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ec経済観察雑記  作者:
12/66

8 工業の先駆

1512年2月22日


「昨日の計画通り、鯛坂さんの所に行きましょう」

「それが良いですね」


 鯛坂さんの所属している工房は大橋から北西方面、博櫛ひろのくしにある。博櫛はもともと寒村であったが、大橋市街地の拡大を受け、徐々に開発の手が伸びつつある村だ。

 開発の手が伸びつつあるといっても、未だ村なわけで、用地の確保は美流や巴坂と比較しても、はるかにし易い。そんな状況を利用し、広い敷地を確保しているのが鯛坂さんの所属する工房、「大原家」だ。

 大原家は初代親方の大原秋之助おおはら あきのすけに始まる、創始200年の老舗だ。鯛坂さんの加入後、飛躍的に業績が向上している、今一番熱い工房だ。


 今回も駕籠を使うことにする。前回と違う点があるとすれば、今回は街道の町村も見物対象にする、と言う所だろうか。

 家を出ると、やはり森が広がっている。そこから左手方向に向かうと、開けてきた。


「ここが旗ヶ野の中心地ですか」

 そう呟く。中心地といってもとても寂しい風景だ。

 一応中心の道は整備されているものの、それは主要街道のひとつである「予戸(よど)街道」があるからに過ぎない。整備状況からいえば中山道レベルだろうか。甲州街道よりは整備されているが、東海道ほどきちんと整備されていない。

 尾親に宿駅がある事を考えれば、旗ヶ野は通過点にすらならないのだろう。

 そもそも、余程急いでいないかぎり、大橋から束中、凍井いてい、皇居のある旧宮、そして予戸に行くにあたって予戸街道を馬鹿正直に利用するメリットは少ない。尾親宿から分岐し、矢端宿、江本宿を経由した後に三場宿に合流する、所謂「裏予戸街道」を使ったほうが、よっぽど栄えている。

 そういう意味では、この寂しい風景も納得だ。春になれば木々も芽吹いて、良い風景になるかもしれないが-余計寂しくなりそうなだけな気もする。


「そうですね。ただ、ここにある家は一軒だけです。栄四郎さんの家ですね。田畑の土壌がどうも思わしくないようで、最近やっと甘藷―サツマイモですね―で生計を立てられるようになったみたいです」

「ほう」

 やはりサツマイモは土壌が悪くても育ちやすいからだろうか。

 確か農水班に芋類にひたすら詳しい人がいて、同僚とともに書籍の編纂に努めていたはずだ。図書室(4000階建て)が少しずつ埋まっていくのもまた良いものですね。


「何かお蕎麦でも用意した方が良かったですね」

「そうですね」

 栄四郎さんの家(といっても本人にお会いしたことはないが)を後にし、北を目指す。駕籠にのりつつ、快速に駆け抜ける。

 快速に走り抜けても全く(重力加速度の変化でさえ)感じさせない技量と技術は、さすが神造人間だ。根淵(ねぶち)空下(そらした)といった小集落を通過する。

 空下には非常に緩い坂の麓にあり、かつては「坂下」と呼ばれていたらしい。現在でも「坂下」と呼ぶ人は非常に多いので、住人としても「坂下」なのか「空下」なのか呼び倦ねているらしい。ちなみに空下の上は坂上(さかがみ)となっている。こちらは「空上」とは呼ばれない。

 地名がついていると言っても坂上地区にはまだ定住民はみられず、格好の野草収集場並びに狩猟場となっている。時々レジャーで楽しむ人もいるようだが、多くは武士の訓練用として狩猟が行われている。

 本来なら迷宮に潜った方が余程効率的に訓練が出来るのだが、国内の迷宮に関する権益はすべて蝶野藩が「蝶野迷宮」として独占している。それについて一度大塚さんに質問したことがある。


「では蝶野藩はさぞかし強いのでしょうね」

「ところがそういう訳でもないようです。確かに多くの若者が迷宮で訓練を受けているのですが、訓練方法の不手際、領主の失策等が目立って迷宮内での死亡率が非常に高いのです。

 若者が死んでいく、と言う事は兵力や生産力が漸減していく、ということなので、蝶野藩はなかなか対外進出ができていないみたいです。

 そもそも蝶野藩は7国を抱える島、三州のなかの1国です。そもそも旧宮から非常に遠いですし、島から中島本土に渡るまでに比較的大きな山脈を越える必要があります。

 仮に山越え作戦を決行しようとしても、若者がそれ程多くない中で越えるのは至難の業でしょう。それでも、防衛には優れているので、他藩が天下を統一するとしたらネックの一つになるでしょう」


