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第48話・マリッジ&エンゲージ


朝から賑わうギルドに足を踏み入れると、見慣れた光景が3人を包む。

朝から酔っ払うオークたちや仕事に出掛けるエリーンのパーティ連中に声を掛け、いつものカウンターへ。


「おーす」


「おはようございます!」


「おはよーみんな!」


そこには既にジーク、メル、ミルの3人が座っていた。


「おはよー!」


「おはよう3人とも」


「よっす」


「んああ!?」


「うおっ、なんだ?」


ジークが挨拶を終えると、突然エルが奇声を上げた。


「な、なんか先輩から用があるから一旦戻って来いって……」


「あー、そりゃー残念だー行ってら」


「うう、流石にこれはサボれない……」


残念そうな顔で、エルはスーッと消えていった。うん、やっぱりいつ見ても成仏してるようにしか見えない。

すると、ジークが口を開いた。


「やれやれ、相変わらず二股街道まっしぐらだな」


「何言ってるんだよまさかもう酔ってるのか?」


「いや、まだ飲んですらいないから」


隣に座り、そんな他愛ない会話をしていると、あるものがケージの目に入った。


「ん? ジークお前、その指輪……」


「ああ、これか?」


そう言ってジークは左手をスッと見せた。その薬指には銀色に輝く指輪がはまっている。


「婚約指輪だよー! 私とジークの!」


ジークの背中にのしかかり、嬉しそうな笑顔でメルが言った。


「えぇ~!? いつ、いつプロポーズされたの!?」


依頼書の束をふっ飛ばしそうな勢いで話に食いついたのはテリシア。


「うふふ~、昨日! 夜に外食に連れてってくれるって言うから2人で食べに行ったんだけど、その帰りに、ね!」


「そ、そんなに大きな声で話さないでくれ……」


プロポーズの流れを思い切り暴露されたジークは、顔を赤くして恥ずかしそうに俯いている。


「ま、ジークさんならこのバカ妹も安心して任せられるからね!」


と自慢げに言うミル。その表情はとても嬉しそうで、心から2人を祝福しているのが分かった。


「誰がバカ妹よ!」


「あら、毎日のように飲み潰れてお姫様抱っこしてもらってるメルちゃんのことですけど~?」


「なぁにをぉ!」


ぎゃいぎゃいと騒ぎ出す元気姉妹を苦笑いしながら見守るジーク。

やれやれ、いい家族になりそうでよかった。


「素敵ですね。婚約だなんて」


先ほどの怖いくらいの驚き顔とは打って変わって、穏やかな表情でそう言うのはテリシア。メルが1番の親友ということもあり、我が事のように嬉しいのだろう。


「だな。メルとミルさんがいてくれて本当に良かった。ジークもよく笑うようになったし」


「……いいなぁ」


うっとりしたような表情で3人を眺めるテリシアがそう呟いた。


「ん、じゃあ俺達も結婚するか」


「え、いいんですか?」


「おう。結婚式とかはまだ先になるけどな」


「是非! 結婚します!」


さらっと結婚を取り決めたケイジとテリシア。そしてそんなやり取りを呆然と見つめるジークとメル。


「お、俺があれほど念入りに準備して、あれほど本番緊張した事を、ケージお前……」


ワナワナと震えながら言うジーク。

いや、そのガタイで何言ってるんだアンタ……。


「まあ、この子たちらしいっちゃらしいか」


ミルが苦笑いしながら言う。


「別にそんな緊張する事でもないだろうに」


「いやいやいや! 結婚だぞ!? 人生の一大決心じゃないのか!?」


ややキレながら言うジーク。

よっぽど頑張ったんだろうなこの子。うんうん、ママ嬉しい。


「んな事言ったってお前、俺はテリシアと離れる気なんて無いぞ?」


「け、ケージさん……///」


「甘ーーーー!!」


「うっせぇ砂糖を吐くな砂糖を! ていうかジーク、お前こそメル以外の女とくっつく気なんて無いだろ!?」


「そういう問題じゃないんだよ!」


「じゃあどういう問題なんだよ!」


「うるせぇ! 死ね朴念仁!」


「お前それ意味分かって使ってるのか!?」


半泣きで喚くらしくないジークと、それを諌めようと必死になるケージ。面倒臭くなったのか2人を放ったらかしてこれからの事を話すテリシアとメルのガールズ2人と、そんな4人を穏やかな顔で見守るミル。


相変わらず平和な異世界の、とあるギルドのカウンターの光景である。


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