7歳のパーティー
かなり短いです。
パーティーの本編は次回分からになります。
前半・レイチェル視点→後半・リズビア視点になります。
小さなお姫様が2人廊下を仲良く歩いてくる。
片方はライトブルーのひざ下丈のドレスで快活さを印象づけ、もう片方は昨年と同じ白色を基調とした裾長のドレスで大人しい印象を与える。
それぞれの性格を表したようなデザイン性にクツクツと笑いが込み上げる。
「おはよう、2人とも。お誕生日おめでとう」
「「お兄さま!!ありがとうございます」」
パッと花咲かすような満面の笑みを向けてくるリズビアと嬉しそうに頬を色づけるシルビア。
本当に性格を表したようなドレスセンスにまたもや笑いが込み上げる。
「プレゼントは後で部屋に帰ってから確認しな」
「今年もありがとうございます」
「今年は参考書以外ですよね??」
リズビアが笑顔のまま尋ねる。そういえば昨年は参考書として2人に隣国の歴史書を贈ったんだっけか。それはそれは嬉しそうにする顔と引き攣った顔が見られたものだった。
「今年は国内の輸入製品一覧とその概要だな。主に船によるものの」
「本当ですか⁈それは嬉しいです!!」
ぱぁっと瞳を輝かせるリズビア。一方のシルはなぜ船?といったように首を傾げる。今年はリズに刺さって、シルには刺さらなかったか。
「それはよかった」
本当に見ていて飽きない妹たちだ。
「あら、おはよう」
「おはよう、ロゼ」
「「おはようございます、お姉さま」」
ロゼリアが合流する。
「とてもかわいい妖精が2人もいると少し心配ね」
「?」
リズビアは首を傾げるが、シルビアはニッコリと微笑む。
こういうところだよね~。
心配なのところって
まぁ、仮に能無しが双子に誘われて群がったとしても只で済ますつもりなんて公爵家一同ないのだが・・・
「今年のプレゼントはペンにしたからあとで部屋に行って確認しなさいな」
「「ありがとうございます」」
「今日のパーティーの主役は貴方達なんだから楽しみなさい」
この中で最も社交界経験が多いロゼリアが妹たちに助言する。まぁ今年は昨年みたいなことは起こらないだろう。起こったとしても王族相手でなければ基本的に相手側が悪くなるわけだし…
問題ないだろう。
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「おやおや、小さなお姫様達。おめでとう」
「生まれてきてくれてありがとう。とても似合っているわ」
「「ありがとうございます、お父さま、お母さま」」
お父さまがそっと私達の頭を撫でてくれる。
「もうすぐパーティーが始まりますからね。くれぐれもマナーは気を付けてね」
お母さまが心配気におっしゃる。
たぶん大丈夫だとは思うけど、油断はできない。なんせ公爵家のご令嬢というのは良くも悪くも目立つものだ。私達の粗相がそのままお父さまやお母さま、お姉さま、お兄さまの評判にも関わってくるというのが貴族である。
おばあさまに教えていただいた淑女教育を思いだしながらお母さまに大丈夫だと微笑み返す。
きっと大丈夫。
さぁ、パーティーを始めよう!!
7歳の誕生日プレゼントって何を喜ぶものなんだろう??




