1黒い翼
「ハァ、ハァハァ…」
周りには建物より自然の方が圧倒的に多い田舎の道を汚れた白衣を着た男性が今にも倒れそうな足取りで歩いていた
男は自分がどこに向かっているのか自分が誰なのかわからないまま歩いていた
そして、そこが男の目的地だったのか定かではないが田舎にある小さな会社の前にたどり着くと、男の意識は途切れ建物の前で倒れ込んだ
◯
「はぁ〜あ、まだなのかー」
「少しは落ち着け、予測時間まではもうしばらくある」
「久々の仕事なんだぜ落ち着いてられるかよ!」
広く開いた草原、辺りにあるのは牛が数十匹いる牧場だけののどかな場所に、そこには似合わない2機の機械があった
一つは二足で立つ生物の形、人に近いが人ではない小さな鬼をイメージさせる形、緑のフレームに覆われ、棍棒のような武器を持った機械
もう一つも同じように二足で立ち、その見た目は明らかに人ではなく獣の形、中でも犬に近い生き物を二足歩行にさせたような形であり、青いフレームに覆われ、ナイフのような武器を備えている機械だ
2機とも5メートル程の大きさのある機械で明らかに人の生活を豊かにするために作られた機械ではなく、戦闘用に作られた機械、戦闘用のロボと言った見た目である
その機械の名称はMoB( Metal of Beast)、機械の獣、突如世界中に現れた機械生命体d-ノイドを倒す為人々が作り出した物である
「お前の気持ちもわからなくもないが出現するまでは何もできない、大人しくしておけ」
「へいへい、わかったよー」
そしてMoBには人が乗っており互いに会話をしている
「そう言えばよう噂だけど、ラグナレクの奴らが一等級のd-ノイドを逃したって話だぜ、まっ、噂だがな」
「恐らく本当の話だろ、ラグナレクは一番大きな総合会社だ信用が大事だからな一等級を一体逃したとなると名前に傷がつく、それを隠したが、噂となってやってきたってところだろ」
ラグナレク社、d-ノイドを倒す為のMoBを保有し、討伐、駆除をする会社の最大手
そのラグナレク社が討伐対象のd-ノイドを逃したと噂になっているようだ
「隠したってよ、噂になったら結局信頼ダウンじゃねーかよ」
「しかし大手というのは、圧倒的力を持っています、どうせ悪質なデマだとでも言うんでしょう、そして人と言うのは噂なんてすぐに忘れる物です、まぁ、大手だからこそ出来る力技ですね」
「うちじゃあ、またったくできねーな!大手とは真逆の最弱会社だからな!」
「そんな最弱な会社に今日新入社員が入りましたね、とんだ変わり者ですよ、まあ、それを言うなら僕たちもとんだ変わり者ですがね」
「ハッハハ、違わねーな、んで初日から社長と遺跡の探索と、入社式も何にもなしとはね〜、まっ、久々の討伐依頼と日にちが被ってんだから、そんなもんできるわけないか」
「探索してる遺跡ですが、元々ラグナレク社が探索の権利を所有していてほぼ調べ尽くされ、激安で売られているのを僕たちの給料を先延ばしにしてまで権利を買った物ですがね」
「これで何にも見つからなかったら俺は社長を殴っちまいそうだぜー」
◇
「隈なく探せよー、俺の勘では必ず何かが残っていると言ってるんだ!」
暗闇の中懐中電灯を持ち探索する2人の人影があった
「本当にあるんですかね、社長、ほとんど調べ尽くされた遺跡だそうですけど」
「いいや絶対にあるね俺の勘は10回に1回は当たるんだ!」
「10%じゃないですか、それじゃあほとんど当たらないんじゃないですか?」
「安心しろ、この勘の前に俺は9回外してるんだ10回目の勘は当たんだよ!」
「本当ですかー…」
暗い遺跡の中、必ずお宝が見つかると思っている自信満々の30歳後半程の男とそれに従う10代半ばであろ若い男は懐中電灯との光を頼りに遺跡の奥に進んで行く
しばらくの間2人はいくつかある部屋を隅々探していくが何も見つからない
「何も見つからないですよ社長、やっぱり調べ尽くされてるんですよ」
「諦めるのが早いぞ、大体こういう何もないところを叩いていると隠しスイッチとかがあってだな」
「それも勘ですか、じゃあ後8回は外れますね」
若い男にそう言われるがもう1人の男は構わずにコンコンコンと壁を叩き続けるコンコンコンと叩くするといきなりカチッと音がした
「一発目に10%引いたみたいだな」
