2-1 待機場所の変更
【今回の見どころ】
効率よく稼ぐための繁華街を捨て、一雄が選んだ新たな待機場所。
そこは、昨夜出会った美月のマンションが見渡せる場所だった。
「見守る役目」を勝手に自負し、ただの偶然を『運命』へと変えるための、一雄の静かな暴走が幕を開ける――。
【作品紹介】
本作は、noteで「運命の人〜ストーリー〜」として執筆している小説を、小説を読もう!用に投稿しました。
一人の男がバイト先のハンバーガーショップの店員(実は地下アイドル『UVA48』のセンター・美月)への純愛を暴走させ、周囲を巻き込む大騒動へと発展していく、切なくも狂気的な音楽連動型・現実世界恋愛小説です。
【公式連動楽曲】
iti視点ソング『運命の人〜暴走〜』の歌詞世界と完全シンクロ!!
一雄の脳内で運命の歯車が激しく回り出す瞬間を、ぜひメロディと共にお楽しみください!
【2作連動の仕掛け】
主人公「宇場一雄」は、別作品『フーデリオン』の主人公と同一人物です。あちらの作品に登場する「喉に傷があるバイク屋のオヤッサン」の正体とは? そして店に飾られた「一輪の赤い薔薇」の真相とは……?
二つの世界線が交錯する時、本当の『運命』が紡がれます。
【連動楽曲】
YouTube・noteにて順次公開!
①iti視点「運命の人〜暴走〜」
②UVA48視点「運命の人〜完全拒絶〜」
激しく狂おしい音楽の予感を胸にお楽しみください。
(リンクは後書きの下にあります)
【2-1 本文】
翌日。
一雄は、いつもの待機場所へ向かわなかった。
これまでは、加盟店が多く集まる繁華街の中心部で、次の配達依頼を待っていた。
少しでも効率よく稼ぐためだ。
配達員にとって、待機場所は重要だった。
注文が入りやすい場所を選べば、それだけ多くの配達を受けられる。移動距離も短くなり、時間も無駄にならない。
しかし、今日から一雄は、その効率を捨てることにした。
向かった先は、昨夜、美月と出会ったマンションを見渡せる場所だった。
マンションから少し離れた道路脇。
そこなら、建物の出入り口が見える。
美月が出勤する時間も確認できる。
帰宅する時間も、もしかしたら分かるかもしれない。
一雄はバイクを停めると、スマートフォンを取り出した。
いつものように、配達依頼が入るのを待つ。
しかし、視線はスマートフォンではなく、マンションの出入り口へ向いていた。
「同じ空間にいる……」
マンションの中にいる美月と、外で待機している自分。
ただそれだけのことなのに、一雄には特別な意味があるように感じられた。
今までの自分なら、こんな場所で待機することはなかった。効率が悪いからだ。
それでも今日は、ここにいたかった。
美月が暮らす場所の近くにいる。
それだけで、心が落ち着いた。
しばらくすると、マンションの出入り口から一人の女性が出てきた。
一雄は、反射的に背筋を伸ばした。
美月だった。
仕事へ向かうためなのか、制服ではなく私服姿だった。昨夜の寝間着姿とは違う。
それでも、一雄にはすぐに分かった。
「美月さん……」
声には出さず、口の中だけで名前を呼ぶ。
美月は一雄に気づくことなく、駅の方向へ歩いていった。
一雄は、ただその後ろ姿を見つめていた。
やがて美月の姿が見えなくなると、一雄は深く息を吐いた。
「今日も、ちゃんと出勤するんだな」
まるで自分が、美月の生活を見守る役目を任されたような気分だった。
その直後、スマートフォンに配達依頼が入った。近くの店舗からの注文だった。
一雄は画面を確認した。
受ければ、すぐに配達を開始できる。
いつもの自分なら、迷わず受けていた。
しかし、一雄は画面を閉じた。
「まだだ」
美月の働くハンバーガーショップからの注文ではない。
今は、そこへ行く理由が必要だった。
ただ会いに行くのではない。
あくまで配達員として、自然に会わなければならない。
「運命には、きっかけが必要なんだ」
一雄は、そう考えた。
そして、次の依頼を待ち続けた。
【2-2へ続く】
第4話をお読みいただきありがとうございました!
明日の同じ時間に、第5話「2-2 会話の練習」を投稿予定です。お楽しみに!
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【主題歌のお知らせ!!】
主題歌は2つ 別々の視点から作詞しました!
①iti「運命の人〜暴走〜」
②UVA48「運命の人〜完全拒絶〜」
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