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 ただただ虚しいことを隠しているだけではなかったか? 俺がやりたかったことは何なのか。ただひたすらに集中することだったのか。であれば受動的な趣味で満足できたはずだった。何か物語になることはないのかと探していた。そんなものはないと知っていた。俺が作ろうとすればエターナル。


 だが完成させたこともあった。全ては過去の話。全てを消した。俺はもう自分が疲れるということを知らずに闘争の中に身を投げる気でいた。生きてやる。死に向かうことはない。だが生きていることに意味を感じない。意味はないと知りながら、俺が俺であり続けるなら生きてもいいと思っていた。


 何かができること、何かを成し遂げたことで自分を位置付けるのだとしたら、どうやっても頂点に君臨できないことを悩むのかもしれないが、俺が望んでいることは俺という存在そのものの力だった。これが全てを破絶する。ただあるだけでしめ縄を断ち切る。そんな存在感が欲しかったかもしれない。


 誰よりも偉いわけではないと知りながら、少なくとも一番下ではないはずだと思い込んでいた。まあ一番下だったところでなんだ。死ぬのか? 順位付で全てが決まるわけではない。今月のノルマを達成できるかどうかで悩むような仕事には就きたくないのだが、存在を仕事にしたい。


 仕事とは何なのか。可愛いだけでは駄目なのか。それは女の言うことで、駄目ということはないと思うのだが、可愛いということを伝えるには外力が必要になる。内側の可愛さだけで面の皮が厚ければ、何の意味もなかったりする。俺だって格好良いだけで良いなら、すでに幸福だったはずだ。


 俺は誰よりも素晴らしい怠惰の悪魔だ。何もしない。何かをする時は強いられているのだ。誰かの弟子になって、何もしないというのは苦痛だろう。だから思わず従ってしまう。そういう関係性が生涯持続するのであれば、道は一つに定まるだろうが、寄り道に意味を見出せるほどの余裕がなくなるかもしれない。


 本当に大切なことが何かを考えていた。俺は生き続ける。死ぬまで続ける。死んでも止めないだろう。それほどの覚悟のあることのために闘争心むき出しになっても伝わらない本質というのはあるはずだった。俺は誰のために生き、誰のために死ぬのだろうか? 同じことを繰り返しているだけだ。


 だが一つ見定めたことを続けていくのもまた尊い。俺は真実に仕えたいと思っていた。この世において、正しいことが何かなど知ったことではないが、少なくとも何かがあるということは言える。そこに俺が含まれているということも言える。いやはや、出発点は俺自身にしか取れないのだろうか。


 確実に言えることは何もないのだが、人より劣ったことをしているのに、自分の方が優れているとは言えない。だが固有のことをしているのなら比較する必要はない。跡を追わない、先んじようとしない。その姿勢の中で押しも押されもしない自画像を確立できるといいうのではないか?


 俺ほど悩みに悩んだものを俺は知らない。それは解決に向けていたという意味で、永遠の効力を発揮するのである。解決されたことに感謝しつつ、己が悩んでいるのは、ただ己の中にあるだけのことだと実感するのである。自分とその肉と外界を隔てようとして、無能に絶望するほど愚かではない。


 どんなに無能であったとしても死ぬだけだ。その後地獄に落ちなければいい。いや、地獄に落ちたところで何なのだ。永遠の孤独と断絶。確かにそれは苦しい。一人で生きていくなど到底できないだろう。全てが苦しみに塗り替えられたとして、そこにいるのは本来の自分だったのだろうか?


 それとこれとは別として、天国に行ったところで、それは本当に俺なのか? 俺は死んだ時に消滅するのかもしれないし、残された魂に同一性を保証できるとも限らない。俺より尊い魂はいくらでもあるのかもしれないが、これほどまでに祝福と呪いを一緒に受けた者もいないだろう。


 だからこそ俺にしかできないことがあるはずだと信じている。それが俺という存在を外界に表現することなのだ。小さな知り合いのグループの中に止まっているだけでもいいのだが、よりグローバルに知られても良かった。本気で信じているのかはさておき、俺は本当に作り変えられていった。


 原型を留めているのかすら分からない。だがやっていることは大差ないだろう。以前はあんなことができた、こんなことができた。今ではさっぱりというのが悩みの種だとすれば、過去の自分に縋っているだけなのだ。今しかないのだから今を見つめて、未来を切り開いていく。それも運命に身を委ね。


 俺の運命は俺が決められない。全ては決められている。大いなる存在に。全ては予定調和でありながら、偶然性を感じられるように十分に配慮されている。だから生きようが死のうが、意味などなく、ただ神の作品であるとしか言えない。被造物の中に神の聖なるを宿した人間がいるというだけだ。

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