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混沌とする都

日野富子の住む小河御所が襲撃された翌日、京の町に住む者達は、また大乱が始まるのではないかと戦々恐々とし、中にはいつでも逃げ出せるようにと家財を纏めだす者も現れた。


そんな中、先手を打ったのが足利義材(あしかが よしたね)を次期将軍にと擁する足利義視(あしかが よしみ)達であった。


足利義視達は、大内政弘(おおうち まさひろ)の元へ詰問の使者を送り、足利義材が将軍となった暁には、嫡男である大内義興(おおうちよしおき)の暴挙を許し、朝廷へも口添えする事を条件に自陣営に入るよう迫り、京の町には治安維持の名目で家臣達を送り込み、坂東の田舎武者が昨晩の火事に乗じて乱暴狼藉のみならず、乱取りをおこなっていたと吹聴して回ったのだ。


これにより、京に住む者の多くが、昨晩の争いと火災は上洛してきた足利政知と関東の国人衆が起こしたものと信じ始め出した。


この情報を既知の公家から聞いた足利政知は怒り狂い、即座に大内親子を討伐しようと国人衆達に対し命を下そうとしたが、周囲の者達に止められ、反対に朝廷工作で対抗をすべきと諭され、大内親子の凶行に対し怒り心頭の公家衆への接触を密にし始める。


そんな中、俺はと言うと、石山三峯寺に急使を送り、石山三峯寺要塞化を急ぐよう命じ、また、豊嶋水軍の一部を、新たに建設中の石山湊へ集結させるよう命を出した。


うん、海を押さえておけば、石山三峯寺に依って長期の籠城も可能だし、兵も海路で補充できるからね。


元々、石山三峯寺の要塞化は進めていた事なので、今更急ピッチで進めても特に目立ちはしないだろう…。

多分…。


だが、そんな中、都の情勢を探る為に以前より京に送り込んでいた風魔衆から気になる情報が届けられる。

どうやら、足利義視が関東・東北の国人衆達の元に家臣を密使として送り込み何やら画策しているとの事だ。


詳細を知りたい所だが、以前より京に送り込んでいた風魔衆は主に京の情勢を探る事が主な任務の為、手練れと言うよりも京の町に紛れ込めるような人材が多かった事で、詳細までは調べきれずにいたので足利義視が何を企んでいるのかは分からないが、恐らく調略であろうと思われた。


それにしても、三浦家のみならず、里見家にも密使が訪れていたとの事だが、両家から何も言ってこないので大したことではない可能性もあるが、念のため二代目、風魔小太郎に命じて足利義視と密使が訪れた国人衆達の周辺を探らせる。


その後、数日間、特に表立った動きが無かったが、小河御所の襲撃から6日後に、事態が急に動き出した。


足利義視が兵を挙げ、それに呼応する形で大内軍が兵を進めて帝の住まう御所と主だった公家衆の屋敷を包囲したのだ。


その報を受けた足利政知は、即座に関東の国人衆に命を出し、合戦も辞さない構えを見せたのだが、直後、朝廷から京の都から退去するように命じる勅使が来たことで、国人衆達に動揺が広がり合戦どころではなくなった。


だが、そんな中、管領である細川政元は、足利政知の元に訪れて、朝廷からの命は、足利義視が御所や公家の屋敷を囲み圧力をかけて無理やり出させた命であると政知を説き伏せ、京に兵を留めるさせる事に成功すると、今度は反足利義視の勢力を京に集結させ、足利義視に圧力をかけるとともに、元々修験道の道を究めようとしていた細川政元は、既知の修験者に声を掛け、全国に足利義視が帝に刃を向けたと広めるように依頼し、山城国周辺の国人衆達が足利義視に味方をしないようにと手を打つ。


兵の数だけであれば、細川政元と足利政知が優位ではあるが、朝廷を押さえられている為に、足利義視に対し有効な手立てが打てない状況となった。


風魔衆からの報告では、足利義視と細川政元が水面下でなにやら交渉をしているようだが詳細までは掴めないのでどのような交渉がおこなわれているかは不明だ。


風魔衆の手練れを以前から京に潜ませて居なかったのは失敗だった…。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 歴史上天皇の住む御所を包囲した大名はいないと思う。 コレはやりすぎかなぁ
[一言] とてもいい手だったけど、足利義視の目論見が成功したら義政の立場が完全になくなるからこのままで終わるわけが無いんだよな……
[一言] やっぱり権謀術数や謀略にかけては京側が数段上手だな・・・。 全てが後手に回ってしまった主人公たちはどう対処するのやら・・・。
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