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お近付き作戦決行〜目指せ、可愛いワンコ系年下後輩〜


ミカエラは懐かしい夢を見た。

幼い頃の夢だ。

幼いミカエラは、母と花畑にいる。

母とミカエラの元に、騎士服を着た青年が歩み寄ってきた。

幼いミカエラは青年に恋をしていた。

ミカエラは、花冠を青年にあげた。

青年の頭に花冠を被せると、青年は照れ臭そうに微笑んだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ミカ、明日はいよいよギルロイド団長とのお出かけだな」

「ああ、イシス」


そう、明日は、ギルロイド団長とミカエラの2人でお出かけに行く日である。


ミカエラは、リリアンナの協力の元、団長をお出かけに誘うことに成功したのだ。


「ミカ様、ギルロイド団長は、休日に外出して気分転換することも好きだそうですわよ」

「本当ですか?!」

「はい、牧場やカフェなどにも、ご友人と行かれること言っておられましたわ、」

「ありがとうリリアンナ嬢!」

「うふふ、楽しい休日を!」



そして夜、団長と稽古の時間に、

「団長、王都に新しく出来た牧場をご存知ですか?」

「新しく?知らないな」

「僕、そこに行こうかなと思ってまして、もしよければ、その・・・ギルロイド団長に、いつも稽古つけて貰っているお礼をカフェとかで出来たら良いなって。

なので、今度の土曜日、僕と、街に出かけませんか?」

「俺と?」

「はい!」

「ふむ、別に構わんが。その日は予定は今のところ無いしな」

「ありがとうございます!」




そうして、土曜日、団長と街へ出かける日がやってきた。


(お近付き作戦、頑張るぞ!)


騎士団に入って早数カ月、任務の期限である王妃の出産の予定日も、今年の秋に迫っている。


(何だかんだ騎士団での日々をエンジョイしちゃってたから、気を引き締め直さなきゃ)


待ち合わせの場所に行くと、ギルロイドが立っていた。

肩まであるローズブロンドの髪をお団子にしてまとめ、黒と白のツートンカラーの半袖のジャケットに、

白いTシャツ、薄茶色のズボンというラフな服装。

(こんな私服なんだ、意外〜、つうか、

ギルロイド団長のお団子ヘアー、色っぽいな・・・)


傷痕のある強面とガタイの良さから、女性達は声をかけ辛いのか、けれどギルロイド団長に釘づけになりながら、ソワソワと遠巻きに見ている。



ミカエラはというと、イシスに提案された

〜『団長を慕うワンコ系年下美少年』というテーマでコーディネートし、団長のハートを掴もう作戦〜を元に、服を揃えた。

普段のミカエラの『オシャレとは無縁な私服』とは一変して、

『まだ幼さの残る可愛いらしい美少年風』服装を、イシスにコーディネートされた。


ミカエラは、幼さの残る少年のような雰囲気を演出する「柔らかな黄色の七分袖のトップス、紺色のワイドパンツ」を身に着けて、

いつもの儚げな雰囲気とは一変し、可愛いらしい少年らしさを強調した服装になっている。


(こんな作戦上手くいくかね??)


「団長、おはようございます!お待たせしました、」

「おはようミカ、俺も来たばかりだ」


(よし、じゃあ早速、、、)


ミカエラは、リリアンナから教えて貰った、 

『仲良し大作戦アドバイス』を実行することにした。



〜〜リリアンナ直伝、仲を深めるアドバイス〜〜


①【今日が楽しみで寝れなかった作戦】


「今日が楽しみで、僕、昨日の夜、寝付くの遅くて、遅刻しちゃうかとヒヤヒヤしちゃいました、えへへ、」


そう良い、肩をすくめ、『イシス直伝〜可愛いワンコ系年下後輩〜』的な振る舞いを意識しながら、

「えへへ、」と笑った。


「楽しみで?ふ、そうだったのか。」

ギルロイドが微笑む。


(よし、イシスに言われた通り出来たかな??)

