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~メリドとの面談~

~メリドとの面談~


 メリドは俺様キャラだ。自信家だし、おそらくマナナンガルを除けばゲーム中最高の魔道士だ。というかそういう設定なのだ。


 2番目が誰になるのかはわからない。だが、メリドの魔法を頑張ればモカグリーンが使えると言っているからモカグリーンも上位なのはわかる。


 だが、マナナンガルという存在だけが異質なのだ。そして、そのマナナンガルをメリドとモカグリーンに待ってもらっている。


「ふん、この俺を待たせるとかお前はバカか。まあいい。お前にも耳があるのだから俺の話を聞くことくらいできるだろう」


 黒髪、黒い目のメリドがそう言ってきた。そう言えば、この世界って黒髪、黒い目のキャラってあんまりいなんだよね。そんなふんわりした気持ちでメリドを見つめていた。


 メリドだけ見た目がちょっと日本人っぽいんだよね。そう言えば、妾の母親が確か東方出身だったらしい。というか、日本のような国があるのかな?そこに米があったらいいのに。


「おい、お前。聞いているのか?」


 いきなりメリドが椅子から立ち上がって私に近づいてこようとする。


「何?聞こえているわよ」


 ちょっと威圧を込めてみた。だが、メリドは防御している。ちょっとメリド以外にも威圧が行ってしまったのかモカグリーンが苦しんでいる。あ、すぐに治った。


「ふん、ちょっと俺の周囲に魔力の膜を張れば回避できるな。お前の攻撃なんてそんなものだ。どれ、お返ししてやろう」


 魔力の膜って何よ。ってか、メリドが威圧のようなことを行ってきた。なんかムカつくからその魔力の膜というのをちょっとやってみようかな。目の前でメリドがやっていたからまねをしてみた。あ、なんかうまくいった気がする。というか、これ結構いい感じじゃない?


 自分の周囲にバトル漫画で見たことがあるような白い炎がメラメラと燃えている。あれ?メリドのはこんな感じじゃなかったけれど、回避できているから成功だよね。


 それにこの状態だと不意打ちとか防げそうだし。思ったよりきつくないし常時発動でもいいかも。


「お嬢様。それだと気配が漏れています。そのなんというか、魔王のような気配がずっとあるので、どこにお嬢様がいるのか宣伝しているような感じなのでやめてもらえませんか?」


 ユーフィリアにそう言われた。そんな感じだったの?ってか、魔王って何?私はモブキャラだよ。


「ってか、お前やっぱりおかしいな。ちょっと興味がある」


 メリドにそう言われた。メリド攻略時の時のセリフを言われたのだが、私にデレられても困るのだ。メリドはモカグリーンと一緒に過ごすのが一番ですから。というか、モカグリーンは失恋すると周囲を呪うから達が悪いのだ。


「私はあなたみたいな子供に興味はありませんわ。それで話しとは何ですか?」


 それに私も大人ですし。3歳も年下にドキっとなんてしませんよ。まあ、確かにメリドの顔立ちは親近感がわくし、顔立ちだってきれいなのは事実だ。だが、ゲームだと気にならなかったけれど実際に目の前に俺様キャラが現れるとなんか違うなって思ってしまう。それに、メリドは魔法だけは優秀なんだけれど、色々と残念な所が多いのだ。


「呼ばれたから来たのじゃが、何用じゃ?」


 扉から金髪を縦巻きロールにしたお嬢様がやってきた。最近は神社付近の仕事と布教活動に忙しいマナナンガルだ。今は金髪に縦巻ロールに青い神官服を着ている。


 というか、神社だから巫女さんの服を推奨したのだが、なぜか却下を喰らった。代わりに破戒僧みたいな黒い法衣は受け入れられている。大きな数珠を首からかけるのとか。


「お主、あんな場所に女子だけ置くとか危険じゃろう。というか、鍛えしものしか配属できぬということなのか?」


 マナナンガルにそう言われて、確かにちょっと街から離れているし、山の中腹に作っているから危険なんだと思った。


「でも、その破戒僧みたいなものだけで守護できるの?」


 そう聞いたらこう返されたのだ。


「安心せい。妾の芸術品であるゴーレムが守護しておるわ」


 確かになんか仏像というか剣を持ったものが多いと思ったら守護のゴーレムだったのか。個人的には不動明王とかなのかと思っていた。というか、そういう話しをしたら作ってくれたんだと思っていたのに。違ったのか。


 まあ、マナナンガルは神に仕えることに目覚めたらしい。そういうエピソードはなかったけれど、1000年も生きていれば何か色々あるんだろう。そう思っておこう。


「それで、どうして妾を呼んだのじゃ?おおメリドではないか。しばらくはドカーケにいられるのじゃな。この数か月、馬車馬のように働かされたが色々と見せたいものばかりじゃ」


