「ポルクス地方、双子の町」
「あれ?お姉さん?おーい!?」
グイグイ進むから見失ってしまった。道行く人に尋ねてみたが尋ねる度に恐怖が募る。
(あれ、この人・・・さっきも見たような?)
ともったがすぐ後ろにも似たような顔がいる。
皆がいない!?しまった!!
つい走ってしまい後続を警戒してなかった。私は来た道を戻ったがどこも似たような構造で特徴的なシンボルが無い。
「ユイちゃん!カイト君!」
必死に探すも見つからない。
「シイナちゃん!!ヤエ君!!」
駄目だ見つからない!!
同じ顔、同じ人、ゲシュタルト崩壊しそうな程同じ見た目と場所に私は混乱していた。
(噂には聞いてたけど前より同じ顔が増えてる、これじゃあ誰に聞いて誰に伝えればいいのか分からない!)
向こうが騒がしい、もしかしてユイちゃん達!?
急いで向かうとそこにはヤエ君とユイちゃんが同じ顔の人間に囲まれていた。
「パスポートが無いなら違法入国者だな?」
私は咄嗟に間に入り二人を庇う。
「待ってください!私です!べテルギウスの届け人!パスポートは此方にあり・・・え?」
スカートにしまっておいたパスポートが見つかない、まるで空を切るように手が空振った。
「うそ・・・なんで!?」
パスポートが無いと捕まる、最悪死刑だ。
「あの女の人か!」
遠くで一瞬だったが私のパスポートのカバンに入れた。
彼女こそが違法入国だ。
「ユイちゃん、ヤエ君、目を閉じて!」
二人に怒鳴ると私は閃光弾を地面に投げつけて視界を遮る。
「走って!」
近くの兵士を押し出して救出した後に安全な場所に残して走る。
「お姉ちゃん、逃げられると思わないでよ!!」
私は屋根を伝ってお姉さんに追いつき抱きしめる。
「お姉さん返し・・・え?」
それはお姉さん似た女の子だった。
兵士は私を囲み捕まえようとしてきた。
「そこを動くな、届け人・・・彼女達が死ぬぞ?」
逃げてやろうとしたがこの国で一番偉いとされる双子王子の片割れ【兄王子カストール・ジェミニ】がユイちゃんの喉元にレイピアを向ける。
「兄者、彼女は届け人じゃないか?」
その片割れは【弟王子ポルックス・ジェミニ】だ。ヤエ君は彼の腕に抱かれて短剣を目に突きつける。
「い、いや・・・助けて」
ヤエ君は恐怖のあまりボロボロ泣き出してしまった。
「ごめんなさい、ユカリちゃん・・・戦おうとしたけど・・・格が違い過ぎて」
二人は連携を共にする最強の双王子、どっちも金髪碧眼だが髪が短くて鋭い目つきが兄、髪が長くて柔和な弟だと見分けがつく。
「やだ!!助けて〜!!ふぇぇん!!」
ヤエ君は逃げようと必死に暴れると弟は一言謝ってお腹を殴る。
ヤエ君は苦痛の顔しながら失禁してしまった。
「ヤエ君に次手ぇ出したら許さない」
可愛い友達を傷つけた、私は剣を大鎌に変形させる。
「届け人!駄目よ!怒りに任せたらヤエちゃんが危ない!」
ユイちゃんに叱咤され怒りを鎮めた。危うく飲まれるところだった。
私は睨みつけながら他の二人を探す、何処に行ったんだろう。




