表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第3話「SNSの誤解」

――夕暮れの街路樹に、オレンジ色の光が落ちる時間。

カフェの扉が静かに開き、一人の青年が入ってきた。スマートフォンを握りしめ、少し肩を落としている。


「いらっしゃいませ」

「……相談に来ました。SNSで、誤解を招いちゃって……」


ミライは頷き、静かにカウンターに案内する。

「どんな誤解ですか?」


青年はスマホの画面を見せた。そこには、彼が投稿した写真とコメントが並ぶが、文字だけを切り取ると、友人たちに悪意や軽率さが伝わってしまったらしい。

「ちょっとした冗談のつもりだったんです。でも……みんな怒っていて、返信も来なくて」

「なるほど。言葉だけでは伝わらないこともありますね」


ミライはアルバイトの少女に目配せする。

「じゃあ、少し整理してみましょうか」


カフェのテーブルに置かれた紙とペン。青年はゆっくり、起きた出来事を時系列で書き出す。ミライはそれを見守り、時に問いかける。

「その時、どう思った?」

「どう感じてほしかった?」


紙の上に、言葉と感情が整理されていく。

「誤解は、意図が伝わらなかった結果です。まずは自分の思いを冷静に伝えること。謝るべき点は謝ること。それだけで、状況は変わります」


青年は深く息を吐き、スマホを握り直した。

「やってみます……」

「誰かを傷つけるつもりはなかった。それをまず認めるだけで、少し楽になりますよ」


扉の外に、街のざわめきが戻る。

カフェの中では、アルバイトたちが笑い声を小さく交わし、青年は少し前向きな表情を取り戻していた。


「SNSは怖いものでもあるけど、こうして整理すれば、次にどう行動すればいいか分かる」

ミライの声に、夕暮れの光が優しく応える。


――また一つ、紙袋の中の悩みが、形を変えて軽くなった。

次に扉を開ける客は、どんな“小さな社会問題”を抱えているのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