ゴッゴッゴッと音を立てて床が動き出し階段が現れた
男は笑って隠しスイッチによって開かれた道を進んだ
◇
「そろそろ予定の時間だな」
「そうですね、モモリさん歪みの様子はどうですか」
『そろそろゲートになりそうよ2人とも準備してねー』
「よっしゃー!腕がなるぜ!」
青いMoBに乗っている男がその場にいない相手に通信を繋げるとd-ノイドが現れるゲートがまもなく出現すると言う
『来るよ!3.2.1ゲート出現!予定通り四等級が10体に三等級が3体!牧場に被害がないように、後ついでにできるだけd-ノイドは大破させないように頼んだわよ!!』
通信している相手がそう言うと突如空中に黒いモヤが現れた
「任せとけって!!」
「行きますよ」
空中にモヤが現れてまもなくそこから、昆虫、蟻に似た機械生命体と蟷螂に似た機械生命体が現れた
「昆虫型しかも陸型とはこりゃ余裕だな!」
「油断大敵ですよ、何があるかは分からないですからね」
そう言って2人はMoBを操作して、現れたd-ノイドに向かっていった
緑のMoBに乗った男が言ったように2人は手こずる気配を見せずに次々とd-ノイドを倒して行く
着実に一体一体倒し、そして蟷螂に似たd-ノイドが最後に一体残り緑のMoBが持つ棍棒が振り下ろされ最後のd-ノイドは、バラバラに砕けちった
「あっけねーなもう終わりかよ」
「あなたは…先ほどできるだけ大破させないようにと言われたのに、こんなバラバラにして四等級の方ならまだしもこっちは三等級何ですよ」
「わりーわりー、ついつい力が入っちまって」
「あなたが力を入れても機会は変わらないでしょ」
「気持ちの問題よ、気持ちの」
『どーせあんたは大破させると思ってたわよ、まあいいわ、牧場に被害はなし、あんたらのMoBも傷もないし、余計な出費が増えることがないなら御の字よ』
「ほらほらモモリもこう言ってるし」
『それじゃあしっかりと倒したd-ノイドは回収し…!ちょっと待ってまたゲートの反応!それももう発生する!d-ノイド数は20.30.40.50!!大半がニと三等級それにdエネルギーが2000越えの一等級がいる!やばいもう出現する!』
すると先ほど現れたモヤとは大きさが倍ほど違うモヤが現れ中から50ものd-ノイドが現れた
その姿はトカゲの見た目に翼が生えたかのような見た目の機械生命体、3メートル程の物と5メートル程の物が大量に現れ、そして一体、大きさは3メートル程の物と同じであるが明らかに格が違う見た目の物が混ざっていた
「おいおい、マジかよ!これわ流石にきついよな」
「しかし引くわけにわ行きません、僕たちが何とかしなければ依頼主の牧場は守れませんし、最悪の場合この先の町までやられてしまいます!」
「しゃーねーか、さっきのじゃ物足りなかったし、ちょうどいいってことにするぜ!」
◇
「クッククックク、ワッハハハハだから言っただろ絶対にあるってよ」
目当てのものを見つけ有頂天になっている男
「まさか本当に見つかるなんて…これが社長の勘…」
若い男が呆然としていると、社長と言われた男の端末が鳴り出した
『社長大変!リョクとブルーノが討伐に向かったところに想定外のゲートが現れて50もの二、三等級のd-ノイドにそれに一体2000越えの一等級が現れたの!今、他の会社に救援を送ったけど結構な田舎だから一番近くても30分程かかるそうです!!』
「マジかよ、くっそ2人には自分達と依頼主の命を優先するよう伝えろ、牧場がやられても俺が全力で謝って何とかする!」
先ほどまで有頂天になって笑っていたのが一変して緊迫した状態になる
「社長!移動に使ったヘリとこれ使わせてもらいます!!」
すると若い男がそう言って遺跡の外に向かって走り出した
「大丈夫なのか!?」
「はい!きっとこれの力ならやれるはずです!僕の勘は当たるんで!」
男は遺跡の外に出るとここまで来るのに乗ってきたヘリに乗り込んだ
そして先ほど手にしたもの黒い翼のドラゴンが描かれた電子カードをヘリにある差し込み口に差した
「Bメモリーセット!バハムート!!」
するとどこからかいきなり黒い鋼鉄の外装がヘリの周りに現れて一瞬にしてヘリの見た目が変わる
黒い翼を有する、漆黒の龍の姿へと変貌した
それはヘリだったものの操縦席も変化させた、そして男は、操縦桿だったものを握った
