プロローグ
突然だが、お前らには推しはいるだろうか。
俺はいる。同じクラスの白山と黒崎だ。
この二人はいわゆる幼なじみで、保育園の頃からずっと一緒らしい。
「ねえ〜和樹〜、課題写させてよ〜」
「それくらい自分でやれ。俺は知らん」
「ケチ〜」
そしてこの二人、距離感がめっちゃ近い。
席で本を読んでいる黒崎に、後ろから抱きついて絡む白山。顔がくっつく距離だと言うのに、お互いに気にする様子がない。
「(黒白てぇてぇ〜……!)」
何を隠そう、俺は腐男子だ。近くに推しカプがいる幸せを噛み締めて生きている。
この二人が幼なじみだと言うのは百も承知だけど、俺は付き合っている説を推したい。
「ケチで結構。やらなかった瑞希が悪い」
「むぅ〜……」
「不貞腐れんな。可愛くない」
絶対付き合ってるやり取りだろこれ!!
思わず机を叩きそうになるのを、なんとか耐える。つり上がってくる口角を片手で抑え、冷静な思考が飛んでいかないように必死にしがみつく。
「(可愛くないとか言って、本当は内心可愛いって思ってるやつ!!てかむぅ〜ってなに!?可愛すぎんだろ!!)」
ちらりと二人を盗み見れば、二人でノートを開いて課題を進めている。でも写してる訳ではなくて、黒崎が白山に教えてるようだ。
「なんでここはこうなの?」
「ここは……」
そして相変わらず距離が近い!!!
向かい合わせで座ってんのに、なんでそんなに顔が近くなるんだよ!!尊いをありがとうございます!!
「(落ち着け〜俺……落ち着け……)」
朝から推しカプを摂取しすぎて鼻血出そう……。




