↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後ろ指を指されても、別に  作者: チゴロ
PR
18/21

9月1日、であるからにして

 9月1日。二学期の初日である。夏の熱気は治まらず、近衛の前髪は額に張り付く。

 周りでは休みにどこに行っていたかで盛り上がっている。近衛の隣でも飯田が海外へ行った話をしている。

 しばらく眺めていた近衛は、だんだん顔を紅潮させていく。飯田ごときがハワイに行くんじゃない。怒りを込めたアロハを叫ぶ。何がどうしたと驚きの表情の飯田である。

「ハワイなんて流されろ!」

 その表情にさらにヒートアップした近衛が飯田の机を両手で押し流す。困った顔の飯田が机を戻そうとすると、

「ハワイだからねえ。」

「漂流?」

 小菅と大浦がさらにその机を遠くへ引っ張っていく。そこに近衛も加わり、三人で机を廊下まで引きずりだす。調子に乗った近衛はそのまま隣のクラスを横切り、どんどん引っ張っていく。教室の入り口で飯田くんが困った顔をしてこちらを見ている。

 ハワイなんて行くのが悪いのだ。駄菓子屋で十分ではないか。

 気持ちが入って机を引っ張るスピードが増していく。ついに校舎の端の階段まで到達しようかというとき、背中に大きいものが当たった。

 何か物でもあるのかと振り返ると、スーツの大男が立っていた。

「そういうのがお前の趣味なのか。」

 見上げると、担任である。下から見ると顔が薄暗くて余計に不気味だ。

 いつの間にか小菅と大浦はどこかへ消えていた。

 はあ。

 大きなため息をついた。全身に溜まっていた力が抜けていく。この後の流れは大方予想がついている。

 長い長い、二学期のはじまり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。