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悪魔に転生した俺は復讐を誓う  作者: 向笠 蒼維
第1章 地獄の道
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変態+変態+変人+悪魔

体の中に溢れていた感情が抜けていく。

それと同時に体に取り込んだ闇も体外に放出されていった。


俺の体を包んでいる鎧も崩れ始め、崩れたそばから霧散して消えていった。

この鎧、自分の見える範囲だけだとプレートアーマーって感じだったけど、実際はどういう風に見えてたのかな?

維持するのはそれほど難しくないけど、作るのに闇を取り込まないといけない。

闇を取り込むと雑多な感情が心に入ってくるから、戦闘以外で取り込むのは嫌だね。


とりあえず、何とか2体の悪魔を倒すことができた。これで、残りは2体。

そのうちの1体はマコトだけど、現状で勝てるかな? マコトは今までの相手とは違う。

今までは直線的な戦いしかなかった。互いが力をぶつけ合うだけの戦い。

それに対し、マコトは技巧派だ。どんな魔法を使うのか、どんな攻撃を使うのか、手の内をさらさないように戦っている。

今までのマコトの行動から瞬間移動ではないかと思っていたが、それも考えを誘導されているような気がする。

本当の魔法は何なのか。でも、そう思い迷わせること自体があいつの思惑かもしれない。


つまり、よく分からん。

強いのは分かっているんだけどね。底が見えなくて怖い気持ちはある。


もう1体に関しては何の情報もないけど、今までの3体からして、まともな奴ではないはず。

……悪魔にまともな奴なんていないか。



そんなことを考えていると、俺の周りを包んでいた黒牢も少しずつ薄れてきた。



『あら~、マコちゃんと大分お楽しみだったみたいね~? 羨ましいわぁ~』

『うをぉ!?』



いきなり後ろから声をかけられて思わず声を上げてしまった。いや、変態が急に後ろに現れたら誰だって驚くよね?



『そんなに驚かなくても大丈夫よ~? もう満足したから、御子さんを王として認めて、あ・げ・る』



……悪魔の体なのに寒気がする。あの気持ち悪さ、もはや凶器だ。

というか、さっきまで動転しすぎてちゃんと見ていなかったけど、意外にチコってイケメンなんだよね。

イケメンが化粧してるのは需要あるのかな? そいつがレオタード着てお姉言葉で話しているのは、女性には受け入れられるのかな? 少なくとも、男の俺には無理。



『満足って、一撃しか入れてないけど?』

『一撃しかって~、……私の初めてを奪っておいて、ひどいんじゃない~?』

『なんの初めてだよ!? 誤解を招く言い方すんなよ!』

『あら? 何チコちゃんとだけイチャイチャしているのよ? 私も混ぜてよ』

『イチャイチャしてねぇよ! って、ええ!? もう目覚めたの!?』



だからなんで変態は後から急に現れるんだ!? 振り向くと、そこには艶っぽい表情をしたマコがいた。

よく見ると、体はごついが顔は女性っぽい。あれ、チコにはある下半身の膨らみが、マコにはない?

……なるほど、すでに取り外し済みか。



『御子ちゃんのおかげでいい夢見れたわ! もう、あんなに刺激的なの、初めてよ! おかげで目覚めスッキリ!』

『マコちゃんだけずるい~。御子ちゃん~。私にも、お願い~』



何この2体!? 1体でも精神的に持たないのに、2体まとめては無理だって! 認めるって言っといて、まだ俺への攻撃続いているの? この精神攻撃いつになったら終わるの!? もう不安とか迷いとか色んなもの吹っ飛んだから、とっとと次の戦いに移ってくれ!!



『って、マコトどこ行った!? いつまでも隠れてないで、出てこいやぁ!』

『……どこのプロレスラーっすか。すでにここにいますよ』

『マコト、てめぇこの野郎! とっとと次の戦い始めるぞ! だからこの変態2体をとっとと遠くにやってくれ!』

『いや、気持ちはものすごい分かるんすけど。もう痛いくらい分かるんすけど。そうはいかないんすよ。認めた悪魔5体を連れて最下層に行かないといけないんで、同伴は必須っすよ』

『ふざけんな! この2体と一緒って、最下層につく前に俺の精神が果てるわ!』

『……いいんすよ、御子さん。自分知っているんで。御子さんがマコさんと一線を越えたっていうのは。だから、自分はなるべく2体っきりになれるよう努力するんで! 安心してイチャイチャしてくださいっす!』

『よくわからんけど、とりあえず死ね!』

『……御子ちゃんとマコトちゃん、さっきから、大分失礼なこと言ってない?』

『これは、お仕置きが必要みたいね~』



変態2体と変人1体と俺の混沌とした状況がしばらく続き、閑話休題。



『……御子さん、そろそろこんな不毛な争い止めて、次に行かないっすか?』

『奇遇だね、俺もそう思っていた』



チコとマコから何とか距離をとることができ、2体きりで話すことができた。



『次の相手は、お前か?』

『……それも有りっすね。正直、御子さんの成長速度は予想以上っす。今のままでも、面白い勝負ができると思うっす』

『それって、つまりはまだお前には勝てないってことだよね?』

『それは、勝負してみないとわかんないっすよ』



マコトは笑って俺にそう言うが、これは明らかに嘘だろう。俺ですらそう思う。こうして向かい合えば、やはり今までの相手とは一線を画す。



『でも次は自分ではないっす。もう1体と戦ってもらうっすよ』

『……それは、何でだ?』

『サトリさんからの指示っすよ』



サトリは最下層に向かったはずだが、一体どうやって連絡しているんだ?

まぁ、マコトとの戦いが先延ばしになったのは願ったり叶ったりだね。

問題は、最後の1体がどんな奴なのかっていうことか。



『最後の1体は、どんな奴なんだ?』

『……』



マコトは少し躊躇いを見せたが、重い口を開いて最後の1体を告げた。



『名はスクイ。自称、悪魔の救世主っす』




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