ダンジョン祭
「ダンジョン祭?」
「5日後に始まる豊穣祭のメインイベントの1つだよ」
私達が暮らすフリードルフ国はダンジョン王国と言っても過言じゃないくらいダンジョンが多く存在し、有効活用する事で繁栄している。
ダンジョンがもたらす恩恵――魔獣の素材や固有の薬草――は計り知れないからね。
「ドロップ率と宝箱発現率が倍になるんですの?」
「そ。1年で2日間なんだけどね」
「ソレ、ボニーがおるウチらにはメチャクチャお得やん!」
「うわ~腕が鳴りますぅ~♪」
「私も同行しても良い?毎年珍しいダンジョン薬草が採れるからね」
「もちろんOKですわ」
「しっかり用意しなきゃですね!」
***
始まりました豊穣祭。
1日目はダンジョンに感謝と来年の豊穣を祈願する神事が行われ、2日目と3日目に『ダンジョン祭』が開催される。残りの2日で後夜祭よろしく街を挙げてのドンチャン騒ぎ――の5日間の行程。
トーキットのメインストリートを始め、大小のダンジョンの入口前まで様々な露店が並んでいて大盛況だ。
もちろん私も出店するよ。ギルドに卸しているポーション以外の魔道具を売る予定。
因みに羽根のある猫のシルエットが目印で『羽根猫印』って結構有名になってるよ。
「明日からの探索に備えて最終調整に来る客にジャンジャン売りまくるよ!」
「コンビニで培った接客術みせたろうやないか~♪」
「ひぇぇ~2人とも笑顔が怖いよぅ」
「大丈夫よ、ボニー。ここは2人に任せてわたくし達は明日の準備をしましょう」
「「よっろしく~」」
ランのお蔭でこの日の売上は過去最高だった事をお知らせします♪
***
さてさて『ダンジョン祭』開催ですよ。
「2人は初めてだから無理せず片方だけを攻めた方がいいと思う。どっちに行く?」
「やっぱ通い慣れた『ムーマー』狙いかなぁ」
「今って何処まで行けるんだっけ?」
「この間21階層の攻略を完了しましたわ」
60階層ある『ムーマー』にDランクパーティーとしては結構進めてる方じゃないかな。流石特訓の成果が出てるね!因みに120階層ある大ダンジョン『アヴィ』の方は14階層だって。
「じゃあ22階層から始めるとして……できれば24階層の『ア・サマサン草』を採取したいな」
「んじゃ目標は24階層攻略やね!やったるでぇ~♪」
――それにしても『ア・サマサン草』って……『サルガッ草』といい命名した人は絶対転生者だろうね。それも親父ギャグ好きの日本人。
――前世の連れ合いの顔が浮かんだのには笑ったわ。
順番がきたので入口にある『転移陣』で22階層へ。一気に緑の匂いに包まれた。どうやら森林仕様のようだ。
「いきなし道が3つやけど……ボニーどれがエエ?」
「う~ん……真ん中以外かなぁ。どっちも良い感じするの」
「なら二手に別れる?『空間把握』で視ると3本ともまた繋がるみたいだし。何かあったらコレで連絡し合うって事で」
腕に着けた腕輪型通信魔道具を見せると皆が頷く。クリスとボニーで左、私とランのペアで右に進む。
早速宝箱発見!
罠がないのを確認して中の物を『収納』していく。内容を調べるのは後回し。今は前に進むのが先決だからね。
『――!サヤ、お客さんだ』
「ありがとシーフゥ。ラン!キラービーが5!」
「よっしゃ!おいでなすったね!」
私達は得物を手に走り出した―――
―――――
そんなこんなでボニーのスキル『ラッキーライフ』のお蔭で多数のドロップ品や宝箱、『ア・サマサン草』を始め、貴重なダンジョン薬草をゲットする事ができたのでした~♪
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