第三十八話
清水寺付近には、人が溢れかえっていた。
こんな人混みじゃ、何もできないんじゃ、、
「ゼレールさんですよね?」
わぁっ?!
びっくりした。
さっき、カラフルの事務所にいた、、双子の男の子のほうか。
何て言ったんだろう?
日本語わかんないわ。
しかも、、、何これ?
この子が現れたと思ったら急に視界が灰色に、、、
「えー、英語ちゃんと話せてますかね。二年ぶりなんで自分ではよく分かりませんが、、。兎に角、この能力は、ゆうえ、、姉の能力です。世界中の時が止まっています。、、、思った以上に驚きませんね。」
「いやまぁ、十分驚いてるけどさ、今日ラーメン屋で色々聞いたからね。でも世界中の時が止まってるなら何で私は動けてるの?」
「それは、僕がゼレールさんの肩に触れたからです。誰かの体に触れると、その人への能力の効果が無くなる仕組みです。では、今から今日の敵について話します。今日の敵は、あの『紅梅桃華』です。」
いや早速ラスボスかよ。
展開が早くないか?
「紅梅桃華とは何回か戦っていましたが、それにはちゃんと八人揃っていました。しかし僕ら二人以外の皆、もう県外に仕事に行っちゃってて、僕らで戦うのは心もとないので、社長さんに電話したってところです。協力してくれますか?」
「それはもちろんいいんだけど、相手が居なくない?」
「ここから隠れてるだけで、清水寺の屋根の上にいます。市民に被害が出るとアレなので、紅梅桃華への効果を解除、そのまま時を止めて戦います。他の皆さんにも同じ説明をして上に行ってもらっていますから、僕たちも早く行きましょうか。」
そういえば皆の姿が無いと思ったら、もう行っていたのか。
コウバイモモカ、、、どんな感じだろう?
ラスボスって感じなのかな?
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着いたけど、、、何?この状況。
「これつついてみよーぜ!固まってんじゃん!」
「か、カタラさん。止めた方が、、、」
「それにしても、マジどうなってんだかって感じだよな。」
え、カタラさんそれ、やって大丈夫なやつ?
いきなり動いたりしない?
「やっても良いですけど、やっても意味ないですよ。時止めたら、僕らは動く以外何もできないんです。攻撃も効きません。」
「おぉ!さっきの!んで、何時から始めんの?今?」
「えぇ。今からです。動かしますよ。いいよね。遊泳。」
「えぇ!準備バッチリよ!」
少しの緊張が迸る。
どんな強さかは未知数だ。
男の子がコウバイモモカの肩に触れる。
すると、肩から色が着いてきた。
その瞬間、コウバイに全員で攻撃をする。
コウバイは、全員の攻撃をかわして後ろに逃げた。
速すぎて、何も見えなかった。
コイツは別名、『桃色の厭悪』と呼ばれているらしい。
、、、死人が出ないと良いが。
「うぁっと、、、素敵な挨拶ね。始めまして。貴女方は?」
こんばんは。作者です。
いよいよ桃華ちゃんとの戦闘シーンに入ります。
今回もよろしくお願いします!