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防人(さきもり)の戦後  作者: 佐久間五十六


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独立した航空自衛力

 日本が独立した航空自衛力を持つ事は、意味があった。もし仮に、日本に何の実力部隊も存在する事が無ければ、きっとそれは米国の言いなりにしかなれない奴隷国家に成り下がる事になるだろう。それだけではなく、日本の意志で自由に動ける部隊があると言う事は、日本の国益にダイレクトに繋がるものである。

 航空自衛隊を設置した選択は日本にとって間違いではなかったと言える。そのモデルになった米国空軍だが、航空自衛隊は本家の米国空軍とは、全くの別物に昇化していく事になる。発足直後は戦力的に心もとない劣っていた実力しかなかったが、それでも今や世界のトップクラスの航空自衛力を持つに至っている。

 空軍は今や大国の国力を示すステータスである以上、日本もそれなりの航空自衛力を持って然るべきであろうと思う。航空自衛力と言っても、その実力は一朝一夕にはいかない。優秀なパイロットを育成して、熟練の整備員を確保し、優秀な機体を保有せねばならない。その為に多少の時間がかかるのは致仕方無い。

 日本の領空を守る事が主任務とは言え、今やその活躍のフィールドは、日本国内にとどまらない。PKO(平和維持活動)や災害派遣で輸送任務が定番なのは、今や常識である。中国やロシア(ソ連)と言った西側陣営(共産圏)の大国が近くにある事も、日本が独立した航空自衛力を早急に準備する必要性がある事を意味付ける事になった。

 日本の国益を考えれば、自衛隊の配備は必要不可欠であった。GDP比1%の防衛費用と言った制限を用いたのは、日本が軍国主義に戻らない為の布石であり、日本はそれを忠実に守って来た。集団的自衛権を行使するのは、ギリギリまで粘る。それが専守防衛と言う自衛隊の共通ルールである。

 自分の国は自分達で守る。それは独立国の責務である。自分の国すら守れないで経済活動に終始していたと言う戦後日本のステレオタイプ的な見方は間違いである。米国の支配下にあったとは言え、日本の自衛隊があったからこそ、日本の安全は保たれて来たのである。独立した航空自衛力を持つと言う事は、自分の国は自分達で守ると言う国家の意志の表れなのである。

「徳橋3佐?起きてますか?」

「今日は当直じゃねー。早く寝かせろ。」

「そんなに長い話ではありませんので。」

「で、何?」

「自分(市田島曹長)を何とか徳橋3佐の御力で、3尉に昇進させてはくれませんか?」

「どんな魂胆があるのかしらねぇが、俺にそんな権限は無い。」

「そこをなんとか?」

「航空幕僚監部にでも直訴しろ。俺は知らん。」

「そんなぁ。」

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