第50話 ラファとのケンカ…
季節は日本で言う12月。
ラファはミラが半竜化事件から俺と顔も合わせてくれない。
ミラが半竜化だけならそこまで行かなかったのだが…ラファが
『私もして〜』
とずっと言ってきたので俺はつい
『無理なもんは無理なんだよ!』
と怒鳴ってしまった。
その時の俺は大人気なく感情のままに怒ってしまった。
それから2日ラファとは一切喋ってない。
いや気まずくて喋れない。
「ねぇリョウ…ちょっといい?」
そう言って入って来たのはミラだった。
「ごめんね?……まさかリョウとラファがここまでケンカするとはね〜」
「ああ、ごめんな気まずくさせて…」
「うんうん…全然。むしろ楽しいよ…」
「え?」
予想外の発言に俺は言葉も出なかった。
まさかケンカ中で空気も少しギスギスしているのに楽しいと言う言葉が聞こえて少し考えることを放棄した。
「だってさ、もしあのままリョウが王国に来なかったら私は死んでいただろうし、王国もこんなに賑やかになってなかったし、こんなに楽しい王城にもなってなかった。だから私は今の生活が楽しいよ」
ミラは真剣にそして柔らかくそういった。
「ありがとうミラ!ラファに今から謝ってくる!」
「うんうん、それよりラファは外に出かけてるよ!あと…帰ってきたら私も可愛がってね?」
そんなふうに言うミラはどこか色っぽくて、とても可愛かった。
街中
「そろそろ俺も覚悟を決めようかな…」
俺は1つの宝石屋に入った。
「すみません…」
ここから先は後のお楽しみ…
ラファ視点
「はあ〜リョウに行きよいでバカ!とか言ったりして2日…一切喋ってないな〜。喋りたいし話したい、楽しくしたいしイチャイチャしたい…」
私は1人イジケながらも街をうろついている。
「はあ仲直り…したいな…リョウ…部屋にいるかな?」
私は王城に戻ってリョウに謝りに行こうと思ったその時…
「お嬢さん。1人で何してるん?良かったら俺たちと気持ちいいことしない?」
気持ちいいこともなにもあんた達が気持ち悪いわよ。
なんて軽い気持ちで構えていたら…
10人以上に囲まれた。
どうやら知らぬまにスラム街に来てしまっていた。
「こんな危ないもの没収〜」
と言われいつの間にか剣を奪われていた。
「っ!返して!」
私は鍛えた体術で応戦するも、多勢に無勢。
勝てるはずなかった。
「お楽しみタ〜イム」
助けて!助けて助けて助けて!
私はそう言ってすがる今までと同じようにあのいつも私を助けてくれる…リョウに…
そう言えばケンカ中だったな〜もう助けなんていないのかも…
なんて現実逃避しているその時だった。
「誰を楽しもうとしてるのかな?それが俺の嫁って知りながらやってるのかな?」
いつも…いつもいつも私を助けてくれるその人が…目の前にいた。
リョウ視点
ちょっとおこです!
俺はスラム街の人間を容赦なく殴って気絶させた。
もちろん峰打ちだけどな。
「リョウ…ありがとう!ありがとう!」
「ごめんラファ…少し用事で遅くなった。」
そう言うとラファは少し怒ったような顔をした。
「私が…あんなに悪かったな…と思ってた時に用事?まさかミラとやってたの?」
ラファはどんどん怒り出す。
「だいたいリョウも悪いよ!羨ましいじゃん!妬くに決まってるじゃん!だってこの世で1番好きな人と同じ姿なんだ…ん!……」
俺はラファの口を閉じた。
もちろん俺の唇で。
「ラファ。用って言うのはなこれなんだよ…」
「っ!」
俺は宝石屋で買った指輪をラファに見せた。
「こ…れは?」
「ラファと俺との結婚指輪。」
「っ!」
「なあラファこの前はごめんな…大人気なく怒ってごめん。それと許してくれるなら…俺と結婚してくれないか?」
「………」
押し黙るラファ…なんだろうか……よく見ると肩が震えている…そりゃ怒るか…このタイミングなんだもんな…でも…俺はこのタイミングしかない…と思ったんだけどな…
「ひっ。うぅ……よ…よろしく…おね…お願いします…」
よく見るとそれは怒って震えているのではなく…嬉しくて泣いて震えていたのだ。
俺は優しくラファを包み込み
『ありがとう…』
と呟いた…俺達を歓迎するように雪の降る綺麗な時間だった。
こうして俺とラファは結婚することになった。
作者「いや〜ネタに困ってたから友達に感謝感謝」
リョウ「来週は結婚式?それとも…」
ミラ ラファ「ストーーーーープ!」