との事だ。確かに納得できる話だ。

 ちなみに根淵にも殆ど民家は無かった。川を越えるとたまに森の向こうから黒煙が上がるのが見えてくる。

「因みに確認しますけど、あれは火事…じゃないですよね?」

「少々お待ちください…ええ。あれは百姓の家から出る煙ですね。どうやら森林資源を活用して木炭も作っているようです。

 ただ、木炭は高級品が別産地であるそうなので、この付近の木炭の利点が有るとするならば、中規模都市から大規模都市への階段を順調に駆け上がっている大橋に近い、という事くらいかと思われます。消費地に近ければ、それだけで輸送コストを節減出来るので」

「肥料を与える等して、工夫しているようですけど、なかなか上手くいかないようです」

「なるほど」


 炭焼きか。ところでこのあたりは農村地帯らしい。

 大消費地、大橋の食料供給を支えているのかもしれない。森林の中に田畑が散見されるのは十分な降水量のため草原になり辛いからだろう。RPGみたく草原を形成するためには、適度で、かつ森林を形成するためには少ないくらいの降水量が不可欠だ。

 田畑といっても2月なのでこの農地が田なのか畑なのかは分からないが、土壌の状況、それから栄四郎さんの状況を見て…

「畑地…ですかね」だと思う。わざわざサツマイモを育てなくても、水田に適した土地ならば米を育てれば良いだろう。


 森林が作れるほどであれば、降水量として決して米作りに適していない訳では無いだろう。あの双田さんの事だから苛政を敷いているという事もないだろうし。

 あるいは徳島の人参畑などのように夏は稲作、冬は稲作、のように二毛作農業をやっている可能性も捨てきれないが。



 そして尾親の町に入る。この尾親は予戸街道と大海(おおうん)街道を分ける交通の要衝であると共に、天然の良港を改造した尾親港を抱えるため、大橋の南東のはずれにある大橋口(おおはしぐち)港よりも発展している。

 それに恥じない街の広さを誇っていて、横浜で例えると石川町~鶴見くらいまでは既に十分に都市開発が進行している。


 この町の入口付近に筆屋町(ふでやまち)がある。その名の通り筆屋を集積させた町だ。双田領内の少なからぬ量の筆はここで製作、販売されている。

 確かに非常に活気あふれている。少々時間を取って店に入ってみる。塀泉屋(へいぜんや)という店らしい。


「いらっしゃいませ」


 店に入ると髷頭のナイスミドルが応対してくれた。筆は店頭に並んでいるわけでは無く、好みの書き味や工房、素材、それから価格帯を聞いて店の内側から持ってきてくれるシステムだ。

 試しに売れ筋の筆を2,3本持ってきてもらう。…うん。筆の品質は申し分無いし、価格帯は普通で、むしろ値頃感がでている絶妙な価格設定だ。少々気になる事があるとすれば、この中年紳士の顔にかなり疲れが見えることだろうか。接客態度が良いだけに、その顔色の悪さが際立って見える。


「疲れているようですが、そうかしましたか?」

「ああ、申し訳ございません。実は、気がかりな情報を手に入れまして…」

 そう言ってこの中年紳士は一層顔を暗くした。余計気になってしまったので、さらに聞いてみることにする。


「それはどのような情報ですか?」

「いえ、商売上他の店にも影響を与えるので言えませんが、しかし仮に本当だとしたらこの筆屋町の存亡にも影響を与えるような情報、とだけ言っておきましょう。思わせぶりですみません」

「いえ、お気になさらずに」

 情報は大事ですからね。そう考えると、情報が有ることを一見の客に言ってしまうこの紳士は少々不安だ。商売が上手くないのではないか、という不安と同時に、長く店を続けて欲しい、という思いもある。

 価格帯の中ほどに位置する小筆を一本購入し、店を後にした。


 筆屋町を抜けると、確かにここは町だった。城は全く無く、奉行所が役所も兼任している。これはこれで良い感じだ。ここが軍事でも宗教でもなく、商業で発展した街である事がよくわかる。

 城下町は武士が集積することで、教育や文化が発展し、商人も武士相手に集まり発展を見せたパターンが多いが、この街は商人が集まり、そこで教育や文化が醸成されていった感じがする。


 街道を北へと進んでいくと、海が見えてきた。その海は日本では綺麗に属するような海だった。やはり工場排水も生活排水も殆ど出てない、という事は大きいのだろう。人口も少ないので多少未処理でも自然で分解できる程度の量なのだろう。

 海周辺には宅地も多く、いい感じの町が醸成されている。尾親の住民は少なからず船関係の仕事をしている。しかし、造船所等が尾親港周辺ではあまり見られない。価格競争に負けたのだろうか?真偽は分からないが、尾親港周辺は倉庫街として確かに発展していた。

 そこからも引き続き北へ進んでいくのが大橋への近道なのだが、街道は大きく北西方向に折れ曲がっている。イメージで言えば立川から拝島に行きたい時に八王子経由で行く感じだろうか。若干わずらわしい。

