第22話 どうやらまた問題児のようです。
今回から第3章です。
盗賊退治を終えて帰宅中の俺とエルフ。
彼女とは一言も会話がない。
まぁ喋れないから無理ないか…
「ここが俺の家だ。」
彼女は警戒…と言うより諦めているような感じだ。
生きることを…
「入って。中に君の怪我を治してくれる人がいると思うから。」
彼女は恐る恐る家に入った。
「おかえりなさい。急に飛び足してびっくりしたってミリア様から聞きましたよ。…その子は?」
「いや、盗賊退治に行っててさ、囚われてたから助けて上げたんだけど声帯が潰れていて…」
「それは大変!ミリア様を呼んで来ます!」
ラファはミリアを呼びに行った。
「じゃあ君はそこに座ってて」
そろそろ昼ご飯の頃だし丁度いい。
彼女は大人しくソファーに座っている。
「ちょっと凝った料理を作ってみるかな…」
しばらくしてミリアが来て診察してくれている間、俺は料理に集中していた。
「でミリア、治りそうか?」
「ん〜治る事は治るけど…」
ミリアは言葉を濁した。
「どうしたんだ?」
「正直、魔法で治そうとしたら負荷が大きくかかるんだよ。」
つまりは支障をきたす…と。
「だから、治すために薬草がいるんだよね。その薬草と魔法を使えば完治出来るよ。」
「さすれば、実行!」
「多分無いと思うよ。その薬草とても高級で、少なくともこの国には残っていないよ。戦争で薬草類はすべて使い切ったから。ある薬草はかすり傷を治す薬に使われている奴ぐらいだね。」
なっ!じゃ、じゃあ。
「取りに行くのは?」
「うーん、竜山の麓にあるけど国外だし…」
「どこだ!?」
「その前にいいですか?」
ミランが質問してきた。
「そのエルフには何か仮があるのですか?」
ああ、そう言うことか。
「そのエルフは初めリョウを睨みつけたのでは?」
ミランは…
「そもそも、エルフは人族を嫌いますからね」
エルフに嫉妬しているのか…そんなに構ってやれなかったな…この3人の中で、1番一緒にいる時間が短いしな。
「ミラン、ごめんな?あとで一緒にいる時間を増やすから…少し、俺のわがままに付き合ってくれ…」
ミランは俺から離されるのが怖かったのだろう。
ただでさえ、2人より俺といる時間が少なかったのに、新しく来た奴に自分より俺に構って貰えていて、嫉妬したのだ。
これは俺のミスだ。
「本当ですか?絶対、絶対ですよ?」
「ああ、嘘はつかないよ。」
俺はミランを抱きしめた。
「ミランだけズルイな〜。」
俺とミランは顔を真っ赤にした。
思ったらこれ超恥ずかしい…
「と、とりあえずご飯にしよう。冷めたら勿体ないしな!」
最終兵器、話をそらす!
「はい。(ミラン様だけズルイです。)」
「そうだね〜(いいな〜お姉ちゃん)」
「はい!(うふふ、初めてリョウからハグされた〜)」
エルフは肉を食わない。と言う可能性を踏まえて、魚料理にした。
焼き魚に、サラダ等などたくさん作った。
「んじゃあ行ってくるよ。すぐ帰ってくる」
「「「はい!気を付けて!」」」
じゃあ情報収集からだな。