イシスから教えられた「女の子がやる可愛い仕草」を参考に準備してきたが、

めちゃくちゃ非常に恥ずかしい。


「じゃあ、行きましょう団長、」

「ああ、そうだミカ、団長呼びだと目立つからな、俺のことは、ギルって呼んでくれて構わない。」

「え??わ、わかりました!えっと・・・ギルロイさん、と、お呼びさせて頂きます、」


(そりゃそうか。団長の容姿で、「団長」って呼ばれてたら、周りからはギルロイド団長だって丸わかりだもんね)


名前呼びとは、何だか距離が縮まった気がして良いなあ、と思ったミカエラ。


まずは、ミカエラが行きたかった牧場に行くことにした。

「はわわわわ、」


新しくつくられた牧場は、ヤギや兎、羊など、様々な動物が、柵の中の広い草原にのびのびと放たれている。

「団長・・・じゃない、ギルロイさん、餌やりしたいです!行きませんか??」

ミカエラが、キラキラとした顔で誘うと、

ギルロイドが口元を抑え、小声で「ふ、可愛い、」と呟いた。


(可愛い?)

いや、気のせいか。


ギルロイドと餌を買い、ウサギに草をあげると、

「モキュモキュ」と草を食んでくれ、

「はう〜〜〜可愛いぃ」と、ミカエラはメロメロになりハートを飛ばしまくる。


それをギルロイドがじ~っと見つめる。

「ギルロイさん、膝にウサギが、ウサギが、」

膝に乗ってきたウサギに興奮しながらギルロイドに話かけるミカエラ。

「可愛いですよ、撫でますか??」

「ああ、」

ギルロイドが、ゆっくりと慎重にウサギを撫でる。

「俺が撫でると、ウサギに怪我させないか心配になる。力加減が」

「大丈夫ですよ、」

ミカエラがギルロイドの手を取り、力加減を教える。

「こうやって、優しく、兎ちゃんの体に手を這わせるように撫でるんです、」

ミカエラに手を取られ、ギルロイドはビックリしドキドキしたが、

ミカエラが教えてくれるウサギの撫で方を聞こうと、神経を集中させる。

「はは、ギルロイさんの手だと、ウサギが小兎に見えますね」

ミカエラが屈託なく笑う様子に、

ギルロイドは、ギチ、と、故障したロボットのようにぎこちない動きになった。


胸がドッ、ドッ、ドッ、となり胸元を手で抑え、頭にハテナマークを浮かべるギルロイド。


ふと、無意識に、ミカエラの髪の毛に手を伸ばし、

ミカエラの頬にかかる金糸の髪の毛に触れた。

太陽の光が、ミカエラの髪の毛をキラキラと輝かせる。


「え?ギルロイさん?」

「ハッ!あ、草がついてた」

「そうですか、ありがとうございます」


(何故、無意識に手を伸ばしたのか)


言いようのない感情に、ギルロイドはミカエラの横顔と、自分の手を交互に見つめる。


草原に風がサアッと吹く。



一通り餌やり体験をしたあとは、

牧場に併設されたカフェに入った。

「ここのカフェは、牧場のヤギさんから採れた乳から作ったミルクアイスとかチーズがあるんです、」

「ヤギミルクパンもあるのか、」

ギルロイドはパン、ミカエラはアイスを頼んだ。


「!上手いな、」

「搾りたてミルクアイス、美味しいです〜」

「パンも上手いぞ、少し食べるか?」

「良いんですか??」

「ああ、」


ギルロイドが、パンをちぎり、ミカエラに分ける。

「ギルロイさん、僕のアイスもどうぞ」


ギルロイにアイス皿を渡したミカエラは、

(あ、スプーン1つしかないから関節キスやんか!

