#46 Help
「最低限の家具……ってところか」
部屋の中を一通り見てみたが、窓も無ければ通気口のようなものもないし、ドアも無い。このままじゃ二酸化炭素中毒になって、ぶっ倒れてしまう。
それだけはダサいし、ヘンゼルとグレーテルに会った時、顔向けできなくなってしまう。
それにしても、ベッドに机に椅子、クローゼット。ギリギリ性格と言えば誤魔化せそうな雰囲気はある。
一応、ベッドに飛び乗ったり、下を覗いたり、クローゼットを開けてみたりしたが、収穫はなし。これでご飯が無いなんて言われた暁には、自身の死を待つしかないだろう。
「ボクらも魔法使えるようになってたりしないかな?魔女さんと長いこと一緒にいたし」
「使えるようになってたとしても、使い方わかんねぇじゃん」
それはあれだよ、気合い!みたいな感じだよ。なんて抽象的な説明しか出来ないボクに痺れを切らしたのか、ベッドに座っていた腰を上げ、また周りの探索を始めたヤンキー赤ずきんさん。
「なにボサっとしてんだ!お前も動け……」
「ねぇ、さっきあの魔女さん。ボクのこと、“高貴な存在”って言ってたけど、あれどう言う意味なんだろ?いつの間にか、魔女の間じゃあ、王様になってたのかな?」
ヤンキー赤ずきんさんの言葉を遮り、気になったから聞いてみた。暇だったし、少しでも雑談をしたかったんだと思う。
でも、そんなボクの考えとは裏腹に、ヤンキー赤ずきんさんはボクから目を逸らし、下唇を噛んで何か堪えている様子だ。
なんで、そんな表情をするんだろう。純粋な疑問だ。もしかして、本気で焦っていないボクにイラついているのか?でも、それならさっき脛を蹴ったように、暴力に走るだろう。
なのに、静か。まるで、何かを後悔しているのか?という程静かだ。
「ヤンキー赤ずきんさん…?」
「……はぁ。ま、今のとこ解決策は見つかってないんだし、俺がここに来た経緯話してやるよ。気になるだろ?」
「んー、別に……」
「いや気になるだろ!空から落ちてきたんだぞ!?」
ヘンゼルside
「グレーテルちゃん、貴方は私のお手伝いをしてください。食べるにしても、準備が全く整っていないので、まずは準備をしなくては!」
ほら、早く早く!と急がせる、女の人。
はじめ、魔女さん……私、どうすればいいの?
「おい魔女!グレーテルには手を出すなよ!絶対だからな!」
「ヘンゼル…」
「わー、素敵な兄弟愛ですね♡私には、無かったな〜。そんな美しいもの。姉と私、ぜーんぜん仲良くなかったんですよ」
なんて私たちとは反対で、呑気に雑談をする女の人。この人、本当に魔女さんの妹なの?全然違う…。
誰か助けてよ…。魔女さんは優しいのに、この人の目、凄く怖い。




