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ザセツ系主婦の片付け日記  作者: 三条まこ
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21/30

20、21、22日目「秋田」

秋田に行くのは莉音はもちろん爽子も生まれて初めてだった。


蒼介とは秋田駅で待ち合わせで、秋田市内に2泊でホテルも予約した。

連休中とあって新幹線は満席。

先に往復の切符を取っておいてよかった。

駅弁を食べたり、ゲームをしたりしているうちに、4時間かからずに秋田に着いた。


なまはげ、くらいしか予備知識は無かったが、蒼介の言っていた通り、秋田はいい感じのところだった。


市街地はお店も多くて程々に都会で、

蒼介の会社の近くはニュータウンで緑も多く、ショッピングモールもあって買い物も便利そう。


最初に蒼介の住む独身寮に行ったが、小さい冷蔵庫とベッドが備え付けで、かなり住みやすそうだった。


社宅は無いが、その代わり家賃の補助があり、借り上げ社宅として一軒家に住んでいる人もいる、という。


ちょうど一軒空いているらしく、蒼介が調べておいてくれたので見に行った。


家賃は今のマンションとほとんど同じ。

でも、庭と駐車場2台分付きで、4LDK。



一目で、いいな、と思った。

担当が不在で、家の中は見られなかったので、後日蒼介に見てもらって写真を送ってもらうことにした。


小学校、公園、図書館をぐるっと見て回り、イオンで買物もした。


秋田市内のホテルに3人で泊まり、翌日は桂浜で海を見て、午後は動物園。


3日目は久保田城を見たり、市内を見て回って、午後、莉音と2人でまた新幹線に乗って帰って来た。


下見が目的だったので観光はあまり出来なかったが、食べ物は何でも美味しくて楽しかった。

次回は十和田湖や温泉にも行ってみたい。


蒼介は単身赴任寮が快適なので、もうしばらく1人でも大丈夫、と言ったが、

爽子が「家族3人で暮らしたいからなるべく早くこっちに移動しようかな」と言うと、嬉しそうにしていた。

莉音も「パパが一緒がいい」と言ってくれたので、

蒼介が見て内装が気に入れば、借り上げ社宅を押さえてもらい、来月には引っ越し、という予定を立てた。


転校の手続きとか、これから忙しくなる。



帰りの新幹線の中でスマホをチェックすると、

ブログのアクセス数が1000件を超えていた。

人気のあるお片付けブロガーの人がFacebookに紹介してくれたらしい。


秋田滞在中も、小さいスケッチブックを持ち歩き、4コマ漫画をスマホから更新していた。


自分のFacebookページにも、面白い!斬新!など感想コメントがたくさん入って来ていて、ドキドキが止まらない。


極め付けは、片付け隊グループへの隊長からのコメント。

「爽子さん、漫画素晴らしいですね。私が主催のイベントがいくつかあるのですが、フライヤーのイラストをお願いしたいです。少しですが謝礼も出します。こういうタッチの絵を探していたので、イメージぴったりで驚いています。」


まだ漫画を描き始めて10日あまり。

描いた作品は28本。

展開の早さについて行けてない。


自己流で、どこかで習った訳でもないので自信もない。


でも、やりたい。

ドキドキするけど、やってみたい。


ドキドキし過ぎて心臓がばくばくしたけど、

「イラストやりたいです!詳細お知らせください!」と返信した。


片付け隊のグループメッセージには

「すごい!」

「すごい展開!」

「すごすぎ!」

など、とにかくすごい、のコメントがたくさん続いて、笑ってしまった。


「片付けて、やりたいことが見つかって、チャレンジして、チャンスをつかむ、夢のような展開ですね!

後に続きたい!」


という隊員のコメントが入って、

ああ、そうか、と思う。


仕事辞めたことが情けなくて苦しかったはずなのに、今はもう全然後悔が無い。

挫折した、と思ってたけど、

退職は挫折ではなくて、新しいスタートだった。





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