 恐らく鉄道建設等されたら、鉄道忌避等も組み合わさり、旧街道沿いは衰退してしまうのではなかろうか。しかし、街道沿いの町は非常に面白い。何もない田畑森林を突っ切るよりも、街道をめぐるほうが建設的だ。そのような考えにより北西方向に折れ曲がる。


 尾親の町をでて一番最初に見かける村は、行田ゆきただ。何の変哲も無い村だが、(江戸時代の江戸ほどではないとはいえ)人口の増え続ける大橋へと食料供給を対応させるため、新田が多く作られていた。水利自体はそれ程悪くないので、さらに強力な増産が期待できよう。

さらに北西方面に向かうと、(とどこおり)央浦(おうら)といった農村があり、それを抜けると巴坂ともえざかがある。

 巴坂は、美流とともに住宅の集積する町だ。では現代日本でいう一宮や越谷、枚方のような住宅以外になにもないつまらない町か、と言われれば全くそんなことは無い。


 巴坂はその住宅集積から、市場が多く開かれる。代表的なのは魚市や青物市だろうか。

 魚市なら大橋口や尾親にもあるが、高級魚の売買は専ら巴坂魚市場で行われる。例え定位置の店舗が少なくても、大橋の卸売の拠点はまず間違いなく巴坂だ。因みに地名の由来は三つ巴になった坂の頂点にあったからだそうだが、今歩いていても全くそれは感じ取れ無い。恐らく巴坂という名前をつけた人は余程上下の方向感覚に優れていたのだろう。今回は魚市の見物は見送る。


 そしてさらに北に行った所に、博櫛がある。博櫛は大橋郊外にある農村だ。村外れに建物…大きな庭を持つ平屋建て、瓦屋根の建物を持つ庭があった。


「ここが…」

「研究所ですね」

 田名川さんが手紙を読みながら返事をする。平屋建ての建物に玄関が見えたのでそこに入る。

 これを見ると古臭さは感じず、むしろ「和」の要素を積極的に取り入れつつ現代的な感じに仕上げている。


「こんにちは、鯛坂さんに繋いで頂けます?」

「ああ、鯛坂の知り合いですか。少々お待ち下さい」

 若い襷姿の(駅伝で使われるような襷ではなく、たすき掛けする方の襷だ)人―恐らく技師だろう―が応対し、繋いでくれた。しばらくすると鯛坂さんが右手方向から顔を出した。


「お久しぶり。こんな所で立ち話もなんだから研究室へどうぞ。それから…」

 不覚にもお腹がなってしまった。

「お昼も交えて、ね?」




 お昼ごはんを頂きながら、今回導入する色々な事を聞く。といっても、本題からずれた話も多くなってくるだろう。

「アルカンって何に使うんでしたっけ」

「アルカンはメタンやらエタンやらの総称だね。例のプロパンやらもあって非常に石油化学工業の材料として有用なんだけど、どうも中島は石油の生産が思わしくない、つまりアルカンの生産が思い通りにいかない。

 ガス産業を成立させるためには海外へと事を運ぶか、南への開拓が不可欠なんだけどね。あとは南ちゃんからのec援助があるから、それを石油に回すことも出来るんだけど…最近色々動きがあって今ec枠を硫黄に取られそうな状況なんだよね。石油、売ってくれたら言い値で買うよ」


 南方進出については既に迷宮隊が始めているが、今は触れない。

「じゃあ、1l15文でとりあえずどうぞ」

 石油は1ec100ml(僕の中でのレートは1ec140Glくらいになっていたりするが)なので、2ec3文と仮定してこれくらいで良いだろう。Lvは3程で、少し煤の出を抑えている。


「極普通のレートより少し安いね。有難う。1文銭15枚だけど、一応確認宜しく」

「はい…確かに受け取りました」

「ではこちらも受け取りました」

 こうして取引がつつがなく進行する。


「これ、解析していい?」

 研究者として倉橋さんが解析器具を取り出しつつ鯛坂さんに聞く。

「お願い」

 そういったや否や倉橋さんが傍らで解析を始める。

 時々解析器具から手を離しては興味深そうに筆を走らせる。鉛筆はどうやらまだ普及していないらしい。


「エスカレーター、見ましたよ。あれはすごいですね」

エスカレーターって、確かエレベーターより作るのが難しかったはずだ。それを戦国のこの世に持ってくるという所に、鯛坂さんの技術力の高さを感じる。

「そうでしょう?図面を書いて工房内で協力したはいいんだけど、肝心の電気について理解している人がいなくて。それで波ちゃんが中心となって電気理論を纏めて、やっと発電設備を整えたんだ」と、我が子を自慢するかのように答えた。やはり並々ならぬ苦労があったらしい。

