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第47話・今後の活動方針第1案


ケイジがこの世界に転移してから約1ヶ月が経った。


うーむ……。

どうしたもんか……。


何がって?

いや俺さ、結構前にこの世界で快適に過ごす為のモノを集めるみたいな話しただろ?確か第5話くらいで。


揃っちまったんだが。もう既に。

仕事は普段からしてるし、防衛戦の謝礼やらレオルぶっ飛ばした時の恩賞やらで余裕はあるから財産は充分。

ギルドの中での知り合いも増えたし、信頼出来る仲間も沢山いる。自分で言うのも何だがそれなりの地位にいると思う。よくパーティに誘われたりもするし。

衣食住は言わずもがな、まだ結婚はしてないがテリシアとも一緒になれた。


完璧って言っても過言じゃないくらいにこの世界での暮らしが充実してるんだ。

別にそれが嫌だなんて言う気は全く無いが、何かしら目的とかがあった方がなおのこと良し、だろ?

何か良いアイデアは無いか?


結婚式か?

まあいつかやりたいとは思うけども。


それの準備をゆっくりやっていけばいい?

新婚生活の準備も含めて?


なるほど、一理あるな。

結婚式って言ったら、ケーキに指輪と……行ったことないからそのくらいしか思い浮かばんが、他にも色々必要なんだろうな。

じゃあ、焦らずゆっくり準備しながら、とりあえずは今の生活を満喫していきますかね。


リビングでモーニング・コーヒーを飲みながらなんとなく考えているケイジだった。そして着替えを終えたテリシアが入ってくる。

平和な日常の1ページだ。


「お待たせしました~。行きましょうか」


「はいよ。鍵と財布持ったか?」


「はい! バッチリです!」


ふんす、とドヤ顔をかますテリシアの頭を軽く撫で、玄関で愛用のブーツを履くケイジ。なんでも自分の服に合う靴が見つからないとかで、激しい戦闘で傷付いても魔法で修理しながらずっと使っているそうだ。

レニカやメルと違い、ケイジは普段は自分の細剣を持ち歩いていない。本人曰く「服に合わないし腰に差すと色んなとこに引っ掛かるんだよ。何処でも魔法で取り出せるし、コートの中にハンドガンとナイフも忍ばせてるから問題無い」だ、そうだ。


「あ、そうだケージさん」


ふとケイジの隣を歩いていたテリシアが口を開いた。


「ん、どした?」


「今日はまだおはようのちゅーしてないです」


「……」


やめろよお前らそんな目で見るのを。

そりゃお前、結婚はまだしてないけどもさ。

相手はあのテリシアだぞ?スーパード天然ガールの。王都から戻って勢いで告白したあの日から、前以上にグイグイ来るんだよ。まあ俺的には全然オーケーなんだけど。


「ちょっと待ったあ!」


こいつがオーケーじゃないらしい。


「テリシア! いくら付き合ってるからってイチャイチャし過ぎ!」


そう、エルだ。

王都のゴタゴタの時とかやたら静かだったからてっきり解放されたのかと期待したが、真逆だった。自分より1つ上と1つ下の序列の悪魔に自分の統治してる軍勢を任せて、完全にこっちに移住したんだそうだ。


「おはようエルちゃん! いいじゃないですかもう私達恋人同士なんですから!」


「良くない! テリシアが恋人でも私はお嫁さんだもん!」


いや違ぇだろ……。


「違いますぅ~、ちゃんとケージさんが好きって言ってくれたのは私ですぅ~」


張り合うテリシア。

うん、可愛い。


「ふーん、でもご主人は私がいないと生きていけないカラダなんだからね!」


「なっ……!? ど、どういう事ですかケージさん!?」


「誤解を招く言い方するなよエル」


んあ、どういうことかと言うとだな。

これも後からエルに聞いたんだが、俺が防衛戦の時にあのローブの男に殺された後、エルのおかげで生き返ったんだけどさ。エルから貰った魔力、そうそう、ガルシュ達が『黒い』って形容してた魔力な。それが無いと死んじまうらしいんだ俺。

ただまあ、その魔力もエルが生きてさえいれば契約が切れても永続的に供給されるらしいし、こいつを殺せるやつなんざ片手で足りるくらいしかいないから大丈夫だろ。


テリシアにも分かるように、端折って説明する。


「な、なぁんだ、そういう事ですか」


「それに比べてテリシアはどう? 私はいなきゃご主人が死んじゃうくらい大事な存在だけど~」


「いや、テリシアがいなくなったらどっちにしろ俺が死んじまうからやめてくれ」


「ケージさん……!」


「むううぅ! ずるいよご主人! 私にも好きって言って!」


ふわふわ飛びながらポコポコとケイジの頭を叩くブエル。


「はいはい好きですよ~」


「やったぁ!」


チョロい悪魔だ……。


「お、3人ともおはよう! 相変わらずお熱いねぇ!」


「あ、テリシアちゃん! また美味しいコーヒー豆が入ったから後でおいで!」


朝から元気な街の人々と言葉を交わしつつ、ギルドへ向かう3人なのであった。

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