魔獣との闘い···そして新たなる?
「わぁ~!ホンマもんのウサミミやん!ちゃんと動いてる!」
関西人であろう女性はテンション高くボニーの耳をガン見してはしゃいでいる。あ、ボニーがちょっと引いてるよ。
「えっと……貴女は――」
『――!サヤ』
「!!」
女性に声をかけようとした時、肩に居たシーフゥに言われて気が付いた。いつの間にか数匹の狼の魔獣に囲まれている。
同じく気付いていたのか既に双振りの剣を構えて私達を背に庇うボニー。
「サヤさん!炎狼です!」
さっきの叫び声で呼び寄せられたのだろう。炎の鬣と尾を持つ炎狼。1匹単体のランクはDなのだが、数が増えると少し厄介な魔獣だ。
「うわっ!火ぃついてる狼!……ホンマに異世界やねんなー」
「貴女は私の側から離れないで大人しくしていて!」
「はいぃ!!」
現実逃避しているのか呑気な台詞を宣う女性に『結界』を張り、炎狼に『ウォーターボール』を撃つ。火には水だもんね。
「ギャン!」「ギャイン!」
「ウォォォーン!」
「ち!やっぱり仲間を呼び寄せたか!」
――1匹残ってると仲間を呼ぶから厄介なんだよね!
「また増えたぁ~!どないするん!?」
「仕様がない。奥の手を使うか」
「奥の手?」
「ボニー!―――ノーグリが居るよ!」
ピク――――ン!!
私の台詞を聞いた途端、雷に打たれたかのように身体を硬直させたボニー。しかし次の瞬間、全身に怒気を漲らせて炎狼の群れに突っ込んで行く。
「……ノーグリ……!おのれノーグリィィ!!」
――説明しよう!
ボニーは過去のトラウマから『ノーグリ』と言う言葉を聞くとバーサーカーモードになって深層心理にあるストレスを目の前の敵にぶちまけるのだ!
「何ソレ!どこぞの獄卒兎っ?!めっちゃ怖いんやけど!!」
「こンのド腐れ浮気男がぁ―――!!」
「「「キャイ~~ン!」」」
「くたばれ!最低野郎―――!!」
「「「キャイ~~~ン!!」」」
あっという間に炎狼の山が築かれていく。流石闇ボニーだわ。普段とのギャップが凄いね☆!
「「ウゥ…ウォォォーン!!」」
「うわぁ~!また呼びよったぁ!キリあらへんやん!」
「……不味いねぇ」
中級魔法をぶっ放してもいいんだけど、あまり目立ちたくないんだよね。シーフゥも本来の姿を現す訳にいかないし……困ったな。
「ご助勢いたしますわ!『ウィンドカッター』!」
どうしようか考えあぐねていると、いきなり森の中にそぐわないドレス姿の美少女が現れて炎狼を薙ぎ払っていく。
『!――サヤ!あの少女は――――』
「え?……ホントに?」
『間違いない……ボニーもだ』
シーフゥが小声で話した内容は俄には信じられなかったが、上位精霊のシーフゥが言うことだ。確認してみる事にした。
プラチナブロンドの髪を靡かせて炎狼を倒している美少女に手を伸ばしなから駆け寄る。
「『ストーム』を使うから手を貸して!」
「わかりましたわ!」
がっちり手を繋いで叫ぶ。
「ファイト――!」
「イッパ――ツ!」
――うん、『星の贈り人』確定~☆
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