087「幕間:ラルフの日記(抜粋)②」
※※※※年○月×日
セルティア魔法学園の魔法自由科に入学した。
案の定、学園内は六大魔法の魔法士である貴族が幅を利かせている。
将来のざまぁフラグかな?
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※※※※年○月×日
入学した魔法自由科にミーシャ・セルティア第一王女がいたのにビックリした。
普通、王族は『上級士』以上の称号を持っているので魔法騎士科に入ると思っていたからだ。
となると、もしかすると、ミーシャ様は戦闘が苦手だからここに来たのかもしれない。実際、ミーシャ様のお兄様である3年生で生徒会長のレオンハート様は魔法騎士科なのだから。
ちなみに、自己紹介でミーシャ様からすごい拍手をもらった。まさかそんなリアクションをしてもらえるとは思ってもみなかったのですごく驚いた
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※※※※年○月×日
獣人のヤン・レンレンから『ヤン式拳法』という名の地球で見たことのある『詠春拳』に似た拳法の基本型を教えてもらった。
地球にいた頃、ブルー○リーやイッ◯マンのような拳法の達人に憧れていたのでとても興奮している。
この世界なら、こんな私でも身体強化を使えば達人のような動きができるから、ぜひこれを機に独自の拳法を編み出し、戦ってみたいと思う。あちょー!
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※※※※年○月×日
生活魔法クラブという部にテイラーと一緒に入部した。
ここでは生活魔法の研究や魔道具開発をしているという。まさに私にとってうってつけのクラブだった。
ここで、生活魔法も魔道具開発も同時進行で頑張っていこうと思う。
それにしても、ヤンキーのスケバンレイカ先輩が怖い。
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※※※※年○月×日
生活魔法クラブのみんなに私の『ラルフ式生活魔法』で威力が増した既存の生活魔法や、オリジナル魔法を見せた。
うん。しっかりと呆然とさせてやった。
正直、見せるかどうか少し迷ったが、しかし、フリオ先生は私のことを『何か』に利用しようとしているフシを感じたので、それが何なのか探りたかったので今回皆に私の生活魔法を見せた。
さて、この後どんな動きがあるのかな?
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※※※※年○月×日
新入部員としてミーシャ・セルティア第一王女が入部した。
まさかお姫様が生活魔法なんて王族や貴族であれば毛嫌いするようなクラブに入部するなんて、王族でもこんな人がいるんだなと少し驚いた。
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※※※※年○月×日
今日、生活魔法クラブのみんなにラルフ式生活魔法とオリジナル魔法を見せた。
みんな、予想通りいいリアクションをくれた。
やはり、生活魔法クラブに入ったからには生活魔法や魔道具開発を存分にやりたいと思ったからだ。
ただ、光魔法の治癒魔法のコピーは魔道具にしてはいけないと言われた。さすがに生活魔法士が光魔法を使えるというのがバレるのはまずいらしい。
でも、オリジナル魔法の『鎌鼬の狂い刃』の魔道具化はオーケーが出た。よかった。
それにしても、六大魔法絶対主義の縛りやそれに関わる既得権益貴族たちがいるおかげで、自由に生活魔法の研究ができないな。
ちょっと、鬱陶しくなってきた。
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※※※※年○月×日
魔石封入のみではあるが、『鎌鼬の狂い刃』の魔道具が完成した。
さらに、その魔道具の効果を確かめるべく、ダンジョンに行った。
ていうか、ダンジョンがあるとは知らなかったので驚いた。
やっぱ、異世界と言えばダンジョンだよな〜。
あと、ダンジョンボスが予想以上に強かったのに驚いた。
あと、魔物がしゃべったのにも驚いた。
とはいえ、敵じゃないのでさっさと倒した。すると、みんな呆気に取られていた。
つまり、私は「俺、なんかやっちゃいましたか〜?」をやらかしたようだ。
あと、サブリナがすごい饒舌だった。
あと、みんなにウチの弟妹の自慢もしておいた。
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※※※※年○月×日
ドワーフの村に行くことになった。
しかも、その生き方が古代遺跡にある転移陣を使うとのこと。
そして、転移陣で飛んだ先はシルフェ・ヴァンディス共和国にあるドワーフの村であるイツクール村という場所だった。
古代遺跡に転移陣、そして、転移陣はエルフ族とドワーフ族の国であるシルフェ・ヴァンディス共和国につながっていた。
古代遺跡とは一体何なのだろうか?
イツクール村でゴズ村長に会って話をした。
すると、ドワーフの祖先からの口伝の話で、1000年前、世界は生活魔法が主流魔法だったという言い伝えを教えてもらった。
ただし、ゴズ村長は証拠などがないあくまでも言い伝えなので信じていなかったそうだが、私の話を聞いて今は信憑性が高まっていると言う。
その言い伝えが真実かどうかはまだわからないので何とも言えないが、だが、個人的には本当の話じゃないかと思う。
だって、生活魔法が世界の主流魔法だったと聞いたらすごく納得したもの。
ただ、そうなると、いよいよきな臭い話が現実味を帯びてくる。
誰かが主流魔法を生活魔法から六大魔法にすり替えたという可能性だ。
すると、ゴズ村長はオプト神教が怪しいだろうとのこと。
私もそう予想していたので、それはかなり有力な可能性だと思う。
しかし、そうなると大きな疑問が1つできる。
世界の主流魔法を生活魔法から六大魔法にすり替えられるのは、一応大規模な布教活動で可能かもしれないが、しかし、王族や貴族だけが六大魔法を授かる可能性が高いといったことをどうやっているのかということだ。
こんなことを人間業で可能なのだろうか?
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※※※※年○月×日
学園に戻ってきた。
私はイツクール村でも相変わらず『気づかないフリ男』で何食わぬ顔をして周囲の話を聞いていたが、その内容から察するに、どうやら学園長やレオンハートたち『改革派』が積極的に動くような話をしていた。
その流れで、フリオ先生がゴズ村長に私のオリジナル魔法をどんどん魔道具開発していくという話になった。
これまでは、そういう行為はお上に目をつけられるからと避けてたっぽいがそれを行うということは、お上と喧嘩するということになったのだろう。
ということで、魔道具加工ができる一流の職人としてゴズ村長の孫娘ソアラちゃんが学園に派遣されることとなった。
私的には、これで忖度なく、自重せずに、生活魔法の研究や魔道具開発ができそうなのでワクワクしている。
もうみんながドン引きするくらいのオリジナル魔法作って、どんどん魔道具加工していこうじゃないの。
やっほい!
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
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『毎週土曜日13時更新』です。
よろしくお願いいたします。
mitsuzo
 




