088「魔道具販売」
イツクール村から戻って1週間が経過した。
現在は予定通り、生活魔法の研究と同時に私のオリジナル魔法の魔道具開発を進めているのだが、特に魔道具開発でソアラちゃんの『本性』が現れると、話が一気に進んだ結果、魔道具がすぐに1つ完成した。
ちなみにソアラちゃんの本性とは『根っからの魔道具オタク』だったということだ。
普段は人見知りで大人しい彼女だが、いざ魔道具の話になると、目がキラキラ光り、流暢にとめどなく饒舌に言葉をかけてきた。皆、あまりの変わりようにドン引きだったのは言うまでもない。
その後、ソアラちゃんはハッとして「ご、ごめんなさい⋯⋯」と顔を紅潮させて、ペコペコと何度も謝って見せたが、しかし、またいざ魔道具の話になると饒舌になり⋯⋯と、どうやら抗えないクセのようであった。
いずれにしても、たしかにソアラちゃんの魔道具に対しての知識や素質がとても深く、また魔道具加工にしても『好きこそ物の上手なれ』という感じで、とても器用に、スピード早く、加工を行っていた。
「人は見かけによらないな〜」と関心したのは言うまでもない。
そして、その完成した魔道具というのが、
「あ、あの、光魔法の治癒魔法って魔道具にしてよかったんですか?」
そう。以前作成を禁止された、あの光魔法の治癒魔法『治癒』の魔道具だった。
「ええ。大丈夫です。ちゃんと学園長の許可もレオンハート様の許可も取っています」
とはフリオ先生。
「い、いや、でも、こんなの販売したら既得権益貴族やもしかしたら国王様なんかもいろいろと言ってくるんじゃ⋯⋯」
「ええ、それも大丈夫です。問題ないです」
フリオ先生はそれでも「問題ない」と仰るので、私はそれを素直に受け取ることにした。
「わかりました。ありがとうございます」
こうして、六大魔法の1つである光魔法『治癒』と同じ効果を発揮する『生活魔法の魔道具』という⋯⋯前代未聞の魔道具が販売する形となった。
——しかし、それから3日後のこと
「え〜、皆さん、先日作成したあの『治癒の魔道具』ですが⋯⋯」
フリオ先生の話によると、どうやら、どこの商会もこの魔道具を扱うのを断ってきたとのことだった。
「まさか、ほとんどの商会が拒否するとは⋯⋯あれだけの革命的な魔道具だというのに⋯⋯」
フリオ先生が「信じられない」という表情で落ち込んでいた。しかし、正直今回の商会の対応は予想できたんじゃないかな〜と個人的には思うけど。
「あ、あの⋯⋯それなら俺が親父に頼んでみましょうか?」
と、ここでテイラーが提案をしてきた。すると、
「おお、そうですか。では、テイラーくんお願いします!」
フリオ先生がテイラーの提案にほぼ即答で乗っかった。
あれ? さっき商会が相手にしないということで落ち込んでいたけど、あれって⋯⋯演技だった?
とりあえず、その後テイラーが父親に話をすると、後日、テイラーの親父さんが懇意にしている取引先の商会を紹介してくれるという話となった。すると、
「あ、あの、ここって、生活魔法クラブで合ってますか?」
と言って入ってきたのは、同じ魔法自由科にいる同級生の⋯⋯、
「「ラ、ライズ⋯⋯?!」」
私とテイラーは入ってきたライズを見て驚いたが、当の本人であるライズは淡々とした感じで話を始める。
「あの⋯⋯バレンタイン子爵家当主『スウィフト・バレンタイン』様から頼まれてきたのですが⋯⋯」
「え? ライズ⋯⋯お前、ウチの魔道具を卸している商会⋯⋯あー『ラミング商会』の関係者なのか?」
「えーと⋯⋯『ラミング商会』はウチの実家でして⋯⋯商会長の『ラミング』は父です」
「ええっ!? 父親!! マ、マジかよっ!? 親父からはそんなこと一言も聞いてないぞ?!」
「たぶん、驚かせたかったのでしょう。スウィフト⋯⋯テイラー様のお父様は⋯⋯その⋯⋯そういうイタズラが好きな方なので⋯⋯」
なんと、ライズはテイラーの実家で開発した魔道具を卸している商会の商会長の息子だった。
「あんのクソ親父ぃぃ〜〜!!!!」
なるほど。テイラーの親父はなかなかユニークな人のようだ。
「ライズ君がスウィフト・バレンタイン様から頼まれてきたというのは、この生活魔法クラブで開発した魔道具をラミング商会で卸すという話かな?」
「はい。その通りです。ラミング商会で独占的に承るとのことです」
「「「「「おおおおっ!!」」」」」
ということで、ラミング商会から生活魔法クラブで製作した魔道具を販売することが決まった。
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
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mitsuzo




