14, 悶えた2人
「やらかした。」
窓の外で小鳥たちが歌い、柔らかな朝日がクロエのベッドを優しく照らす。
そんな清々しい朝にも関わらず、クロエは昨夜のことを思い出してとにかく泣きたくなった。
別に、アイリッシュへの警戒を解いたことを後悔しているわけではない。むしろ良い変化なのだろう。
じゃあ何かって?アイリッシュの膝の上であ~んされていたやつだ。申し訳ないやら恥ずかしいやら、恥ずかしいやらで、消えてしまいたい。次にどんな顔をしてアイリッシュに会えば良いのだろう。
「私のバカ。」
(あんなキノコ食べるんじゃなかった。前世でも痛い目を見ていたというのに。)
どこかで見覚えあると思ったら、前世でもあのキノコのせいで大変な目に遭ったのだ。その時は確か2日猫になって生活した。
「なるほど、作用はランダムなのか。」
現実逃避するようにそう呟くも、全く意味は無い。
もはや思考を放棄してクロエはベットから降り、部屋を後にした。
☆☆☆
「ふふふ」
アイリッシュは昨日のクロエを思い出して微笑む。
最初はデレ期到来に驚いたが、少しでも警戒を解いてもらえたのなら何よりだ。何より可愛かった。
「母さん兄ちゃんが壊れた。ずっと1人で笑ってる。」
「アイリッシュ、ちゃんと仕事してよ?」
後ろから妹と母親の声が聞こえる。1週間も仕事を代わってもらったので何も文句は言えない。(いう気もないが。)
「もっと家に遊びに行く頻度増やそうかしら?」
手土産には何を持っていこう。
何のことについて話そう。
一昨日くらいから浮かれ続けているが仕方ない。嬉しいことが続きすぎているのだ。
「早く会いたいわ。」
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