15話〜人助け・続〜
「オリビアさん、おはようございます」
「! テルさん、おはようございます」
「どうです? もう慣れましたか?」
「はい、もうだいぶ、子供達も鶏に慣れて楽しんでるみたいです」
「それは良かったです!」
「?! そうだテルさん、王女様に今日会いましたか? お探しでしたよ?」
「? わかりました、お城の方へ行ってみます」
孤児院へ畑と養鶏場を作り1週間、畑も鶏達も問題なく育っている。ここの食生活はだいぶ改善されると思う。
「テル来てくれたのね! やって欲しい事あるのよ!」
「オリビアさんに聞いて来たよ……って、何か問題でも?」
「これを見て!」
「! 魔石……ずいぶんと集めたね」
「ギルドに頼んだのよ! ねぇこれだけあったら外町の畑全部をテルの畑に出来る?」
「あの変異種に襲われた場所なら半分も使わないかな」
「あの規模の畑があと2箇所あるのよ」
「なんとかなるかな……でも……」
「でも?」
「ぼくの体力的に1日1箇所かな……」
「! 良かった、3日で出来るのね? お願い!」
「……はい」
「それじゃ早速行くわよ!」
「……はい」
大量の魔石を鞄にしまい、2人で変異種と戦った畑へと向かう事に。
「そぅそぅテル! 卵から2羽ヒヨコが産まれたわよ!」
「ほんと?! さすがヒカルだね!」
「これなら近い将来に大規模な養鶏場も夢じゃないわ」
「そうなれば肉も食べれるね? 村のみんなは卵より鶏達を食べたがってたな」
「そうね! わたしは肉にするのはちょっとね……食べるのはいいんだけど」
「あんなに魔獣倒してたのに解体は苦手だったよね」
「……あんたが平気なのがおかしいのよ……着いたわね、解体の話はおしまい!」
「うん……人がたくさん集まってるね」
「元々ここの畑仕事してた人達集めておいたのよ、これならテルは畑作るだけで済むでしょ?」
「そうだね」
「それじゃ始める?」
「うん、この砕いた魔石をみんなで満遍なく撒いてもらって」
「わかったわ! みんなーこれお願い!」
“ザワザワガャガャ”
「終わったら畑の外に出てー!」
(終わったかな?)
「みんな出たみたい、テルいいわよ!」
「うん行くよ! 〈アース・カルチヴァイト〉!」
“ドドドドドドドドドドドドドドドドドドっ”
「てて、テルさん! すすすす、すごいです!」
「ハァハァ エリー! 来てたの?」
「わたしが呼んだのよ」
「ヒカルが?」
「そう、エリーそれじゃお願い出来る?」
「はははは、はい! ががががが、頑張ります!」
「ここの畑は野菜を育てるつもりよ、エリーにみんなへの指導を頼んだの」
「? 元々ここにいた農家の人達でしょ? 指導なんているの?」
「この街の畑は麦畑だったの、野菜は他の町や他国からの輸入だけで作ったことないのよ」
「そうだったんだ」
「テルの畑なら麦畑は1箇所あれば十分過ぎるでしょ? 他の2箇所は別の物作りたくてね」
「ヒカル……いろいろ考えてるんだね」
「……国の運営なんて素人のやる事じゃないわよ、思いついた1つやるので精一杯、冒険者やってた頃が良かったわ」
「王女って大変なんだね……」
「わからないわよ……王女の正解って何? わからないから思いついた事やるしか出来ないの」
「そうだね……」
「まぁ今日はこれで! 明日も次の畑頼むわよ!」
「うん」
(ヒカルは大変なんだな……ぼくも手伝い頑張ろう! ん? あれは!)
「マノンさん!」
「テルさん?! あっあっあっありがとうございました! 先日は!」
「いえいえ、今日は1人なんですか?」
「はっはい! 2人は宿で待ってます!」
「? 2人? アンナさん以外にも仲間がいるの?」
「あっ、そうなんですよ、この前変異種と戦ってやられて、体調崩してる仲間がいるんです」
「それでこの前は2人で依頼に出てたんだ?」
「そうなんですよ、索敵得意で弓使いの子が」
「あーそれで、その子なしでこの前は調子悪かったのかな?」
「その子がいたらあんなに囲まれる様な事にはならなかったですね」
「なるほど……その子怪我なら治しに行こうか?」
「いいんですか? 怪我なのかわからないんですけど」
「いいよ、ぼくで治せるなら治すよ!」
「やった! 助かりますー!」
「うん、治るといいね」
「こっちです! 実は最近内町で卵が売ってるって噂で買いに行ってたんですけど、数少ないみたいで売り切れてて」
「そうだったんだ」
「はい、卵でも食べさせて元気にしてあげたかったんです、卵の代わりにテルさんに会えてラッキーでしたよ」
「そうだったのか……うん、頑張るよ……卵? 卵ならぼくが持ってるのあげるよ?」
「えっ?! 卵もあるんですか? いいんですか?」
「はい! 先に渡しておくよ、アンナさんに会ってからだと遠慮するでしょ?」
「あっそうですね、ありがとうございます」
「ところで……マノンさんて、そんな丁寧なキャラでしたっけ?」
「?! あっいや……実はギルマスにテルさんの事聞いたんですよ」
「? ライリーさんに?」
「この前の変異種、ギルマスと一緒に戦ったのテルさんだったんですね! もしかしてもう1人はマサくん?」
「もう1人はマサじゃなくて獣人の戦士だよ、変異種倒せたのもほぼライリーさんとその戦士の活躍だよ」
「……それでも尊敬します、あの時はただの金持ちかと思ってすいませんでした!」
「えっ? あっまぁ気にしないでいいよ……」
「はいっ! 良かったテルさんがいい人ですっきりしました」
「う、うん……」
「あそこの宿です!」
ヒカルの相変わらない人助けの精神に、ぼくも感化したところで再会したマノンさん。『ぼくも手の届く人は助けなきゃ!』マノンさんの仲間を助けに向かっていく。
おざきです
貴重なお時間をわたしにいただき感謝します
お読みいただきありがとうございました♪




