11, きのこパーティー開催です
「帰ってきた。」
領主への報告を終え、1週間ぶりの我が家に帰ってきたクロエは感動しながらお気に入りのイスに座った。
「キノコパーティー⋯。」
クロエが思い出すのは昨日。アイリッシュへのお詫びとして手料理を振る舞うというものだ。
『え!良いの?本当に?ウッソ〜嬉しいわ〜じゃあ早く帰らなくちゃ!エド、早く帰りましょ!』
あのアイリッシュの反応を思い出しても嫌だとかは無さそうだ。
『仕事を片付けて晩、いや、夕方には行くわ!!』
急に1週間も仕事を休んだ理由を仕事場の上司と同僚(父と母と妹)に説明しないといけないと泣く泣くエドに連行されていくアイリッシュを見て改めて申し訳ないと思ったが、弟に引き摺られていても呆れの念を周囲に湧かせないどころか少し絵になるのはこの人くらいだなとも思ってしまった。重ねて申し訳ない。
「⋯、夕方までに美味しいきのこ料理を作らないとですね。」
立ち上がりキッチンへと向かう。そこには氷漬けにされたキノコの山があった。
「ボスは毒々しいのにキノコはこんなに美味しそうなのっておかしいですよね。反則です。」
頭の中に赤いキノコの姿が出てくる。
やはりあれがボスだったらしく、踏破報酬として、このキノコの山が出てきたわけだが⋯。
「アイリッシュは結構大食いだし使い切る勢いで準備して大丈夫そうね。」
そういえば、師匠以外と食事をするのは今世初だなぁとか、アイリッシュはいつもお茶したときのお菓子たくさん食べているしとか、味付けは濃いめでいいかとか考えながら手を動かす。料理は好きだからと次々作れば、約1時間後にはキノコの山は殆ど使い切っていた。
「あれ?このキノコ、見た目が他のと違うわね。」
何の種類だろうかと思っていたら何故か無性にそのキノコが食べたくなったクロエは⋯。
「⋯」
何かに操られたようにそのキノコを口へと運んだ。




