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防人(さきもり)の戦後  作者: 佐久間五十六


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戦闘航空団

 1957年には、航空自衛隊初の戦闘航空団がF-86F戦闘機で編成され、1958年4月から北海道地区の領空侵犯に対するスクランブルの体勢を構築した。パイロットや航空機を揃えても、それらがきちんと機能する為には、きちんとした編成が成されていなければならない。4機編成なのか2機編成なのか、とにかく戦闘機だけでは戦力として機能しない事は確かである。

 航空自衛隊が発足してからわずか5年で、とりあえずの戦力としての基盤は整った訳である。無論、枠組みが出来たからと言って、それで終わりではない。編隊飛行を上手くこなす為には、それなりの時間が必要になるし、経験を積む事が何よりも求められる。

 米国空軍を手本として設立された航空自衛隊ではあったが、能力的にはまだまだ米国空軍の足元にも及ばない組織であった。必要な時に自衛力を行使する力がなければ、組織としては未完成である。戦闘航空団の設立は、航空自衛隊が自衛力を行使する為のきっかけでしかない。

 無論、ソ連機の領空侵犯は目に余るものがあったし、遅かれ早かれ日本の戦闘機をこれに対処させなくてはならないとも言えた。ジェット戦闘機のスピードは、プロペラ機とは比べ物にならない。その分編隊飛行をする為には、熟練の飛行技術が必要になる。それは一朝一夕には行かない。

 戦闘機の能力を最大限活用する為には、何よりも集団で飛行する為のテクニックが必要不可欠である。乗っているパイロットにしてみれば、個人競技なのかも知れないが、編隊飛行は団体戦である。味方との連携をいかにとれるか否かと言う事が非常に重要になって来る。個人戦においては、10の能力は10以上にはならないが、編隊飛行の場合は、単純に10+10=20となる。無論連携を上手く行った場合は20以上の数値が計測されるだろう。これが編隊飛行の強みである。持っている力以上のものが連携により生まれる。勿論、連携が上手く行かなければ、編隊飛行をやる意味はない。

 日本の広い領空を守りきる為には、こうしたテクニックが必要になる。パイロットや、機体の整備にばかり力を注いでも駄目なのであった。

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