まあ、今は男同士って体だから良いか。)


男同士で関節キスを気にする方がおかしいしね。


しかし、ギルロイドがアイスをスプーンですくい、

口につけるのが、妙に気になってしまう。


(落ち着け私、イシスや他の奴と関節キスしても、全然気にしねーだろ、」


「リリアンナ嬢から聞いたんですが、

ギルロイさんは、こうやって出かけること、多いんですか?」

「ああ、まあ、自分で出かけるのは、山登りとか愛馬を走らせたりとかが多いかな。

エヴァンのデートの下見のために、カフェや牧場やら劇場やらに連れ回されることもある。

「そうだったんですか、エヴァン副団長らしい・・・あはは、」


(じゃあ、ギルロイド団長は、こういう場所は興味なかっただろうか。)


「だが、誰かとこういう場所に来るのは楽しいな。

騎士団の昔からの友人は、家庭を持つ者が多いからな。こうやって人と出かける機会も少ないからな。」


「そうですか??なら良かったです!」

団長にとっても楽しいなら良かった、とミカエラは安心した。


「ミカが動物と触れ合って喜ぶところは、何だか新鮮だったな。

動物が好きなんだな本当に」


(う、恥ずかしい、、)

「らしくなくハシゃいじゃって、たはは、お恥ずかしいです、」

ミカエラがそう言うと、ギルロイドが目を細めてフッ、と、笑い、

「俺は可愛いかったと思うぞ。動物と触れ合って喜ぶミカ。」

と、何てことないように言い、パンをかじる。



(・・・・・・へ?)




ギルロイドがサラッと、ミカエラを可愛いと言った。



②【事前にリサーチした団長の好物が美味しいお店にいく】



つづいては、昼ご飯の時間になったので、

リリアンナから聞いた、ギルロイドの好物だという「ミネストローネ」が美味しいと評判の定食屋に入った。このお店のミネストローネはギルロイドのお気に入りの1つだと、リリアンナから聞いていた。


「いつも稽古つけて頂いてるお礼に、僕が奢ります!」

「悪いな、ご馳走になるとしよう」


テーブルに着き、メニューを開く。

「僕ここ初めて来たんです、わ、デザートも沢山ある」

「俺は何回か来てるんだ。デザートなら、ベリーソースがけの苺プリンが人気だぞ」

「本当ですか??僕苺好きなんです、それにします!」


パンとチキンスープ、デザートを頬張るミカエラを、ギルロイドが目を細めて見る。

「僕、騎士団に入ってから、食べる量増えたんですよね、皆が僕に色々食べさせてくるから、」

「今くらいが健康的で良いと思うぞ。騎士として活動していくには、体を作る食事が大事だしな」

「なら良いんですけど、お菓子沢山貰うので心配になります、えへへ。甘い物は好きですがね〜。ギルロイさんは甘い物お好きですか?」

「まあ貰ったら食べるな。」


団長が、ミネストローネをすする。

「うん美味い。ここのミネストローネはバターの量が俺の好みでさ、上手いんだ。一口食べるか?」

「良いんですか?頂きます、」

団長と、お互いの食べ物を交換こして食べ合う。


「本当だ美味しい!」

「美味しいだろう?」

美味しいと喜ぶミカエラに、ギルロイドが微笑む。


(今日の団長は、一際雰囲気が柔らかいなあ)


何だかデートをしてる気分になり、ミカエラはギルロイドを見つめた。


(・・・ギルロイド団長が恋人だと、こんな感じなのか?)

最も、男のフリをした自分にはあり得ない未来だが。





「・・・団長?」

「ん?エリアス?」


(エリアス?あ、騎士団の人だ)

団長の隣に立つ、長い黒髪をポニーテールにした硬派な雰囲気の青年。

ベテラン騎士のエリアス。ミカエラの先輩だ。


「お疲れ様です。・・・ミカ・マグノリアと、任務か何かですか?」

「今日はミカと出かけてるんだ、エリアスも昼食か?」

「ああ、いえ、俺は・・・」

「お兄様〜、あら、ミカ様にギルロイド様、」


店の奥から、リリアンナが現れた。

ん?今お兄様って・・・



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