「行きます!!」
◇
「クソが!!俺らのMoBのランクに対して数と等級がやっぱし不利すぎる」
「ですが、僕たちがやられたら、どうしようもないので踏ん張るしかありません」
先ほどの昆虫型のd-ノイドとは打って変わって2人は防戦一方、相手の隙をついて6体は倒せたが、まだ40体以上残り、2人のMoBはすでにボロボロであった
「マジでやべーな…」
「珍しいですね、あなたが弱気とは」
『2人とも後3分耐えて!!そうすれば助けが来る!!』
「マジかよ、30分は来ないんじゃなかったか?それが3分なら余裕じゃねーかよ!!」
「やはりあなたは、単純思考の方がお似合いですよ」
2人は朗報を聴き気力を取り戻し、先ほどまで完全に押されていたのが少しずつ押し返しつつある
「運がいいことに一等級のd-ノイドは獲物を見定めるかのように僕たちに襲ってこないのが救いですね」
「あいつが襲ってきたらむしろ返り討ちにするけどな!」
「調子がいいことを言いますね!」
押し返し気味の2人しかし一瞬の隙が起こり青いMoBを複数のd-ノイドが囲み襲いかかる
「しまっ…!」
もうダメかと思った刹那の瞬間青いMoBの周りにいたd-ノイドが倒れ機能を停止していた
それは緑のMoBの周辺のd-ノイドも同じく倒れ停止していた
「んな!?」
「すみません先輩遅れました!」
そこに現れたのは遺跡から飛んできた黒い翼の龍のMoBだった
「今の一瞬で残り半分にしやがった、何ちゅう後輩だよ!」
「クロノです!自己紹介はまた後で残りを沈めます!!」
そう言ってクロノは残りの二、三等級のd-ノイドを次々と倒して行き、一瞬にして残りを1体にした
しかしその1体は他とは格が違う一等級のd-ノイド
クロノが操るMoBと一等級のd-ノイドの間を苦い空気が流れる、そして先ほどまで傍観していた一等級のd-ノイドがついに動き出す
「来るぞ!!」
迎え打つ動きを行うクロノ、しかし
「なっ!?」
目の前にいたはずのd-ノイドがクロノの前から消える
そして次の瞬間後ろからd-ノイドが現れクロノのMoBを襲う
「ッグ!」
「今のがあいつの能力か!」
『ステルス能力と透明化みたい!姿が消えている間はdエネルギーの反応がない、おそらくそれが原因でさっきはいきなり現れたのかと、けど、今のを見た限り攻撃の瞬間は姿が現れる、その瞬間にたいしょできる?』
「攻撃の瞬間にカウンターを入れればいんですね」
『そう!攻撃する瞬間に私が教えるから、それで何とか』
「大丈夫です、自分一人でいけます!」
『本当に!?』
「はい!なので、落ちます。」
そう言ってクロノは大きく息を吸った、それと同時にd-ノイドはまた姿を消し、クロノは息を吐き切る
「1887386420438383835055743024830575510282173804111538」
そしてクロノは数字を言い出した
「9382438550572855382828862148641159」
d-ノイドはクロノ後方左から現れ決めに来る一撃をクロノのMoBに対して放った
「0!」
次の瞬間d-ノイドによる攻撃が当たるより先に黒い翼がd-ノイドを貫く、その一撃によりこの戦いの雌雄が決した、クロノのMoBのカウンターが見事にd-ノイドを捉え打ち破った
「よっしゃー!!よくやった後輩!!」
「はーぁ、はーぁ、はーぁ、やりました…!」
『よくやったクロノ帰ったらお前の歓迎会と今の戦いの祝勝会だ!俺は先に会社に戻ってるぜ!!』
「ありがとうございます社長!」
「本当にすごい後輩が来ましたね」
先ほどまで50ものd-ノイドが飛んでいた空にはクロノが操る黒い翼の龍のMoBのみになり、地には倒れたd-ノイドの残骸が無数に散らばっている
◯
「いや〜素晴らしいお宝に素晴らしい新入社員だぜやっぱし俺の勘は当たる時はとびっきりの大当たりだぜ、今日はもう何も起こらないと俺の勘が言っている、まあこれはほぼ確定事項みたいなものだよな〜流石に今日はお腹いっぱいだぜ〜」
遺跡から、自分の会社まで悠々と戻ってきた社長
「ん?」
会社の前までつくと入り口の前に白衣を着た男性が倒れていた
「やっぱし10%はそー簡単には引けないか…」
最近レトロゲームにハマってます皆さんのおすすめのゲームがあったらぜひおしえてください!!




