-31- 洗濯物
時折り日射しがある程度の曇り空のとある日、角吹の妻は、たぶん降らないわね…くらいの軽い気分で洗濯物を外で干すことにした。午前中は何事もなくキッチンで昼食を食べていたとき角吹がふと、大サッシ窓を見た。大粒の雨がザザァーっと降っていた。だが、その音はキッチンに流れるいい音色のBGMに掻き消され、全く聞こえなかった。
「この時期の天気、変わりやすいな…」
言うでもなく角吹が呟いたが、妻は調理したうどんを食べるのに余念がなく、洗濯物を干したことなどすでに忘れていた。
「今回は、味加減も丁度いいし、上手く硬めに茹でられたわ…」
「ああ、このうどん、確かに美味いな、ズルズルズル…[うどんを啜る音]。それよか、雨脚、強まってきたぜ…。洗濯物、大丈夫かぁ~? 朝、洗濯してたよな…」
角吹は聞くでなく、軽く妻を窺った。妻はハッ! とした。洗濯物を外で干したことを、このとき思い出したのである。ずぶ濡れで、チャン、チャン!^^
こんなことにならないように、空模様が不安定なときは外で干さず、家の中で干した方がうっかりミスらないでしょう・・という注意を喚起するお話でした。^^
完




