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滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


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首を垂れる奥州

1489年3月 鎌倉御所


まだ奥州の各地は深雪に覆われているにも関わらず、鎌倉御所には、関東公方である足利政知より所領安堵の書状を受け取る為に、奥州に所領を持つ国人衆の多くが集まっていた。


豊嶋家のみならず、古河足利家の足利成氏も加わり奥州の国人衆を調略し、関東公方からの所領安堵状を条件に臣従をさせた。


恐らく半分は関東公方に臣従したつもりで、残り半分は豊嶋家か古河足利家、葛西家へ臣従をしている。


関東公方派は、公方という権威に従う者。

豊嶋家、古河足利家、葛西家に従う者は利に聡い者だろう。


言い方を変えると、古い考え方をしている者が関東公方。

新しい考え方を取り込もうとする者が豊嶋家、古河足利家、葛西家方だ。


そしてその国人衆達の所領も意外とハッキリ割れている。

奥州の内、陸奥(太平洋側)は豊嶋家、古河足利家、葛西家に従う者達が多く、反対に出羽(日本海側)は関東公方に従う者達が多かったのだ。


うん、これは単純に、太平洋側の陸奥は豊嶋家と交易をしており、その交易により力を得る事が出来たことで、交易を一手に担っている豊嶋家と豊嶋家に近い家に従った方が利になると判断をした結果だ。


もっとも、臣従と言っても形式上であり、所領への口出し、賦役などを課す事が出来る程ではない程度ではあるが…。


武力を用いて臣従させた訳ではないので、奥州の国人衆が、豊嶋家派、関東公方派に分かれただけと言った感じだな。

因みに古河足利家と葛西家は、豊嶋家派に入っている。


そんな事はつゆとも知らず、関東公方である足利政知は、続々と鎌倉御所を訪れる奥州の国人衆達を謁見し、上機嫌である。

関東管領として同席していた吉良成高は苦々しい顔をしていたが…。


そう、奥州の国人衆が鎌倉に来て関東公方より所領安堵をされたと言う事は、今後、奥州で揉め事が起こった際の裁定を関東公方に求めて来る事が考えられる。

中には合戦により奪われた所領を返還する命を下して欲しいと言う者も出て来るはずだ。


足利政知は全く気が付いていないが、吉良成高はそれにいち早く気付き、頭を抱えたい衝動に駆られていたのだ。


「ワシ…、関東管領辞めようかな…」

そんなつぶやきが、舞い上がっている足利政知に聞こえる訳もなく、関東公方家の屋台骨が軋んでいく。



■江戸城


「お主も悪よの~。 豊嶋家、古河足利家、葛西家に従うは関東公方に従うも同じとはよう言ったもんじゃ。 しかもそれを政知に咎められた際の言い訳迄用意しておるとは…」


そう言いながら出されたコーヒーを啜る足利成氏。


「実際、関東公方に従っている豊嶋家、古河足利家、そして奥州では他家に先駆けた葛西家に従うは関東公方に従うと同じ事。 恐らく多くの者はまだ、我らと関東公方様を天秤にかけているでしょうが、それも暫くの間のみ。 係争案件やらが多く公方様の元に持ち込まれだし、それが処理出来なくなるのは必定。 そうなれば我らに従うようになりましょう」


「ふっははははは!!! では関東管領になった吉良成高が一番苦労するであろうな。 働き過ぎで寝込まなければ良いが」


「吉良成高には簡単な案件のみ自身で処理し、他の係争案件などは関東公方と政所に任じられている公方の重臣に沙汰を任せるように言い含めてあります故、過労で寝込む事もございますまい」


そう笑いながら俺もコーヒーを口に運ぶ。

川越の夜戦で古河公方である成氏や関東管領であった上杉顕定を裏切り豊嶋家に味方した吉良成高であったが、実は、調略をする際、足利政知が関東公方となった暁には、関東管領に任じるとの条件を提示していたのだ。


もっとも所領は返還された世田谷城とその一帯なので明らかに名ばかりではあるのだが、関東管領というだけで相応の利を得られることもあり、今は名ばかりの関東管領として鎌倉で関東公方の相手をしている。


「それにしても、吉良成高を飼いならしているだけに飽き足らず、奥州の国人衆達で我らに従う者を選別する為に、新しき農業を教える事を条件に検地をおこなうとは。 だがそれもすぐに広まるであろう。 そうなれば検地をされた国人衆が不満を漏らすのではないか?」


成氏のいう事は最もな事で、正条植えなどは恐らく直ぐに広まるはずだ。

実際の所、豊嶋領で正条植えを広め、収穫高が上がった事で、周辺に所領を持つ者達も見よう見まねで正条植えを真似しだしたのだから…。


「まあ、問題はないでしょう。 最初は正条植え、次は堆肥、そして治水と開墾、恐らく3~4年は我らに従う者も不満は漏らしますまい」


「という事は、3~4年の間に事を成すと言う事か…。 ワシも歳だ、早いに越した事はないが…」


そう言う成氏だが、確かに歳をとってはいるが、まだまだ精気に満ち溢れた表情をしている。


うん、成氏さん、今は1489年だから、あと8年は大丈夫だよ。

史実だと1497年まで生きるし。


てか史実だと、太田道真の爺様、1488年に没するんだけど、ピンピンしてるな…。

100歳ぐらいまで生きるか?

稚拙な文章ではございますがお読頂き誠にありがとうございます。

また誤字報告ありがとうございます。

本当に、誤字脱字、言い回し等、稚拙で申し訳ございません。


また、評価、ブックマークありがとうございます。

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