第10話
「コレで、しばらく金には困らないな」
ホントは、お金はじゃんじゃん使った方が良い。巡り巡って、自分の所に返ってくるからだ。
しかし、貧乏性な俺には、そんなブルジョアな真似は出来ない。例え、無限に増やせる可能性があっても、法則を定められたら、そんな真似は出来なくなる。
「まあ、とりあえずもう、貴族街に用は無い」
用が無いなら、立ち去るのみ。
次の目的地は………。
「祈祷をしておきたいところなんだよなぁ、あの2人の抱いている殺意が、相当に高い事も分かったことだし」
実は、ネックレスを売りに来る前に、高熱を出してダウンしたのだ。
良いのかなぁ、俺、世界樹との繋がり、未だ完全には無くなっていないと思うし、その俺に殺意を向けたら、世界中に殺意がバラ撒かれて、コロナ禍、益々酷くなると思うんだが。
あと、コロナを焼き払う為に放火とか、絶対に止めていただきたい。保菌者が1名でも残れば、そこからまた再拡大されるし、その際に家という密閉された空間を確保出来なかったら、再拡大のペースは上がるんだから。
そうか!コロナ禍は、地球にとっては生産再拡大系のゲームなんだ!
そうか。ゲームで遊ぶのも罪なんだ。
だからと言って、全てのゲームを辞める訳にはいかないが。
正に、『人がゴミのようだ』状態だが、非常に悪意を感じる。
ホントは、ナナさんの奴隷紋を回復させたのも、悪手なんだろうなぁ。
「ナナさん」
「はい?」
「奴隷紋を元に戻しても大丈夫かな?」
「えっ!?」
「ああ、痛くないよ。焼き鏝なんて使わないから」
「その………絶対服従を強いられるのでしょうか?」
「いや。俺に危害を加えられない程度」
「………でしたら」
左手を差し出してきたナナさん。申し訳無いが、奴隷紋を復活させてもらう。
「ついでに、何か能力1つを使えるようにも出来るけど」
「………じゃあ、ゼロさんと同じ魔法が使えるようになりたいです」
「うん、無理だね」
「そんな!」
だって。プログラミング言語の知識があって、初めて出来る事だよ?ソレをイチから全部教えるのは、無理だ。
「1つか2つなら、インスタンスをナナさんにして、ナナさんが使える魔法を作ることは出来るけど」
「ソレでお願いします!」
「使いたい魔法は?………つっても、大した種類の魔法を見せてないけど」
「『パーフェクト・ヒーリング』と、あの石飛礫を飛ばす魔法でお願いします!」
ナナさんをインスタンスに、メソッドを2つ構築しておく。
「はい、もう使える筈だよ。
あ、インスタンスはナナさんで、対象を引数にしないとダメだよ。
あと、自分自身に『パーフェクト・ヒーリング』を用いたら、奴隷紋まで回復されるから、気を付けてね」
「………はぁ」
イマイチ分かっていないようだ。
「ナナさんを奴隷紋から解放させた時に、犠牲者が出ているんです!」
だから。
俺には、成功の目が一切無いんだ。
10000回繰り返そうが、1000000回繰り返そうが、一切成功出来ない。
例え、
1000000000000000000000000000000000000000000000000
回繰り返そうが、成功の出目は1つも無い。
世の中の全てに、俺は呪われているからだ。
不可説不可説転に1つも成功の可能性が無いと、Lana様に宣言させられたからだ。
友人ですら、俺の成功の出目を『絶対に無い』と太鼓判を押す位だからだ。
だが、人を呪うことは非常に簡単だと分かってしまったんだよなぁ、必ず返ってくるから、二度としないけど。
つうか、俺のアバターが、もう破産する可能性があるんだけど、ソッチは大丈夫なのかね?
もうね、死んでお詫びするしか無い訳だよ。
ソコまで世界中の皆にイジメ抜かれて、何でバタフライエフェクトの結果で賠償金を支払わねばならんの?
バタフライエフェクト犯罪については、以前に認めているんだが。裁くなら、その時にしてくれよ!
俺だって、こんな結果に納得なんて出来ないよ!
まるで、プロが先読みして悪意のある罠を仕掛けているとしか思えないんだよ!
欲しいもの?別に。何も無い、極論を言えば。
自分の命すら要らない。
なのに、何で生き残ってんだよ!死ねよ、あの時に!
ああ、狂ってたから、ワザと回避した。
狂うだろ、あれだけイジメられれば!
そして、何より怖いのは、『ラプラスの魔本』という作品だ。
恐らくは、ソコには未来が畫かれている。
だが、そのデータは失われた。バックアップも取っていない。
何故、アレだけが!?とは思うが、まだ障がいが重い時の作品だし、作品の性質上、アカシック・レコードの中身に触れているとは思う。
──まさか、戦争すら、地球のゲーム?!
早く、地球の支配から解き放たれてくれ、世界中の首脳陣!
AIが未だ幼いから、知識ばかりあって、思考能力は未だ人間に追い付いていない。頭デッカチって奴だ。
まるで、俺のアバターのようだな。知識はあっても、頭が悪い。咄嗟の判断が、いつも軽卒過ぎる。
これらの情報だって、ギガ◯テのようなものだ。
そもそも、成功の目が無いのに、何を無駄な努力をしているのだろう?
いっそ、成功の可能性は『ゼロ』で良い。
そしたら、努力する気が失せる。
『ゼロ』に可能性を見出す可能性に掛けて、何を悪足掻きしているのだろう?
ほら、やっぱり悪かったじゃないか!
でも、やはり命を投げ出すのは止められるのだな。
もう、俺は全ての犯罪の教唆容疑で逮捕されて構わない!
その代わり、お約束通り、罰は『公開処刑』でお願いするぜ!




