102「セリーナ・シルフェ第三王女」
「セリーナ・シルフェ⋯⋯第三王女様ぁぁぁぁ!!!!」
「「「「「え? ええええええええ!!!!」」」」」
ソアラちゃんの口から突然の「第三王女様」発言に場が騒然となる。
「第三王女⋯⋯? そ、それって、まさか⋯⋯」
「はい⋯⋯シルフェ・ヴァンディス共和国の第三王女『セリーナ・シルフェ』様です。で、でも、何でセリーナ様がセルティア王国に⋯⋯? しかも、名前も『セリ』と変えて⋯⋯」
ソアラちゃんの言葉の後、その返事に皆の注目が集まった。
「⋯⋯色々あるのよ」
「⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
いや、それだけかーい!
しかし、まあ、セリーナ・シルフェさん⋯⋯ってエルフのようだけど、さすがエルフだけあって顔はかなり整っている。特にこのライトグリーンの髪色はいかにもエルフという感じだ。ちなみに、ショートカットなので美少女というより美少年の雰囲気もある『中性的な美少女』という感じだ。
「おいおい、ちょっと待て! この第三王女様の件もだが、こっちのエミリーの件もあるし、とりあえず情報溢れ過ぎだ! 一旦整理するぞ」
レイカ先輩の掛け声を受け、一旦情報を整理することとなった。
「え、えーと⋯⋯まずはエミリーからですかね⋯⋯」
ここからはレイカ先輩にご指名されたテイラーが『司会進行役』となる。
「えー、エミリーは入部希望で、そこは特に問題ないかなと思うのですがフリオ先生いかがでしょう?」
「そうですね。特に入部に関しては問題ないです」
「本当ですか?! やったぁー!!」
エミリーさんが生活魔法クラブの一員となることが決まった。
「さて、続いては⋯⋯えーと⋯⋯セリーナ・シルフェ第三王女様?」
「セリ⋯⋯だけでいい。セルティア王国ではそれで通してくれ」
「わ、わかりました。で、どうしましょう⋯⋯フリオ先生?」
「う〜ん⋯⋯正直何ともわからないですねぇ」
うん、ですよね〜。エミリーさんならともかく他国とは言え、その国の王族の人ですもんね。何だったら国際問題に発展するや〜つですからね。
「ていうか、どうしてそんな王族の人が⋯⋯しかも、『留学』という形でなく『お忍び』でセルティア魔法学園に入学しているんだ? それこそ、いろいろと大問題だろ?」
レイカ先輩がぐう聖な意見をセリさんにぶつけた。
「⋯⋯学園長には許可を取っている」
「え? そうなんですか?」
当然、フリオ先生は知らなかったので驚いた態度を示す。
「そうだ。で、理由なんだが⋯⋯その⋯⋯」
「「「「「??」」」」」
何か、セリさんがモジモジして答えるのを躊躇っている。うん、すごく可愛いです(いいぞ、もっとやれ)。
「⋯⋯つまんなかったから(ボソッ)」
「え?」
「シルフェに⋯⋯国にいても暇だったのよ! だから、こっそり抜け出してきたの! 悪い?!」
何か逆ギレされた。
ていうか、そんな理由?!
「もちろん、その後私の護衛からお父様⋯⋯国王から手紙をもらってそこにセルティア王国で留学するのを許可するとあったの。それで、今私はここにいる。ちなみに私は『留学生』という形で入学したけど正体は隠しているわ。もちろん、それについては学園長からも了承を得ている」
なるほど。そりゃそうだよな。さすがに王女が勝手に国を飛び出して他国に渡るなんてあり得ないものね。しかし、それにしてもよく許したよな⋯⋯このセリの父親である王様は。
と、その時私は少し引っかかった。
ん? いや、これって、もしかして王様の⋯⋯意図的だったのでは?
その違和感の一つとしては、ソアラちゃんの存在だ。
結果的には、この間、シルフェ・ヴァンディス共和国のドワーフの村であるイツクール村に行って、セルティア王国の都合でソアラちゃんを派遣することになったけど、あれって、本当はゴズ村長だけじゃなく、シルフェ・ヴァンディス共和国の国王陛下も関わっていたとか?
いや、まさか⋯⋯さすがにそこまでは⋯⋯ね。
まーでも、結果的に今ソアラちゃんはここにいてシルフェ・ヴァンディス共和国の第三王女であるセリさがいるわけで、そして、彼女たちは自分の意志で『生活魔法クラブ』に来てくれた。
そして、私たちがこれからこの国で何をやろうとしているかということを少なくともソアラちゃんはわかっているわけで⋯⋯。これで、もし、第三王女のセリさんが賛同してくれれば⋯⋯これってすごい心強いのでは?
それとも、やっぱりすでに学園長はシルフェ・ヴァンディス共和国の国王とも実は水面化で話をつけているのだろうか?
そんな、私が色々と頭で考えている中、話は続けられていた。
「そうですか。ちゃんとセリさんの父親である国王様と学園長を通して、正式に『留学生』という形で魔法学園に在籍されているのであれば生活魔法クラブへの入部は問題ないです」
「本当かっ?!」
「もちろん。生活魔法クラブへようこそ!」
「ありがとう! では、皆の者、王女だからと特に気遣いせず、一般生徒と同じように扱ってくれて構わないのでこれからよろしく頼む!」
そう言って、笑顔で皆に挨拶をするセリさんでした。
セリさんの「一般生徒と同じように扱ってくれて構わない」っていうのは、なかなかハードル高いな〜とは思うけど(特にソアラちゃんは)。
とはいえ、生活魔法クラブの今後の活動にとってプラスになるものだと思うし、そもそもエルフ美少女とお近づきになれるのが何よりもの収穫だ。
よーし、こっからさらに『ラルフ式生活魔法の魔道具』を増やしていくぞいっ!!(ぞいの構え)
そんなこんなで、本日生活魔法クラブに同じ魔法自由科で1年の『エミリー・クライオット』と『セリ(セリーナ・シルフェ)』が加わった。
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mitsuzo