 マナナンガルはメリドを見るとテンションが上がっているのがわかる。1000年生きてる魔女も恋をするのだ。


「マナが作った街や建造物には興味がある。だが、一番はマナに聞きたいことがある。だが、その前にドカーケの領主であるお前に確認がある」


 なんだろう?メリドの目的はマナナンガルだと思っていたのに私にも話しがあるのか。


「どうぞ」


 考えてもわからないことは流れに任せるの一番だ。メリドは目を合わさないのが普通だ。それは人とほとんど接してこなかったからだ。だが、まっすぐに私を見ている。


「マナの呪いを解くと1000年の月日に肉体が耐えられない。それはあっているのか?それともう一つ後1年でマナの呪いは自然に解けてしまうということもあっているのか?」


 それって私が答えていい問いではない。私はマナナンガルを見る。マナナンガルがため息をつきながら語り出した。


「メリドならその結果に気が付くと思っておったわい。その通りじゃ。この呪いを無理やり解呪した場合1000年の月日の流れが一気にやって来るだろうな。それと後1年で確かにこの呪いは解けてしまう。それもまた事実じゃ」


 マナナンガルの言葉にメリドは目を閉じて顔を上にあげた。だが、目を大きく見開いて私に向かってこう言っていた。


「だが、お前はこの呪いの正しい解き方を知っている。そうだな」


 まあ、知っているというか、もう少し先のシリーズで出て来るからなんだよね。マナナンガルみたいな1000年生きているキャラが。


「私が知っていることはメリドも知っているでしょ。呪いを発動させる時は身代わりを用意することに。この呪いだって同じ。何かに身代わりさせればいいだけよ。もしくは、呪いを上書きするかだね」


 実際にゲームでは2つの選択肢があった。ただ、呪いの上書きにはレアアイテムが必要だし、現実的ではない。確か上書きできる呪いは100年だけ解呪を伸ばすというものだったはず。


「ならば話しは終わりだ。俺はすでに仮説を立てている。マナ。寿命をこれから100年伸ばす。そして、この魔法は俺とマナを隔てる時空の溝を失くせるものじゃない。今と変わらぬ状態だ。だが、後1年ではたどり着けなくても100年もあればたどり着けるはずだ」


 メリドはそう言いながら『黒魔水晶』を取り出した。それも6個。確か寿命を延ばすにはレアアイテムの『黒魔水晶』が6個も必要なのだ。それと魔法レベルを上げきらないといけない。


「レベルが低いとその魔法は失敗するわよ」


 メリドのレベルは鑑定の結果45だった。1年目と考えれば高い方だが、確かあの魔法は最低でもレベル90はないと失敗する。


「ふん、その分は俺様の技量で埋めればいいだけだ」


「それでマナナンガルが塵になったとしてもメリドは後悔しないの?」


 私の言葉を受けてメリドは不安になったのかマナナンガルを見てすがっていた。そう、こういう所がメリドの残念なところなのだ。マナナンガルが言う。


「そうじゃな。このキールお嬢様の言うとおりじゃな。メリドが行おうと思っている魔法は何か予想はついておる。そして、その魔法を成功させるにはレベル95は欲しいところじゃ。だからあきらめよ」


 あれ?ちょっと高くないですか?


「マナナンガル。あなたの意思を確認させてください。それが一番大事です。100年。寿命を延ばしたいと願いますか?」


 私は領主として、上司としてマナナンガルの意思を確認したかった。


「そりゃ、1000年生きていても死にたくないと思うものじゃ。それに、1000年のうち最後に色んな世界を見させてもろうておる。もっと見たいと思うのは強欲かも知れぬが思ってしまうのじゃ」


 そこにいたのは少女だった。1000年生きた魔女の面影はどこにもなかった。


「では、決定ですね。マナナンガル。これから夕食だけはメリドとモカグリーンと一緒に摂るように。それとメリドとモカグリーンはレベル上げです。そうですね。スウ。お願い出来るかしら?」


 本当ならユーフィリアにお願いをしたかった。だが、ユーフィリアがずっと居なくなるのはちょっと厳しいのだ。スウを見る。恍惚とした表情をしている。


「キール様。期限はいつまでですか?どれくらいの間でこの二人を調教すればいいんでしょうか?」


 あれ?なんか変なワードが出てきたぞ。


「なるべく早く。早くレベルが上がれば色んな観光や夏ならではのイベントが満喫できるからね」


「うふふ。わかりました。完璧にこなして見せます。ナッカ。手伝ってくれますわよね」


 あれ?スウの表情がなんだか怖い。口が笑顔なのだが三日月のようになっているのだ。これは触れてはいけない何かのような気がする。


「ああ、もちろんだ。レベルはもう上がらないけれどスキル習得を行いたいしな。宜しくな。メリドにモカグリーン」


 ナッカが居れば大丈夫だろう。夕食時に見たメリドは別人のように憔悴していた。モカグリーンにいたっては燃え尽きた灰になっているように見えた。ただ、レベルはものすごいスピードで上がっていた。ただただ、スウの恍惚な表情が怖かった。


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