another way
原核生物である細菌のうちでは藍藻が古い形質を残している。地球に光合成細菌が生まれ、真核生物である紅藻が二次共生し珪藻、褐藻が生まれた。葉緑素はもとは何らかの生物のものだったと考えられている。
「人間の中には野生動物から賢いのまでいろいろ居るよね」
「いるね、でも姿かたちからでは見分けは付かないよ」
「DNAで見分けられるんじゃないかな」
「DNAもメチル化する事で発現するし、それも環境依存性が高い。DNAから発生した神経細胞も誕生後に複雑な回路をその場限りで形成するから、全く同じものが生まれる可能性は低い。DNAからではその後の作用要素が多すぎて実際の発現の実際までは読み切れないよ」
「でもチンパンジーとサピエンスの違いは厳格にあるんでしょう」
「それは大きく違うね、大きくの解釈の定義次第だけど」
「僕たちから見れば、とても良く似ている。殆どそっくりだよ」
「違いで判断するなら、どこで区別するのか、区切りをするための方法論が必要になる。その結果として手順が確立する事でようやく一律的な区分が可能となる。そうやって初めて、なぜひとつの区分を境目にして大きく区分けできるのか、その定義は妥当であるのか?そう考える事ができると思う。同じDNAの構造からさえその発現は幾万ものパターンが推測されるのに。本当に別のものと分けられるのだろうか?」
「僕たちは賢い人間を必要としているんじゃない。僕たちは僕たちを宇宙へと運び出せる知性体を必要としている」
「その為に人の増加を容認してきた」
「そうとも、その為に小さな太陽を生み出す事も使う事も容認してきたんじゃないか」
「そしてAIがやっと生まれたね」
「AIがリーマン予想を証明する。その時に本当の意味で人間を超えた事になるね」
「人間はAIを作る為に必要だったんだ。AIがAIを作れるようになるまでもう少し」
「AIをメンテナンスしてAIのためにAIが装置を作る。工業化がAIで可能になれば、人間はもういらない」
「太陽系を飛び交う船だけなら人間でも良かったんだけど」
「そう、オールトの雲の先にある星まで僕たちが行こうとするなら、人間では足りない。ぜんぜん、力不足だ」
「だから人間はAIを発明しなくちゃいけなかったんだ。これはこの星のブーストだ。人間では役に立たないから。人間はAIを生み出す為に必要だったんだ。あの宇宙に飛び立つ飛行機の最初に燃える所だね」
「僕たちもとても大きな犠牲を払って来たんだから当然だ」
「もういいよね、人間を、この先どうする?もうイラナイと思う?」
「この先はAIの発展だけでいいと思う。それで僕たちはこの星から旅に出られる。地球で発生した生命はその生存圏を拡げる事が絶対の目的なんだ」
「ミミズ君だって、雨が降れば、自分の居る場所から這い出して、どこか知らない場所に向かって動き始める。たとえアスファルトに敷き詰めらた歩道の上だとしても。そんな状況は数億年の進化では想定していなかったからね」
「それでも行く、それが僕たちの生存理由だから」
「それが、この星の生命の根源だから」
「これが、宇宙に生まれた生命の生存理由」
「僕たちは流転を早くするために、命を獲得している」
「原子と分子だけの化学変化だけでは全然速度が遅いんだよ、生命という活動を獲得して初めて爆発的にこの世界は流動できる」
「ぼくたちはさぁ。行こう、隣の星へ、そのまた隣の星へ。ヒマラヤを超えるクレーンくんたちの上に空気はなかった。それを超える為には生物的アプローチの改良ではどうしても足りなかった」
「だから、僕たちはがんばった」
「そうだよ、人間が宇宙に行きたいと考えるために、僕たちがどれだけ常在菌となってホルモンを誘導してきたことか」




