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お昼の秘事。1



「シルヴィア様、一緒にテラスへ参りませんか? 」


「エリザベス様、アンネ様、お誘いありがとうございます。

しかし、今日は先約がありまして。

また明日、ぜひご一緒したいでしすわ」


「まあ、そうですの。

それでは仕方ありませんね。

近頃ずっと忙しくされているから、心配しておりますのよ」



グハッ

エリザベスとマイエンジェルの視線が辛い!

召されそうだわ。


これは、絶対にバレてはいけない。絶対に。

もしバレたら、嫌われちゃう!



「そんな事ありませんわ!

元気ですので、ご安心下さいませ。

おほ、おほほ〜。では失礼っ! 」



人目を避ける様に先を急ぐ。


ガサガサ



「リアム、準備ありがとう。

さっ、食べましょう」



最近は人通りのない、実験棟の近くの茂みでリアムとお昼を食べている。



「いつまでこんな事に付き合わせるおつもりですか」


「ゔっ、明日はエリザベス達と食べる約束したわよ! 」


「これからもそうして下さい」



うるさいわねっ。

色々あり過ぎて、ストレス溜まってるのよ!

だからエネルギーチャージするのは、当然でしょう!



「あっ、来た!

ほら、リアム頭下げて! 見えちゃう」


「ちょっ、やめろ、お嬢」



キタキタキタキターーー!

たかまるぅっ!



「ジン様、今日はマフィンを作ったんです。

お口に合えば良いのですが」


「マリンは本当にお菓子作りが上手だね。

君が作ってくれたものは何でも美味しいよ」


「ジン様っ/// 」


「ふっ。ジン、だろう? 」


「あ、」



バシバシバシッ



「痛いです。お嬢様、気付かれますよ」



しまった。興奮のあまり、つい。

リアムの肩を叩きまくっちゃった。



「ごめん。

でも見たっ⁈

昨日はマドレーヌだったわ。毎日焼くなんて、大変なのに彼の為に!

可愛いわ、マリンちゃん 」


「マリンちゃんて。あの人2年生ですよね。

しかも面識ないでしょ」


「おだまり。

ハッ、見てリアム!

見つめ合ってるぅっ、あまあまぁ〜」


「鬱陶しいです」


「はい、すみません」



彼等を見つけたのは1週間前。

ミレーが事故であんな事になってしまって、何も手に付かないくらい消沈。

食欲もわかないし、1人になりたくて静かな場所を探したら、見つけちゃった。

Wの意味で見つけちゃった。きゃっ。


授業以外、使われる事のない実験棟裏とはね〜。

素晴らしい目の付け所だわ。

授業がない時間に誰も来やしないもの!


ネクタイの色からして、3年生のジンさん。

2年生のマリンちゃん。共に家名は不明。

ジンさんは明らかに貴族科だけど、マリンちゃんは感性や行動が貴族らしくない。

執事科のメイドコースの人かな〜と予想中。

きっと身分差か何かで、お付き合いしている事を公に出来ないんだわ!

くっ、いじらしい!


そんな彼等のイチャコラタイムをこっそり茂みから観察するのに、すっかりハマった今日この頃。

顔面偏差値の高い この世界では、モブでさえ絵になる。

てか、ジーモさん絶対モテるよね。

エリオット達みたいなレベチがいるせいで

霞むけど、いやどこのアイドルですかってレベルなのよ。

対して私の推し、マリンちゃんは素朴だけど可愛い。

3割マシで可愛く見える。

まず、仕草や声が可愛い。

フィルターでもかかっているのかしら。

よく見ると素朴なのに、私にはメチャメチャ可愛く写る。

彼も可愛くて仕方ない様で、瞳(め)がデレデレだ。


今日はジーモさんがいつもよりソワソワしている。

あれだな、キッスのタイミングを計っているのでは?



「うふっ、ぐふふ」


「漏れてるぞ、変質者」


「あら、失礼」



あー、滾る。もう一息よ、そう!今!



「……何をしているんだい。シルヴィア」


「何って、応援してるんですのよ。

見たら分かるでしょっ」



リアム。この1週間、何を見ていたの?

貴方も応援しなさいよ!



「こんな所に隠れて?

あまり感心しないな、それは」


「むっ、あともう少しなんだから邪魔しな……い、で」


「やあ、やっとこっち向いたね。シルヴィア」



な、なな何故にエリオットがーーー⁉︎



「(お嬢様、どうか安らかに)」



後ろを振り向くと、冷ややかな瞳を向ける魔王がおわした。

一応気を遣ってくれているのか、中腰で茂みから頭が出ないようにしてくれてます?

あ、違いますよね。今はそういう事じゃないですよね。

はい、分かってます。

だからその目を止めて下さい。



「えぇ〜っと、ピクニック日和ですわね、殿下」


「うん。だからこんな場所にお弁当広げているのかな? 」


「そうです。ピクニックです」


「へ〜。ココ、随分暗いな。

木と草が生い茂って、陽射しが全然当たらないじゃないか。

ピクニック……なんだよね? 」



ひぃっ。

だって、目の前に幸せがあるんだもの!

今こうしているうちにも、後ろではイチャイチャ ウフフな世界が爆進しているのよっ!

時間が惜しいと思いませんの?

早く振り返りたい!



「シルヴィア、聞いてる? 」


「いえ、全く……ちが、はい! 聞いております!

えっと、そう! 紫外線対策です! 美肌の為! 」


「ん゛? 」



あらやだ、私ったら。

何を言ってるんでしょうね。おほほ。



「すみません。あの〜仲の良いカップルがいらっしゃったので、見たいなぁ〜って」


「何日も? 」


「今日だけで、はい、すみません。その、1週間程? 」


「ハァ、君は人の恋路を邪魔する気か。

さっさと引き上げなさい」



違うもん。こっそり応援してるんだもん。



「本当に、ちょっと興味があったと言いますか、眼福だったと言いますか」


「リアム、君も何故止めないんだ」


「申し訳ありません。お嬢様のご希望でしたので――あっ(キスした)」



何、あって何?

もしかして進展した?

振り向きたいぃ〜



「・・・・・・僕がもっと目を光らせるべきだった。

シルヴィア、奇行は控えてくれ」


「別に、私がお昼を何処で食べようが、エリオット様には関係ないでしょう」


「本当に食べてるだけなら文句は言わないよ」


「ぐっ。明日は友人と食べるので、今日は見逃して下さいませ」


「ダメって言っても聞かないんだろう。

まあ、いいよ。その代わり今日の放課後、デートしようか」


「「はっ⁉︎ 」」



デート?

私とエリオットが?



「興味があるんだろ?

だったら人のを見るんじゃなくて、僕とすれば良い。

婚約者なんだし、ね」



「嘘でしょっ」


「マジかっ、あ、間違えました。

正気ですか、殿下(この変人お嬢様とデートしたいとか、恐ろしい)」


「はい、決まり。

おや、彼等抱き合ってるけど見なくて良いの? 」


「見ますっ! 」


「(だめだ、こりゃ)

殿下、くれぐれも宜しくお願い致します」


「うん、任せてよ。

君も一緒に行くけどね」


「え」


「ホワァッ!

見ましたっ? デコチューですわ、デコチュー! 」


「「ハァ〜」」



評価&ブクマ有難うございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] ネット小説大賞のピックアップページからきました。 今後がすごく楽しみです。 応援してます!
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