4-13黒騎士カイルVSアルク1
黒い魔物によって気絶させられていたセイラはシエラの魔法により治療されていた。外傷は少なく大事にはならない。
「お姉……お姉さま!」
「う……ここは?」
シエラの掛け声に気絶していたセイラが目を覚ました。
「ここは城門の上です。お姉さまが黒い魔物の攻撃により気絶していたのをアルクさんが運んで来てくれて……」
「アルクは?あの黒い魔物は?」
セイラがシエラのそう聞きシエラは前を見た。
「なっ……あれは何だ!?」
シエラが見ている方向をセイラも観る。そこには地面から空中までかけて黒い魔法陣が展開されていた。その瞬間、セイラとシエラは心の奥底から嫌悪感が溢れ出た。
「あれはアルクさんと黒い魔物が戦ってる時に黒い魔物が発動した魔法陣です」
セイラが魔法陣を見ていると魔法陣が突然割れそこからは黒い魔物だった黒騎士が出現した。セイラが黒騎士を見た瞬間セイラは鳥肌が立つのを感じる。
(何だ……あいつはまずい。次元が違う)
セイラがそう思うと黒騎士は姿を消し、次に姿を現した時はアルクの背中を切っていた。
セイラはアルクの加勢をしようと立ち上がろうとしたが、体に力が入らず膝を崩してしまった。
「お姉さま!動かない方が良いです。今のお姉さまの状態は精神に闇が侵食していて危険な状態です。」
「だが……」
「ここはアルクさんを信じましょう」
「……分かった」
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「はあ!」
アルクはカイルに向かって刀を振っていた。
「確かに太刀筋は悪くない……だが一度お前の太刀筋を覚えれば見切ることは簡単なこと……だ!!」
カイルはアルクの攻撃をかわしながらアルクに蹴りを入れた。蹴りを入れられたアルクは痛みに顔を歪めながらも、カイルの足を片手で掴み、もう片方の剣を持っている腕で切り落とそうとする。
だが、カイルはアルクの動きを知っていたのかと思うほどに、アルクの手を弾く。
「くっ……はあ!」
[暗黒剣・黒の刃]
カイルは剣に闇を纏わせアルクの刀と交差した。
[アレキウス神滅剣・一刀千剣]
アルクはカイルと剣を交差したまま刀を振る。すると、見えない斬撃がカイルを襲った。[一刀千剣]は文字通り、一振りでで多数の斬撃を発生させる。だがカイルの甲冑だけに傷が入っただけでカイル自身には傷が入ってなかった。
[闇魔法ー-]
[魔法消去]
アルクは闇魔法を放とうとしたがカイルの[魔法消去]により闇魔法が打てなかった。
「クソ……っ!」
アルクは思うように攻撃が出来ずに焦っていた。だがカイルは考える暇をアルクには与えずに距離を詰めアルクに剣を振った。アルクは紙一重でカイルの攻撃を避け続けた。
(駄目だ……力が足りない……どうすればいい?)
アルクはカイルの攻撃を避けながら考えていた。
[炎魔法・炎の渦]
カイルはアルクに攻撃している隙にアルクの足元に魔法を発動させ、アルクを炎の渦に閉じ込める。
[雷魔法・落雷]
カイルは炎の渦の中にいるアルクに向かって魔法を放った。
「くっ……[地魔法・土壁]」
炎の渦に閉じ込まれているアルクは自分の周りに土の壁を出現させ自分の身を守り、そのまま土のトンネルを作り炎の渦から脱出した。
アルクは体制を整えようとその場を離れようとしたが、カイルは炎の渦が消えアルクの居場所を確認するとアルクの息の根を止めようとする。
だがアルクは自身の一歩手前に炎魔法陣を仕掛けて置きカイルが近づくと魔法陣が反応し、炎の刃がカイルを襲った。
「くっ……」
ここでカイルは初めて痛みに耐える声を出した。
「はあ!!」
アルクはそのカイルの隙を見逃さず、刀を思いっきり振りカイルを吹っ飛ばした。
「ハハハ!血が滾るねえ!アルク!!!」
カイルはアルクによって吹っ飛ばされたカイルは体制を立て直し剣をアルクに構えた。
[暗黒剣・殲滅の剣]
カイルは闇を剣に纏わせ刀身を伸ばし、アルクに剣を振った。カイルの剣は見た目に反して素早く、カイルの凶刃がアルクを襲った。
[アレキウス神滅剣・剣域]
アルクは刀を正眼の構えを取った。そしてカイルの刃がアルクに迫ろうとした瞬間カイルの剣が弾かれた。
アルクはカイルの攻撃を防ぐと体中に張り巡らせていた魔力を解放した。
(このままだと確実にこっちが負ける。全力で適応される前に殺す!)
解放した魔力は一度アルクの体外に放出されたが、再びアルクに集まって行く。そして、集まった魔力はアルクを守る為の鎧のようになり、額に一本の角が形成される。
[独自身体強化術・羅刹]




