-冒険5-
槍を使って戦っている者の背後から矢が飛んでくる。
矢は小さき獣の元へ向かっていく、獣は間一髪で矢に気付き、横に動いて矢を避けた。
獣は煽るかのように威嚇する。
「ブィィイーー」
「クソが カガルのくせに避けやがって」
悪態をつきながら、もう一人目の誰かが槍士の後ろから現れた。
鞣した薄緑色の動物の皮を羽織って、背中に装飾された黒い矢筒、腰に短剣を装備している。
その者は背中についた矢筒から矢を二本指で取り出す。
言葉を話している。高い、女の声だ。
何語かわからないが聞き取れる。
なんだこいつら…いや、猫耳が生えている、猫耳の女の子だ!
くすんだ肌色の髪にクリーム縁の白い耳がぴょこっと頭にたれている。
フードのようなものを頭にかけているが、もう一人も猫耳なのだろうか。
可愛いといいな、可愛いのかな。
こっち向け!こっち向いてくれ!
猫耳の女性は取り出した矢を番えて、弦を引く。
獣に狙いを定めると隣の槍持ちが獣に向かって勢いよく走り出す。
その瞬間、ちらっと素顔が見える。
「 え、ぶっさ 」
丸い顔に潰れた低い鼻、ムスッとしてるかのような
ふてくされた顔の上に灰色の猫耳が配置されていた。
女性か男性かかもわからない。
その者は小さき獣に槍を持って近付くと連撃を繰り出す。
「サンセイカウッ!!!」
右から左へ横一列に突きの3連撃を繰り出すが、
小さき獣は2回バックステップして槍を避けた。
そのまま、攻撃の隙を見せた槍士に対して獣が前に飛びかかる。
槍士は右に躱すと槍を引き、そのまま渾身の一撃を繰り出す。
「ロウキッ!!!」
見事に獣の土手っ腹をぶち抜くと、槍を強く引いた。
獣の腹から緑の血が噴き出す。あれは即死だ。
獣はドスンと小さい音を立てて倒れ込んだ。
その瞬間にビュッと矢が飛んでいく。
最後に残ったカガルと呼ばれる獣は仲間が殺された際の
一瞬の隙に射られた矢を避けれず、足に重い1発を食らっているようだった。
「姉貴、あいつも頼むよ 脚に矢を当ててる」
「わかった。しかし、よくカガルに1発で当てたな」
「当たり前だろ、フビナ等級をなめんなよ」
姉貴と呼ばれた槍士は足に矢を食らったカガルに走って近付くと槍を構える。
カガルも足を引きずりながら後退するが、逃げ切れない。
槍士はカガルに近付くと首を目掛けて一突きし、槍を引き抜く。
血が噴出するがそれを横に動くことで華麗に避けた。
3体のカガルは全滅した。
「今日はいい感じだね 姉貴の槍術も獲物も」
「エミーの弓もよかったじゃねえか、今日は全然外してねぇから矢の回収も楽そうだしな」
「黙れ!」
ふははと笑いながら槍士は槍の先を何かの素材で出来た腰の黒い袋から取り出した布で拭う。
エミーは死体に近付き獲物に命中させた矢を回収する。
深く刺さっており抜けないからか腰のナイフを取り出して死体の足を切り取った。
やべ、戦闘終わっちまった。
何か助ける感じで行こうと思ったのにスムーズに敵倒しちゃったよ。
どうしようかな…




