第六十三話
「これは。」
メイドさんがここに閻魔様を連れてきた。
すぐに連れてきてくれたので、あまり待つ事はなかった。
「どういう事だ。私の結界が三重に張られていた筈だ。それに、監視カメラにも映っていないし、開けてもワープできない仕組みなんだ。なのに、なのに。・・・天国に違和感を感じる。異物が混入した感じだ。───メイド!」
「はい。閻魔様。」
「神に連絡をつけてくれ。大惨事だ。前々から天国は嫌な感じだったのに、ここまで来たらもう見過ごせない。あの監獄に来る囚人かって、天国が勝手に送ってきた奴らも多い。罪状を調べようとしても、何も無いってあしらわれる。もうこの再どうでもいい。神に怒ってくる。おいカタラ!」
「はいっ!」
びりついた空気を切り裂くように名前を呼ぶものだから、カタラさんがかなり怯えている。
私も正直怖い。
「お前、今から天国に行くんだな。」
「はい!」
「私も一緒に行く。今すぐだ。メイド。その間私の身代わりを頼む。」
「承知いたしました。」
すると閻魔様は、右手を扉の前でかざした。
ファンという音と共に、扉が自動ドアかのように開き、向こう側が光る。
「早く行こう。」
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閻魔様の右手の奥にあった天国は、何事もなかったかのようにそこにあった。
しかし、まだ神殿の中だ。
外がどんな風になってるか分からない。
「世話になったな。戦闘員第一番株式会社には感謝する。私はここから奥の、神のところまで一人で行くよ。またこの要件が終わったら会社にお礼をしに会いに行くから、待ってて。」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」
閻魔様にお辞儀をし、二手に分かれた。
私達は神殿の門を潜っていく。
辿り着いた外は、なんの変哲もない日常だった。
「ま、まだ大丈夫なのか。」
「いや、油断できない。他の地点ではもうヤバくなってるかもしれない。先を急ごう。」
街を警戒しながら歩いていく。
神殿と会社の距離は意外と近いが、警戒するに越した事はない。
社員旅行の後、すぐに地獄に行ったから、ここが懐かしく思える。
見慣れた街なのに、まるで始めて来たようなワクワク感。
それと同時に今何が起っているのか分からない緊迫感。
同時に降り混ざって、私の心の中が溢れそうだ。
「あ、やっと見えてきたよ!!」
結局皆も会社に着くまでに会話は無かった。
見慣れたビル、そして
「おかえり。会社員諸君。地獄に行ってくれてありがとう。今日はもう休んでいいぞ。」
見慣れた社長だ。
皆さんこんばんは。作者です。
今回で地獄編は終わりです。
次からはもう、いよいよラストスパートです。
ここまでこの作品を見てくださりありがとうございました!
もう少しお付き合いください。




