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関東の乱

1490年1月


長享の乱が始まった翌年1490年、朝廷は安寧を望み元号を長享から延徳に改元するも、乱は各地に飛び火して行った。


石山三峯寺 豊嶋宗泰


「申し上げます!! 安房の里見成義が兵を挙げ、上総に攻込んだとの事。 また駿河の伊勢盛時が駿河の富士郡へ兵を進める動きを見せているとの事。 上総の豊嶋泰明様、駿河の太田道灌様が兵を率いこれに当たっておりまする! 仔細は道真様よりの書状に…。」


早舟で江戸から石山三峯寺に居る俺の元に急報が届けられる。


本来であれば西軍に属する海賊衆に急使の乗る船が襲われたり妨害されたりし、知らせが後れたりするんだろうが、こんな事も有ろうかと、乱が始まった直後、豊嶋水軍を動員し武蔵から摂津にかけて西軍に属する海賊衆を急襲し多くの船を沈めた事で、ほぼ制海権を手中に収めているので、早舟が難なく江戸から急使を乗せてやって来れるのだ。


もっとも守護が西軍に属していたとしても、海賊衆が西軍に属するとは限らず、豊嶋水軍の力を前に、無駄に争い被害を出すよりも、表面上だけでも豊嶋水軍に従い、あわよくば、自分達が支配する海域を増やそうとする海賊衆達もいるだろうが。


だが今回は表面上だけでも海賊衆が豊嶋家に従っていたおかげで、相談役として江戸で家臣や国人衆などから本当に相談を受けている太田道真が東国で始まった争いについて急を知らせる急使が石山三峯寺に居る俺の元へ無事到着した。


道真からの書状によると、京より兵を引き、帰国の途に着いた里見成義は、尾張の津島に呼び寄せていた里見海賊衆の船で安房に戻り、兵を整ると、真里谷信興(まりやつ のぶおき)の居城である真里谷城を急襲すると、信興を討ち取り、勢いそのままに上総で豊嶋家に従う国人衆を攻め始めているとの事だ。


里見の挙兵に対し、これを討伐すべく、伯父である豊嶋泰明が下総と上総に陣触れを出しはしたものの、当初は里見家内の内紛で真里谷家を攻めた可能性もあるとして兵を集めるのを躊躇った為に上総の外房を中心に里見に切り取られる結果となり、今は木更津で里見軍と睨み合いをしている状態らしい。


兵力的には、里見軍が6000、豊嶋軍が8000と優勢であるが、どうやら常陸にも不穏な動きがありこれ以上兵を集められない状況との事だ。


そして駿河に関しては、伊勢盛時が兵を挙げ、富士川に陣を敷き、富士郡へ兵を進める構えを見せているものの、こちらは伊勢の動きを事前に察知した太田道灌が駿河・伊豆の兵を集め富士川を挟んで睨み合うような形で陣を張り富士郡へ一歩も足を踏み入れさせない構えを見せている。


これだけならば関東に残った豊嶋家の面々で対処可能なのだが、常陸で所領を追われた国人衆達が一斉に蜂起し兵を挙げただけでなく、豊嶋家に従っていた国人衆の一部も兵を挙げ、各地で小競り合いが始まっているとのことだ。


更に越後のみならず、東北各地でも小競り合いが始まり一部は、周辺の国人衆と結んで親鎌倉公方派の国人衆を攻めているらしい。


同族で東北の要となっている親豊嶋派の葛西家も周辺の国人衆に所領を襲われ、それを追い払うのに手いっぱいで身動きが取れないと言った感じだ。


道真からの書状によると、風魔衆からの情報を元に今回の一斉蜂起を分析したところ、伊勢が裏で糸を引いている可能性が高いとの事だ。


因みに、里見同様に帰国した三浦家に関しては不気味なほどに沈黙を貫いている為、念のために風魔衆を多数送り込み探らせているらしい。


三浦家としては、今回の一斉蜂起に関して他家の所領で起きている事なので沈黙するのも当然だとは思うが、道真には思う所があるのだと思われる。


書状を読み返し、ため息をつき、今後の事を考える。

京では乱が始まり、下手に身動きが取れない状況になっており、俺が江戸に戻って鎮圧の指揮を執る事も難しいだけでなく、海路を使い関東から畿内に兵を連れて来る事も難しくなっている。


関東で起きた一斉蜂起は伊勢と里見以外は東北を含めて小勢力の小競り合い程度なので、直ぐに制圧出来るだろうが、今後、何処まで小競り合い飛び火するかで話が変わって来るので現状では楽観視するのも危険な感じがする。


三浦家に援軍を頼んで伊勢を攻め滅ぼすか…。

それとも三浦家に依頼し海賊衆を使い安房を脅かさせるか…。


現状で俺は身動きが取れない状況である事を道真にあてに、豊嶋家に従属していた国人衆を討伐し、領内を安定させたうえで里見、伊勢の順で討伐するようにしたためる。


うん、領内を安定させれば里見は物の数では無いし。

伊勢討伐には三浦家に援軍を頼めばよい。


後は東北だけど、東北は血縁が深く絡まり合っているから厄介なんだよな…。

うん、東北は関東が片付いてから考えよう。


長い事、小説の投稿が滞り誠に申し訳ございません。

なんとか小説を書けるようになってきましたので、現在ノクターンにてリハビリ的に

投稿をさせて頂いております。

もっとも、全くPV、ブクマ・評価が伸びず、結構凹み気味で心が折れかけておりますが…。

エロ要素苦手ではないようでしたら一度お読み頂けましたら幸いでございます。


下記、復活に向けてリハビリがてらノクターンにて小説投稿させていただいております小説になります。


☆彡魔王不足の異世界へ転生したからせっかくなので鬼畜スキルでヤリたい放題する

https://novel18.syosetu.com/n0177ki/


是非ともお読み頂き、ブクマ・評価を頂けましたら幸いでございます。

よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
主人公が三浦の何をそこまで信じてるのか分からない 散々世話になっておいて対等面してくるのに不快感とかないのだろうか なんか不穏な気配が漂ってますが、続き待ってます
[一言] ここまでありがとうございました。 是非続きが読みたいです。 楽しみにゆっくり待っています。
[一言] できれば生存報告で変に間のあいた投稿を繰り返すのはやめてほしいなー 読むたびに前どんなだったか思い出すの大変 むしろそれならある程度書き溜めるまで完全に休んでもらって書き溜めてからまた投稿…
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