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黒き光 〜一人の少年が世界の運命に立ち向かう話〜  作者: らーめん丸
学院闘技大会編
35/272

3ー10 アレキウス神滅剣2

 アルクとレウスの戦いを見ていた観客達は始めて見る[アレキウス神滅剣]に見惚れていた。


「凄いな。あれが伝説のアレキウス神滅剣か」


 と貴族の男が言った。


「そうだ。あれがアレキウス神滅剣だ」


 と観客は珍しそうにレウスの扱うアレキウス神滅剣を眺めていた。


[アレキウス神滅剣・雷轟斬]


 レウスは剣に雷を纏わせ素早いかつ縦横無尽に移動してアルクを攻撃していた。


 アルクはギリギリのところで避け反撃のタイミングを窺っていたが、レウスは止まらず連続攻撃をしていた。このままでは意味が無いと判断したレウスは少し離れた所で立ち止まる。


[アレキウス神滅剣・次元斬]


 10メートル離れたところからレウスは剣を振る。すると、離れていたはずのアルクに1秒も掛からずに胸に切り傷が入った。


 すると観客は騒ぎ始めた。


「凄い!これがアレキウス神滅剣!」


「おい平民もう少し、我はアレキウス神滅剣を見たいからもう少し耐えろ」


 と、貴族の一人がアルクに言った。


 どうやら貴族達にとってアレキウス神滅剣はとても珍しく、なかなか使っている所を見られないので少しでも長く見たいようだ。


[炎の息吹(ファイアーブラスト)]


[アレキウス神滅剣・魔断]


 とアルクの放った魔法がレウスの剣によって消滅した。


 すると闘技場内にまたブザーが鳴った。どうやら翼の使用可能時間になったようだ。


「アルク、翼を使わないと君の負けになるぞ」


「無理だよ」


「なぜ?」


「俺は翼がないから」


 とアルクは言うと観客はさらに騒ぎ出した。


「おいおい、あの平民翼無しかよ」


「なかなかやるなと思ったら所詮平民か」


と観客はアルクを馬鹿にした言葉を言い始めた


「そうか、君も翼無しなんだね」


「君も?……まさか」


「そう、僕も翼がないんだ」


 とアルクに言った。


「そうか。てっきり貴族は全員翼を持っているかと思ってたよ」


「貴族も人間だよ。翼無しの子供が生まれても不思議はないよ」


 とレウスは嬉しそうな顔をしながら話していた。


「嬉しそうだな」


「うん、嬉しいよ。だって同じ翼無しの選手と戦えるんだ。嬉しいに決まってる」


 とレウスは答えた。


 レウスは翼がないとしてナトリウム家にいる侍女や兄弟に蔑まれていた。そんなレウスに出会ったのがアレキウス神滅剣だ。アレキウス神滅剣のおかげで自分の居場所が見つかった。


[アレキウス神滅剣・幻惑斬り]


 レウスは剣を構えると複数人に増えた。


 一人や二人じゃない、20人だ。


[我流剣術・八重斬り]


 と周囲に八つ炎の斬撃を飛ばした。その炎の斬撃はレウス達に当たったが通り抜けた。


[アレキウス神滅剣・高圧水斬]


 と、闘技場の奥から剣の先から出ていた高圧水を長い剣のように使いアルクを切った。


「な!?すべて囮だと!?……ぐっ……」


 アルクは避け切れず食らってしまった。


「アルク、もう良いんだ。セイラさんならともかく平民である君には勝ち目は無い」


 とレウスはしゃがみ込むアルクに言い放った。


 しかしアルクはレウスの言葉を無視して立ち上がり抜刀の構えを取った。観客から見ればアルクは降参したのかと勘違いした。


「待て。なんで君がその構えを?」


 レウスは動揺していた。


 何故ならアルクの抜刀の構えは[アレキウス神滅剣・神殺しの刃]だからだ。


[アレキウス神滅剣・神滅ノ刃(かみしにのやいば)]


 とアルクはレウスに抜刀を放った。


 レウスは反応出来なかった。それは動揺で反応出来なかったのではない。余りにも早すぎて反応出来なかったのである。アルクはいつの間にかレウスの背後に立っており、刀を鞘に仕舞う。


 その瞬間、レウスの体に切り傷が走り、血が噴き出す。

 

「レウス。謝罪の言葉を述べる。済まなかった」


「どう言う事だ?」 


「いや、お前相手には遠慮がいないと思ってな」


 とレウスは恐れていた。


 アルクはまだ実力を隠していたのだ。


「お前に見せてやる。本当のアレキウス神滅剣を」


 と、アルクが言った瞬間レウスの体が震えた。


 いやレウスだけじゃない。観客席にいる観客さえも震えていた。


 それはアルクの出した殺気だが、その殺気はアレキウス神滅剣を扱うレウスだけではなく結界越しにいる観客に届く程だった。


[[アレキウス神滅剣・雷轟斬]]


 アルクとレウスは同じ技を出し激しいぶつかり合いをしていた。


 そもそも[アレキウス神滅剣・雷轟斬]は激しい動きにより相手を翻弄し隙ができた時に重い一撃を与える。


「凄いぶつかり合いだ。あの平民はまだ全力じゃなかったのか?」


 と観客は疑問に思っていた。


 いや今アルクの使っている剣術はアレキウス神滅剣と気付いているものは誰一人としていない。


 唯一気付いているのはアルクと対峙しているレウスと観戦している十魔剣序列一席セイラ=スキルニングだけだ。

  

「ウ……ック……」


 と激しいぶつかり合いで体勢を崩したのはレウスだった。


 アルクは隙を見逃さずに、重い一撃を放とうとする。だが、レウスは横に転がりギリギリで避ける。


 アルクから離れたレウスは体制を立て直す。 


「アルク、聞こうか迷ったがいいか?」


「いいぞ」


「じゃあ聞くよ……君に剣を教えたのはだれだ?」


 とレウスはアルクに聞いた。


 なぜならアルクは魔剣流、剣撃流、神速流の技だけではなくアレキウス神滅剣を扱っている。


 レウスは知りたかった。こんな大量の剣術をアルクに教えた師匠の名を。


 するとアルクはレウスに聞こえるが観客には聞こえない声で言った。


「俺に剣を教えたのは……アレキウス神滅剣3代目後継者レイリン=アレキウス」

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