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急変

京で、足利義視(あしかが よしみ)足利義材(あしかが よしたね)が足利政知・細川政元と睨み合いを始めて1ヵ月が経った頃、朝廷から和議を結ぶよう命じる使者が細川政元の元を訪れる。


朝廷からの使者と言う事にはなっているが、実際の所は、現在味方の少ない足利義材が兵を集める為の時間稼ぎではあるものの、和議を命じられた細川政元は、無下に追い返す事が出来ず、条件を付けて渋々と言った感じで応じる構えを見せる。


だが、足利義視も自分達が有利な条件で和議を結ばなければ、和議を結んだ後、思い通りに事が進まなくなるとあり、和議の条件交渉は難航する。


俺は和議の詳細を大まかにしか知らされていないので、静観の姿勢を示しつつ、細川政元の許可を取って、一旦、京の都を離れ、石山三峯寺に兵を連れて移動する。


うん、京の都の住民は今回起きた事件で日野富子を討ち取った大内軍を非難する声より、坂東武者が火事に乗じて乱暴狼藉乱取りをおこなったと噂がまことしやかに囁かれていてハッキリ言って居心地が悪いんだよね。

日野富子が設置した関を即座に廃止し、日野富子は討ち取られても致し方なしという雰囲気も京の都に広がっているし。


俺も風魔衆を使い噂を流して真実を広めてはいるものの、今回の情報戦は後手に回った感が否めない。

なので一旦、京の都を退去して石山三峯寺に引く事で足利義視の元へ流れる金や物の流れを密かに妨害する事にしたのだ。


だがこの豊嶋軍の動きに対し、足利政知に従って上洛していた関東勢の諸将達が政知が止めるのも聞かず帰国をしはじめてしまった。


事前に多くの諸将には、俺が石山三峯寺に移動し摂津に拠点を移すのは、兵糧などが不足しないようにする為であり、さらに京に滞在中に消費する兵糧の費えに関する心配は不要であり、凶賊から朝廷を解放することで大きな見返りがあると伝えてはいたのだが、伊勢盛時、里見成義、三浦高虎が示し合わせたように突如、兵を引き上げ帰国の途に着いた事で多くの諸将が我先にと競い合うように兵を引き上げ始めてしまった。


これにより足利政知の元に残った主だった者は、太田資忠、成田正等となり、残りは帰国の流れに乗り遅れた者達のみとなった。


しかも帰国の流れに乗り遅れた者達は、少数で上洛していたので自力で帰国するのが難しいので残らざるをえなかったと言った感じで、太田、成田家が帰国をする際には一緒に兵を引き上げられるように、帰り支度を整え、動きがあれば即座に帰国出来るようにしており、有事の際の働きに期待が出来ない状態だ。


そんな中、急報が足利政知の元に届けられる。


帰国の途に着いていた関東、東北の国人衆が尾張で斯波家の兵に襲われ多くの者が討ち取られたとの事だ。


この報を皮切りに、足利義視の呼びかけに応じた、河内の畠山家、美濃の土岐家、近江の京極家が兵を挙げ、京へ兵を進める構えを見せたのだ。


それに対し、細川政元は、越前の朝倉家に使者を送り、越前守護の座を、近江の六角家に対しても近江守護の座を与える旨を伝え味方するように働きかけ、朝倉、六角家がそれに応じた事で畿内各所で小競り合いが始まった。


当然、朝廷から命じられた和議の話し合いどころではなくなり、いつ京の都で戦端が開かれてもおかしくない状況となり、人々は、足利義視側を西軍、足利政知側を東軍と呼び、応仁の乱の再来と囁き合い、難を逃れようと京の都から逃げ出そうかと話合う。


そして遂に細川政元の兵が洛中で大内家の兵との間で起きた小競り合いを機に、一気に合戦へと発展し、大内軍と細川軍が血で血を洗う争いとなった。


合戦は両者痛み分けとなったものの、この合戦を機に畿内各所から京へ兵を進めようとする動きが活発化し戦乱が各所に広がっていく。


応仁の乱が終結から12年。

京の都は再度、西軍と東軍が睨み合う戦場となるのであった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 京は源平合戦以来より血生臭い事変とは縁の切れない場所だねぇ・・・。 第二の応仁の乱になりかねない事態に主人公は・・・。
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