忍者
「なんだと!?」
「ほう、大きく出たっスね」
二人の反応に、笑みを浮かべながらシーニーが言う。
「ふふふ、素敵な反応でしてよ? それで本題ですが、情報を売っているのは、三倉という情報屋ですわ」
「三倉? 聞かない名前っスね?」
セルイの言葉にシーニーは頷くと、
「ええ、あまり有名ではありませんわ。はっきり言って小物です。ですが、厄介な事に彼は……ワタクシの斗哉と同じ忍者でしてよ?」
忍者という単語にセルイは頭をかくと、
「本当に厄介っスね! さぁて、どうしたものか……」
話に置いて行かれそうな詩音が言う。
「お、おい! にんじゃというのはなんなんだ!? 私にはなんのことかさっぱりだぞ!?」
「説明めんどうなんスけど。分かりやすく言うと、密偵っスかね?」
セルイの簡単な説明に、
「なるほど! 納得したぞ! それで? 何故密偵が我々を狙っている?」
本題に戻ると、シーニーが話す。
「それは、貴方方が彼のクライアントを殺したからですわ。」
「!! もしや、あの剣のコレクターのおっさんっスか!?」
シーニーは頷くと、
「彼にとっては大切なクライアントだったみたいですわね。それに、自分の身を守るつもりで貴方方の情報を売っているようですわ。要は、ワタクシ達のようなものに情報を売って……」
「……オレ達が手出し出来ないポジションに落ち着こうとしている。と」
「よく分からんが、要するに敵ということだろう? ……どうするんだ?」
首を傾げる詩音に、セルイが言う。
「そうっスね……。とりあえず礼を言うっスよ、シーニー。三倉に関しては、オレ達でなんとかするっス。そんじゃ失礼するっス」
そう言って席を立つセルイにシーニーが、
「あら? お茶会でしてよ? ちゃんと最後まで参加して頂かないと」
彼女の言葉に、セルイが頭をかきながら、
「そう言って時間稼ぎしようとしても無駄っスよ? 三倉は、ここにいるんだろう?」
セルイの指摘に、シーニーの手が止まる。しばらくフリーズした後、
「……やっぱり貴方には勝てませんわね。おいでなさい!! 三倉!!」
そう言われ、斗哉が三倉を連れて来た。
「ま、待ってくださいシーニー様!! 自分を売るなんて聞いてないです!! ヒィィ!! た、助けてぇぇえ!!」
喚く三倉に、セルイが近寄る。
「オタクのおかげでえらい目にあってるんスよ? オレはただの商人でいたいだけなのに……」
セルイが顔を近づけると、恐怖で三倉が泣きそうな顔をする。
「すみません!! すみません!! 許してください!! なんでもしますから!!」
その言葉に、セルイが目を細める。
「ほう? じゃあオレ達のために働いてもらうっスかね?」
そう言って三倉の両肩を叩くと、何かを耳打ちし、離れる。三倉はその場に崩れ落ち、腰を抜かしていた。
「それじゃ、よろしくっス!」
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シーニーとお茶会から出ると、詩音が聞く。
「なにを頼んだんだ? 私にだけ教えてくれないのはずるいぞ!」
食ってかかる詩音に、セルイがどうどうと落ち着かせると、
「わかったっスよ! 話すから、まずは隠れ家に帰るっスよ!」
それだけ言うと、セルイが先を急ぐ。一緒に行動していて、こういう時は話して貰えないことを理解した詩音は、大人しくついて行くしかなかった。
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隠れ家につくと、セルイがソファに座る。それにつられて詩音もソファに座ると、
「それじゃ、話すっスけど」
「ああ! 待っていたぞ!」
コホンと咳払いをすると、
「三倉には、オレ達の嘘の情報を流してもらうっス。そんで、情報を買っているヤツを炙り出すっス。オーケー?」
ざっくりとした説明に、詩音が呆けた顔で言う。
「それだけか? もっと何かあったのかと思ったぞ! というかそれなら、何も焦らすことないではないか!」
不機嫌になる詩音に、セルイが冷静に言う。
「あそこで話してたら、誰に聞かれるかわかったもんじゃないっスよ? だから帰ってから話したんスよ! それに、大事なことっスよ? 敵を罠にはめるんだから」
正論にぐうの音も出ない詩音は、静かになる。それを見たセルイは頬をかきながら、
「それじゃ、なんか食べますか!」




