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滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


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降伏の条件

気落し坂の戦いから4日後、豊嶋軍が占拠した上諏訪にある諏訪大社本宮に諏訪大祝家の諏訪継満(すわつぐみつ)と、下諏訪家の金刺興春(かなざしおきはる)が訪れ降伏の申し入れに来ていた。


もっとも、先触れも無く直接来たわけではなく、事前に使者が訪れ、降伏する旨を伝えられていた。

なので諏訪大社の周囲には警備の為の兵が100程居るだけで、他は茶臼山城城下に駐屯している。


因みに、佐久に攻込んだ村上政国であったが、長窪城、城主の大井玄慶(おおい はるよし)の粘り強い抵抗にあい、また木落し坂の合戦の翌日に甲斐より駆けつけた山口高忠率いる国人衆達の兵4000が佐久へ兵を進めた事で、小城を3つ程落としたのみで、豊嶋家との合戦を避けて兵を引いた。


現在、山口高忠が大将となり甲斐の国人衆が落とされた城の奪還に加え、村上に与した志賀城、城主の笠原清景(かさはらきよかげ)などの国人衆の城を攻めている。


甲斐の国人衆達も、豊嶋家への忠誠を見せる絶好の場であり、手柄次第で佐久に所領を得られる可能性もあるとあって、士気が高く、恐らく10日も経たぬうちに佐久を統一出来る勢いだ。


そして、諏訪大社本宮にある一室では、矢野兵庫と荻原昌勝、そして上諏訪家当主、諏訪頼満(すわよりみつ)が、降伏の申し出にやって来た諏訪継満と金刺興春に対し、降伏の条件を突き付けていた。


「待たれよ!! 諏訪家を一つに纏め、頼満殿を当主とするのは良いとして、諏訪大社の大祝も頼満殿が継がれると申されるのでございまするか?」


「いや、継満殿は思い違いをされているようなので、今一度申し上げまするが、上、下諏訪家に加え諏訪大社の上社、下社、全てを頼満殿が治めると申しておりまする。 ご嫡子殿に家督を譲り頼満殿に家臣として仕え、お2人には隠居したうえで江戸に住んで頂く」


「なに!! それでは我らが人質同然では無いか!!」


「そう思って頂いて結構。 江戸の城下に住んでおれば、邪な気も、良からぬ企みにも巻き込まれずに済みましょうぞ」


「良からぬ企みだと?」


良からぬ企みに巻き込まれる。

その言葉に反応した金刺興春が、それはどういう事かと矢野兵庫に問いかけると、矢野兵庫の横に控える荻原昌勝が現在信濃で起きている謀略戦の一端を説明する。


話を聞いていた諏訪継満と金刺興春だが、顔が段々と険しくなり、そして最後には青ざめ始め出す。


「お2人の元にも使者が出入りしていた事は把握済み。 諏訪に残り、使者と会っているのが殿に知られればどうなるか…。 某の口から言うまでもございますまい」


「江戸におれば、それは無いと申されるか?」


「諏訪に残られるよりは…」


荻原昌勝の言葉に押し黙る諏訪継満と金刺興春だが、自分達が伊勢の謀略に巻き込まれていた事に思い当たる節があるのか、ガクリと肩を落とすと、江戸に住むことを了承する。


「後は伊那の高遠継宗(たかとうつぐむね)だが、この場に来なかったと言う事は豊嶋家と未だ敵対するとみなし攻めるがよろしいか?」


矢野兵庫が諏訪継満と金刺興春に問いかけると、最初は説得できると言った2人だったが、諏訪継満は高遠継宗が裏切った際の事を考え難しいと答え、金刺興春は、豊嶋家が伊那を獲る事で遠江への道を手に入れたいと推測し、高遠継宗が邪魔になると考え、敢えて難しいと答える。


「なれば佐久が落ち着いたら、豊嶋家は伊那へ兵を進め、高遠を討伐するがよろしいな?」


矢野兵庫の念押しに、黙って頷く2人。

その後、諏訪家の惣領となる諏訪頼満への所領の引き渡しや家臣の待遇などを大まかに決め、紙に認め終わると、2人は場を辞し、諏訪大社下社へと帰って行く。


諏訪継満と金刺興春が帰った後、矢野兵庫と荻原昌勝、諏訪頼満が今後について話し合う。

主に話し合った内容は、今後の諏訪統治をどうするか、そして諏訪頼満の嫁取り問題だ。


諏訪の統治に関しては、多少の混乱はあるだろうが、諏訪継満と金刺興春が人質同然で江戸に住まわされている状況下では、家臣達も他家と通じ謀反など起こさないだろうから、諏訪頼満が新たに従える事になった家臣を平等に扱えば問題ないだろうとの事で落ち着いたが、嫁取り問題に関しては、中々紛糾した。


諏訪頼満としては、豊嶋家の力を借りて諏訪家を統一し、豊嶋家に従う事になった以上、豊嶋家の一門、それも宗泰の父である泰経か叔父の泰明の娘をと思っていたようだが、いかせん2人には妙齢の娘がいないのだ。


なので荻原昌勝が、諏訪継満の娘で、今年11歳になる高麗姫を娶り、まずは諏訪大祝家との融和を図り、高麗姫との間に生まれた嫡男に豊嶋家の姫をと提案する。


高麗姫が嫌だと言う訳ではなく、不確定要素が多く、嫡男に豊嶋家の姫が輿入れするとの保証もないので渋る諏訪頼満だったが、妙齢の娘の居る豊嶋家の一門は支流の家であり、娘を娶っても豊嶋家の一門に名を連ねられるかすら分からないと言われ、更に、唯一、宗泰の伯父である長尾景春の娘で、夫が先の合戦で古河公方に味方し討ち死にし、長尾家に戻って来ている23歳の姫しかと言われ、最後には諦めたような表情で高麗姫との婚姻を承諾した。


もっとも、高麗姫の父である諏訪継満にはまだ話をしていないのだが…。


稚拙な文章ではございますがお読頂き誠にありがとうございます。

また誤字報告ありがとうございます。

本当に、誤字脱字、言い回し等、稚拙で申し訳ございません。


また、評価、ブックマークありがとうございます。

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