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防人(さきもり)の戦後  作者: 佐久間五十六


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戦勝国の横暴②

 戦勝国の横暴の中で最もシンボル的なのは、まず間違いなく"東京裁判"であろう。戦勝国による徹底的なまでの憂さ晴らしは、遂に第二次世界大戦で殺られた分をやり返しに来た様なものだ。A~C級の戦犯がランク分けされたが、ABCのアルファベットは、罪の重さや量刑を表すものである。

 東京裁判のいけない所は、判決を下す裁判員全員が、戦勝国から出されたもので非常に公平性を欠いていた。しかも、法律の専門家はインドのパール判事以外誰もいないという点にある。

 そんな中で大日本帝国陸海軍人の裁判は行われた。いずれにしても、日本人にとっては日本の為に尽くした人物達ばかりであり、戦争犯罪をおかしたと言うのは全て戦勝国の"ものさし"によるさじ加減であった。一方の戦勝国側に裁かれた人物は皆無である。誠に不公平で、理不尽極まるものだ。とは言え、少なからず大日本帝国軍人の中で戦争犯罪人になってもやむを得ない人間もいた。だが、原子爆弾を2発も落とした事に比すれば小さき罪である。戦時国際法違反の原子爆弾の投下を裁かない限り、連合国には日本を裁く資格はなかった。

 戦争に勝てば何をしても許される。それが米国の示してきた民主主義である。21世紀に入っても、イラクやアフガニスタンで戦争を続ける。強大な軍事力を背景に、次は中国と覇権を争い第三次世界大戦をしようとでも言うのか?米軍は、日本の都市部にも執拗な爆撃を行っており、連合国の中でも残虐な戦争犯罪人がいないとは、言い切れないだろう。それら全ての罪が日本と同様に裁かれなければ、フェアではない。敗れた者だけに罪を擦り付けるのは、明らかに間違いである。

 勝てば何をしようと許されるのか?その論理はいつの世も変わらないのだろうか?負けた者だけに全て擦り付ける。その前例が"東京裁判"だったのである。米国だけでなく、多くの国の戦争犯罪が勝った事により、帳消しになってしまったのである。これを横暴と呼ばずしてなんと呼べば良いのだろうか?


弱肉強食の世界なのだから、当たり前と言えばそれに尽きるのだが、東京裁判は見るに耐えない。日本としては抗議してもそれは受け入れられない事は分かりきってはいた。公平性に関しても疑問が尽きない。米国はいつもそうだ。日米同盟だって戦後の置き土産的なものであり、後生大事にするべきほどのものでは無い。とは言え、そんな事をすればまたあの悲惨な戦争を繰り返す事になりかねない。その時は世界地図から日本が消えるであろう。

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