064「ラルフ・ウォーカーへの質疑応答①」
「⋯⋯な、何なの、今の?」
どうも、私です。ラルフです。
現在、現場は非常に微妙な空気が流れております。
というのも、きっかけは先ほど葬ったレッド・ミノタウルスの件のようですが、私が皆のところに戻ると何とも言えない表情で迎え入れられ、ミーシャから冒頭の言葉をいただきました。
「何なの⋯⋯と申しますと?」
「ラ、ラルフ君の体が光ったことや、レッド・ミノタウルスをあんな簡単に倒しちゃったり、他にも、えーと、それから、それから⋯⋯」
何とも要領を得ていない様子のミーシャ。すると、
「ええい、ミーシャ! ステイ!」
「レイカ先輩!」
ここで、レイカ先輩がミーシャをステイさせると、いつにも増して殺気の籠った顔で迫ってくる。
「おう、おう、おう⋯⋯そこのラルフ・ウォーカー! お前にはちぃーとばかし聞きたいことがある! 大人しく神妙にしろいっ!!」
何だか、時代劇のような雰囲気を醸し出すレイカ先輩。そんな先輩にどう答えたらいいか迷っていると、
「⋯⋯ラルフ・ウォーカー」
「っ!? サ、サブリナ⋯⋯さん!」
ここで、まさかのミーシャの従者兼護衛で散々辛辣な言葉を投げかけてきたサブリナさんから声をかけられた。今日イチびっくりした!
「私もお前の話、聞きたい。⋯⋯ていうか、聞かせろ」
「⋯⋯⋯⋯」
うん、殺気はいつもどおりでした。⋯⋯ひぇ。
「サ、サブリナ⋯⋯あなたそこまで⋯⋯」
すると、最初プチ混乱で要領を得ていなかったミーシャが横にいるサブリナの言動に驚きの声を上げる。
「い、いや、マジでどういうことよ? あれって、何なんだよ?」
「テイラー⋯⋯」
そして、テイラーもまた私にいろいろと話を聞きたい様子。
「ということで、ラルフ君。もはや私からは特に何も言うことはございません。とりあえず、今日は魔石の検証の話よりもラルフ君のことをいの一番に聞かせてくださいね(キラン!)」
「あ、はい⋯⋯」
もはや、逃れられない状況ということで、私も観念してお話しすることにしました⋯⋯が、
「一旦ダンジョンから出ましょう」
というフリオ先生の掛け声と共に、私たちはダンジョンから出て、生活魔法クラブの部室へ戻った。
********************
「本日は学園も休みですので、校舎には部活動の生徒以外はいません。話を聞くには良いタイミングです!」
と、フリオ先生が嬉々とした表情でそう言いながら、会場となる一階の大部屋に移動した。ちなみに、そこはミーシャが新入部員として挨拶をした場所である。
「準備はよろしいでしょうか?」
と、フリオ先生が皆に声をかけると、
「ジュース、よし!」
「お菓子、よし!」
「人の気配、なし!」
「準備オッケーだ、バカ野郎〜っ!!」
テイラー、ミーシャ、サブリナが次々に声を上げ、最後はレイカ先輩の威勢の良い声で締めた。
「ありがとうございます。では、これよりラルフ・ウォーカー君の質疑応答を始めたいと思います」
やんや、やんや!
会場にいる私以外の皆が盛大な拍手と共に盛り上がる。
うう⋯⋯怖いんですけど。
「とは言ってもラルフ君、話を聞くだけなのでそこまで緊張しないでください」
「は、はい⋯⋯」
フリオ先生が笑顔でそんな優しい言葉をかけてくれる。
うん、そうだよね。あくまでさっきのダンジョンでの話をすればいいんだから。
それに私だって初心者ダンジョンのダンジョンボスってみんなあんなに強い魔物ばかりなのかとか、あの魔物についてもいろいろ聞きたいし!
と、ラルフも「私だって質問する側だぞ!」と怯えた心を奮い立たせた。
しかし、ラルフのあの異常なまでの強さや膨大な魔力を使った身体強化を見た皆は、質疑応答が早く始まらないかと、いまかいまかと待ち焦がれていた。
********************
「えー⋯⋯質問ある人〜」
シュババババッ!
漏れなく全員が見事に挙手。ということで、
「で、では、フリオ先生⋯⋯」
とりあえず、無難にフリオ先生を指名する。
「ありがとうございます。とりあえず、みんなが聞きたいであろうラルフ君の力のことですが⋯⋯まずは『ラルフ式生活魔法』についての質問です。あれは、いつ頃から使えるようになったのですか?」
「えーと⋯⋯⋯⋯1歳です」
「「「「「はっ?」」」」」
「1歳です」
「「「「「っ!?」」」」」
皆、いきなり沈黙してしまった。まーでも、そりゃそうだよね。1歳から魔法使えるとか普通ないもんね。私だって逆の立場なら同じリアクションしてたと思うもの。
「ちょ、ちょっと待ってください、ラルフ君! 今言ったことが本当なら1歳以前⋯⋯つまり生まれてから1年以内ですでに自分という意識がちゃんとあったということですか?」
「はい」
「えっ!? じゃあ、文字とかも言葉も喋れたってこと?!」
ここで、ミーシャが聞いてきた。
「はい。あ、でも、言葉はまだうまく喋れませんでしたね。でも、周囲が話している内容や本の内容も理解はしていましたよ?」
「「「「「本っ?!」」」」」
「ちょ、ちょっと待て! ラルフ⋯⋯お前まさか、生まれて1年以内ですでに文字が読めていた⋯⋯というより読書してたのかっ?!」
すると、レイカ先輩が大声でそんなことを聞いてきた。
「はい」
「いや、はいって⋯⋯お前⋯⋯」
勢いよく質問したレイカ先輩だったが、私が「はい」と即答すると何かすごい呆れられた。
何かすごい可哀想な子を見るような目で。⋯⋯解せぬ。
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
https://ncode.syosetu.com/n3084hz/
『毎週土曜日13時更新』です。
よろしくお願いいたします。
mitsuzo




