巫女、裏側を語る
次の章へ行く前に『武光達がまめ太と対峙していたその裏側で何が起きていたのか!?』を描くサイドストーリーです。今回は導入回です。楽しんでもらえるといいなぁ。
86-①
神と言えども、油断している時にいきなりジャンピング・ネックブリーカードロップ喰らわされれば、大ダメージは免れない。
ニーバングがKOされた事で、武光の人格が再び表層に浮かんできた。
「痛ててて……おまっ、いきなり何すんねん!?」
「うるさーい!! 武光様のアホーーー!! バカーーー!! おたんこなーーーす!!」
帰ってくるなり強烈な一撃を食らわしたナジミをリヴァルが慌てて宥める。
「な、ナジミさん落ち着いて!! 武光殿は怪我をしてるんですよ!?」
「ハイハイ癒し癒し!! ……すりゃー!!」
「ぐぇっ!?」
武光はナジミに物凄く雑な感じで治療された後、すぐさまラリアットをかまされた。
仰向けに倒れた武光に尚も掴みかかろうとするナジミをリヴァルが慌てて背後から羽交い締めにする。
「離して下さいリヴァルさん!! もう一発くらいぶちかまさないと私の気が収まりません!!」
「落ち着けや!! 何をそんなに怒ってんねん!?」
「……ご自分の胸に手を当てて考えて下さい」
「うっ……その、騙して……すまん……心配かけて悪かった。でも、アレはやな……」
「私達を危ない目に遭わせない為なんでしょう? そんな事は分かってますっっっ!! 貴方は優しい人だから!!」
「て、照れるやんけ……」
「何笑ってるんですかっ……わ、私は怒ってるんですよっ!!」
涙目になりながら怒るナジミに武光は気圧された。
「何も泣かんでも……ホンマ置いて行って悪かったって」
「それもそうですけど!! それよりもっと怒ってる事があるんですっ!!」
「えっ、もっと……?」
ナジミはさっきからぷるぷると肩を震わせ、プンスコと怒りっぱなしだが、『嘘をついて置き去りにした事』以外に心当たりがない武光はしきりに首を傾げた。
「そーですかそーですか。ふーーーん、あくまでしらばっくれる気なんですね!?」
「だーかーらー、何でお前が怒ってるかが俺にはさっぱり分からんねんって!! 止めろ!! 関節を取ろうとすんな!!」
ナジミは、リョエンの後ろに隠れた武光を勢い良く指差した。
「……分かりました、じゃあ教えてあげます!! 武光様のせいで私達がどんなヒドい目に遭わされたのか!!」
……それは、武光達がショバナンヒ砦を出発した後の事だった。