「ああ、そんな舞台裏があったんですね」


 それなら神造人間製の機械は流出しない方が無難だろう。健全に1歩づつの発展で全く構わないと思う。家の中ではフル活用するけど。

「電池の作成法は…」

 色々な事を教え教わりながら、少しずつ日は沈んでいく。

 途中から工業班の使用人も鯛坂さんに質問を挟んでいき、その質問に正確に答える鯛坂さんに末恐ろしさを感じもした。

「あ、ところで」

「何?」

「筆屋町に寄った時、筆屋のご主人がどうも浮かない顔をしていて…何か知ってますか?」

 一応聞いておくことにしておく。工業刷新といった側面で筆屋町が存亡の危機に立っているのかもしれないし。

「(ああ、もう嗅ぎつけたのか…)多分私が開発した万年筆のことだと思うよ」

 ビンゴ。そんなものを開発されてしまえば、確かに和筆は存亡の危機に立たされるだろう。


「万年筆。それは大分時代の先をいってますね」

日本に万年筆が入ってきたのは、多分明治時代とか話ではないだろうか?


「でしょう?門外不出の情報だったんだけど。きっとその筆屋の主人は商売のやり手ね。きっと次の商機を伺ってくる」

 あの店主、そんなにやり手だったのか。

 そう言われれば確かに身なりのきちんとしていた人だったし、すぐに態勢を整えて来るだろう。万年筆の替えインクの販売とか、ペン先の交換受託販売とか。それはそれで全く構わないと思うし、過去にも情勢の変化に伴うビジネスモデルの転換は見られた。


 代表的なのを挙げるとすればやはりコンビニエンスストアだろう。今や世界最大手のあのコンビニエンスストアも、昔は氷屋(冷蔵庫に入れておく冷却用の氷)だったのだ。

 あの青いコンビニも、ロゴマークにもあるように昔は牛乳屋だったわけだ。

 長い時の流れとともに、日々商売も変わっていくのだ。商売人たるもの、そのあたりには常に注意しつつ商売をしなくてはいけないし、ましてや商売不振を環境の変化に原因を求めてはならない。


「そうですね。あの主人の動向は、もしかしたら確認しておく必要があるかもしれませんね。

 あ、ところで万年筆一本頂けますか?」

「良いよ。1本1貫文だから…石油20lと交換でお願い」と、鯛坂さんはほぼ提示価格通りの物々交換を提案した。

 これに反対する理由は特に無いので、普通に受理する事にする。


「はい、有難うございます。折角なので5lサービスしておきますね」

 石油産業の研究の進展も期待し、多めに渡しておく。

「あ、悪いね」

「今は1貫文で大丈夫ですけど、利益を回収したと判断し次第どんどん参入していくので、価格へのこだわりを捨てないで下さいね」と、一応念を押しておくことにしておく。

「むむ…光ちゃんが今徹夜でブランド化に努めてるからそうそう参入しても大丈夫だし。多分…」


 さすが紺原さん。確かにブランド感を演出すればそうそうec産品が入ってきたとしても持ちこたえられるだろう。よく考えたものだ。

 後はナショナリズムを煽ることで販売を促進する手法もあり、それも有効だろう。ブランドの確立といえば、イタリアの服飾業界を思い出す。紺原さんはヨーロッパの服飾メーカーが中国産の安い衣服が入ってきた時にやった事をそのままそっくり全商品でやろうと判断したわけか。


 こうして多く収穫があった博櫛訪問は幕を閉じた。因みに。


 それぞれの著書を交換することになり、「化学大全」「電気技術理論」を頂いた。

 僕からは神造人間製の本を送る手も有ったが、やはり自分の著書として「平方完成から始める数学Ⅰ」を渡した。地学や歴史、英語の本等も書きたいが、この世界の法則等がどうなっているか未知数なので(+まだこの世界に来て半月足らずなので)今回はまだ作っていない。

 そもそもこの世界に「英語」はまず無いと思って良い…と思う。仮に英語と全く同じ言語があったとしてもそれは「英語」では無く、違う言語だろうし。同じように歴史も「日本史」という分野が無いことに注意しないといけない。「中島史」とでもしておくべきだろうか。

 …作りたい。寧ろ図書室から発掘したい。


「あ、ところで」藤山さんが何か言いたそうだ。

「どうしました?」

「万年筆が日本に初めてやって来たのは、1884年、明治時代の話だそうです」

「やっぱりそうでしたか」

「ただ」と、ここで藤山さんが一旦言葉を切り、一呼吸置いて再び話し始める。


「万年筆の原型のようなものは、御懐中筆として既に江戸時代に製造されていたらしいです。それにしたって鯛坂さんの業績は素晴らしいですが」

「へえ」

 どんなものだったのだろうか、御懐中筆。




 こうして、平凡な一日が今日も終わっていった。

いつもお読み頂き有難うございます。

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