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警察

  翌朝、セルイが目覚めると詩音はまだ眠っていた。

 起こさないように起き上がり、寝室をでる。

  玄関に向かって行くと新聞が入っていた。それを手に取ると、キッチンに移動する。


「今日は何にするっスかね〜?」


  そう言いながら新聞をテーブルに置くと、見出しが見えた。


『連続失血死事件、犯人未だわからず』


(連続ねぇ……まぁオレの仕業でもあるけど、シーニーやレオンも殺ったっスからね……)


  そう思いながら、料理を作り出した。

 そうしていると、匂いで起きたらしく、詩音が目を擦りながら入って来た。


「う〜ん、おはようセルイ。早いな」


「おはようっス! さぁ、座って座って!」


  まだ半分寝ぼけている詩音を椅子に座らせると、料理を再開する。

  しばらくして出来たのは、白飯に味噌汁にサラダだった。


「これぞ和食? あ、サラダがあるから違うか〜。まぁ、とにかくそう言う料理っス」


  詩音が首を傾げ、


「よく分からんが、美味しそうなのは理解した。食べていいか?」


 いいっスよと言えば詩音は、


「頂きます!」


  そう言って食べだした。その様子に安心しながら、セルイも食事を摂る。


****


  しばらくして食べ終わると、詩音が自ら洗い物をかってでたため任せると、セルイが新聞を読み出した。


「何か書いてあるのか?」


「あ〜そうっスね。連続失血死事件の事が書いてあるっス。犯人は未だわからず。複数犯の可能性もあるとか。まぁ、確かに複数っスからね〜。当たりはいいっスね!」


  呑気にそう言うと、新聞をめくる。そんなセルイを見て詩音が言う。


「……お前はいつも冷静だな」


「ん? そうっスかね?」


「冷静だ!!」


  バンッと突然シンク横の壁を殴ると、詩音が言う。


「……私は自分がこんなに女々しいとは知らなかった! いや、知りたくなかった! 父上とリセが抱き合った時、正直嫉妬したし、悲しかった!! 未だに辛い!! やっと会えたと思ったのにだ!? それなら、父上が生きている! そんな希望なんて持たされなければよかったのに!!」


  一気にまくし立てると詩音は洗い物を終え、


「……少し休みたい。寝てていいな?」


  それだけいいまたベッドの中に入って行ってしまった。

  どうしたものかと頭をかきながら、セルイは仕事部屋へ向かった。


****


 数時間後、仕事部屋から出ると詩音は未だベッドの中だった。


「詩音。そうやって現実逃避してても、先には進めないっスよ?」


  セルイの言葉に、詩音が言う。


「……そんなのわかっている。だが、今はこうしていたいんだ……。放っておいてくれ……」


  そう言ってうずくまる彼女を見て、


「わかったっス。オレも今日は市場には行かないんで、ゆっくりするっスよ?」


  セルイはそう言うと、寝室を出てリビングに行った。

  そのままリビングに直行すると、音量を小さめにしながらテレビを付け見始めた。


****


  そんな時間を過ごしていると、チャイムがなった。


「はいはい。誰っスかね?」


  そう言って扉を少し開けると、


「警察の者ですが、不知火セルイさんはいらっしゃいますか?」


  警察だと名乗る男に警戒心を上げ、


「なんのようっスか?」


  冷たく言う彼に男は、


「連続失血死事件の事で、お聞きしたいことがあります。少しお話いいですか?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 詩音が落ち込んでいる……! 嫉妬するのは仕方ないよ、自分の父親なのに記憶もあやふやになってる上にリセって妹抱き締められたらねぇ。 心の整理が出来ると良いな。 ……あっ、警察来ちゃった(゜Д…
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