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防人(さきもり)の戦後  作者: 佐久間五十六


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世界の空軍①

 世界の潮流は、第一次世界大戦後に続々と独立空軍を作ると言うものであった。それを考えると、日本の航空自衛隊の設立は遅い方であったと言える。欧州では、第二次世界大戦の頃には、既に独立空軍が存在して活躍していた事になる。

 大艦巨砲から航空海軍へと変わった日本の背景には、欧州や米国の航空自衛力の高まりがあった。欧州の国々が続々と独立空軍を設置した事により、米国は欧州戦線で苦労する。無論、欧州戦線で米国が苦労したのは、それ以外にも理由があるのだが、明らかに太平洋戦線よりも犠牲者が多かった。独空軍や伊空軍は、米国にとって確かな脅威であった。

 だが、幸いにも同盟国の英国や仏国も優秀な空軍を保有していた為、その支援もあり早期に伊国イタリアを降伏にたらしめたが、米国は独立空軍の必要性をひしひしと感じていた事だろう。つまり、独立空軍の保有は大国のステータスになっていたのである。優秀な機体とパイロットをどれだけ用意出来るか、と言う事がその国の国力を示し、戦闘機や航空機を開発していく能力が高いほど、力を誇示する時代になったのだ。

 制空権をとれなければ、圧倒的な不利に置かれる事も充分分かっている。それは今や世界の常識である。世界各国がこぞって設立したその狙いは、単なる戦力の増強にとどまらないものであったと言える。航空機の進化のスピードはこれまでの戦争の形を大きく変えた。技術だけではなく、名機を操るパイロットも、沢山輩出してきた。零戦などは日本が世界に誇る名機であった。

 だが、そこに至るまでの道程は、決して平らなものではなかったと言える。空軍を設置出来る力と、それを一流の戦力として運用出来るかと言う能力は全くの別問題である。極端な話、戦闘機が一機でもあれば空軍を設置する事は可能である。しかし、それを一流の戦力とは呼べない。一流の戦力としての独立空軍は、戦闘機の数も優秀なパイロットの数も揃っている必要がある。日本も同じ事が言えるのである。

「徳橋3佐?戦闘機の選定は上手く決まってますか?」

「市田島曹長、その件は部外秘だぞ。あまり声高に話さないでくれ。」

「で?どうだったんですか?」

「詳細は話せないが、一応米国製のジェット戦闘機25機を3年以内に日本国内に配備する事で契約に合意した。」

「少なくないですか?」

「まぁ、日本はまだ独立復帰をして間もない。まだ米国側も日本の大規模な軍事力増強には慎重なのが目に見えているのだろう。」

「なるほど。」



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