワン、ツーの人が利権を盾に、ユグドラシルの葉っぱを取るのを制限した関係で、王様の怒りに触れて、追放されたんだよね。
もうちょっとで処刑されちゃうところだったんだけど、追放で済んだんだって。
ということで、もう王都にはいない。
それで仕事が全部、ボロランさんの所に集中してるから、大変ってことらしい。
「そうそう、アイス作ったんですよ」
「アイス、氷菓子か?」
「そそ、そのアイスですぅ」
私が氷魔法を駆使して冷やして固めたものだ。
一つは紅茶味、もう一つはハーブティーを使ったアイスだ。
「紅茶とハーブティー、どっちにします?」
「そうだな、せっかくなので、先に紅茶を。あとでハーブティーももらっていいかい?」
「特別ですよ?」
「あはは、分かった分った」
ボロランさんに紅茶のアイスを渡す。
「そういえば、ミレーユさん、アイスクリームも作ってましたもんね」
「そそ。アイスクリームは柔らかいやつ。これはちゃんと凍ってて硬いんだよ」
「なるほどですー」
マリーちゃんが、ふむふむと納得顔をしていた。
氷魔法はそこそこ珍しいので、アイスもあまり売っていない。
本職の人も多くは、氷菓子ではなく冷蔵庫用のアイス専門だったりするし。
「ミレーユ先生、アイスクリームもまた食べたいですね。一週間に一回くらい」
「あはは、シャロちゃん、食いしん坊だ」
「えへへ、先生だって、そうなくせに」
「ばれたかー」
まあ私は前から食いしん坊ですよ。
美味しいものはみんなで食べると、もっと美味しいもんね。
「きゅっきゅ」
ポムにもアイスを渡すと、触手でバーの部分をつかんで、口にくわえてプルプル震えている。
かわいい。
ちなみに、ポムは触るとひんやりしていて、年中気持ちがいい。
冬は逆にちょっと生温かい気がする。
「このアイスとかいうの、とても美味しかったです。ハーブティーもいいですな」
「でしょ」
ハーブティーのアイスまで完食した、ボロランさんがヒゲを触りながら、うんうんとうれしそうに頷いている。
「では、また。マドモアゼル、ごきげんよう」
一応紳士の挨拶をして帰っていた。
「ねえ、ミレーユさん、ボロランさん、何しに来たんでしょう」
「そういえば、そうだね。アイスだけ食べていったけど、雑談にしきたのかな? 用事とかないんだろうか、不思議」
「きっとメイド服を見に来たんですよ。私、名推理です!」
シャロちゃんが、我が物顔で、ドヤァと主張する。
「あはは、実はそうだったりして」
「もう、そんなことするんですかー」
マリーちゃんも、みんなもあきれていた。
それで、本当は何の用だったんだろう、ボロランさん。
まあいっか、あの人、忙しいし、息抜きしたいだけかもしれないね。
こうして、また日々が過ぎていくのでした。
こんにちは、こんばんは。
滝川海老郎です。
コミカライズは色々ありまして、ちょっとずつですが、間隔をあけつつ、たまに更新されると思います。
たぶん、単行本もそのうち発売になると思いますが、よく分かりません。
もし、その時がありましたら、よろしくお願いします。
皆様も、今年も暑い夏になりそうです。
頑張って行きまっしょい!
ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
では、また、たまにお会いしましょう。




