-冒険2-
少しすると途中で羽に興味がなくなった奴は肉を食し始めた。
おじさんのように胡坐をかいた状態で赤ん坊のようにお口をくわんくわんにしながら
手と顔についた血を青くて長い舌で舐めまわす。
そして体を舌で綺麗にした後、地面を見つめながら両手で顔を掴み首を傾げた。
目がクリクリで大きくて毛むくじゃらで耳がぴょこっと立っている。
血まみれで且つ巨大でなければ可愛く見えるのかもしれない。
ただ、その2mを超える凶悪な身体つきでその動きをされても大分矛盾しており、
もはや奇妙さを覚える。まるで善悪の区別がない世界で育った赤ん坊のようだ。
「あいつ、ぶりっ子でもしてるのか…先制で攻撃してみるか」
右手を大きく開いて構え、手を中心として前方に大量の水をに撃ち出すイメージをする。
あいつを殺すにはかなりの勢いを出さなければ倒せる気がしない。
大量の水、それをダムの放流をイメージして水を放出しぶっ飛ばす。
それこそが奴を倒すために必要な作業だ。
水を自分の体の周りに集め始める。何の音も発せずにどこからか水が溢れ出してきた。
体に力が漲り始め、撃つ準備が着々と準備されていく。
奴の体に手を合わせて照準を合わせた。
「発射ッ!」
もの凄い勢いの大量の水が轟音を出して発射され、奴に着弾する。
パンッと大きな破裂音をあげて奴の体は大きく吹き飛び、後ろにある木へ叩きつけられた。
そのままの水量で水は放出され、何本かの木が薙ぎ倒される。
「死んだか!?」
歩いて慎重に近付いていくと前一面の木々は水によって薙ぎ払われていた。
近づくと木々の下に2m以上の大柄な巨体がぐったりと地面に横たわっている。
その体にはすでに四肢が存在しておらず、胴体も欠損していた。
「めちゃめちゃ死んでるじゃん」
あり得ないほどの威力だった。これは俺の必殺技としよう。
地に内臓も散乱しているグロテスクな状況に何故か興奮が収まらない。
精神的にもおかしくなっていることは確かだが、何故か達成感に満ち溢れていた。
てか、うーん、わかってはいたけれど絶対に地球じゃないだろうな
地面に転がっている死体から溢れ出す緑の血がそれを示している。
近くでみると背中は灰色のざらざらした鱗のようなもので覆われており、
小さいが棘のようなものが付帯していた。
怖えよ、鎧みたいな背中になる動物って存在するんだな。
「てか、ウッ、くっせーな」
食事していた何かの血と奴の血といった死臭、そして獣独特の臭いが混じりあい、
とんでもない異臭が漂っていたので、足早にこの場を離れることにした。
他の化け物が集まってくる可能性もある。




